子どもの幸せを考えると「より上」を望んでしまう理由
子育てをしていて考えることは、「子どもの幸せ」ではありませんか?
人それぞれ幸せの種類や形は違いますが、親として望んでいることはただ一つです。
そんな子どもの幸せですが、より上を求めてしまうのが親というもの。
赤ちゃんが這い這い出来るようになれば、次は立ってほしい、伝い歩きしてほしい、とさらに上をもとめてしまいますよね?
親として我が子に理想のかたちのぞんでしまう現象は、子育てをしているかぎり続いていくものです。
そこで当記事では、なぜ我が子に「より上」を望んでしまうのか?についてお話します。
子どもの成功は親の幸せ?
① 良いと評価されている学校に通わせる
② 習い事でスキルを磨き、トップを目指す
③ 誰とでも仲良くなれる社交性を持ってほしい
これは親の期待とも取れますが、なぜこれほどまでに期待してしまうのでしょう。
それは、頭の片隅に、そうなることが子どもにとって幸せなことだと捉えているからです。
例えば、子どもの大学受験について。
親は子どもの成績からA大学を志望校にしては?と提案しますが、子どもは学園祭で訪れたB大学の雰囲気に憧れて、
すこしレベルの高いB大学を第一志望にすると譲りません。
こんなとき、親は「子どもの幸せを願って」A大学がいいのでは?と勧めますが、子どもは「どうして反対するの?」と感じて、
「合格レベルになるよう勉強する」と意を決します。
努力を積み重ねた子どもは、B大学に合格。
すると親は「合格すると思っていた」なんて、反対していたことを忘れて喜ぶでしょう。
親は、子どもが幸せならそれでいいという思考を持っているから、最初に心配したことなど忘れてしまい、合格したという結果に満足しているのです。
子どもへの心配は新たに増えていく
親が子どもに意見するのは、子どもの幸せを願う気持ちが強いから、ということがわかりました。
しかし、親は勝手なもので、その幸せのさらに上を望んでしまいます。
「大学生活が楽しいと言っているけれど、勉強が大変そうだ」と心配したり、「勉強とバイトで忙しくしているけれど、これが子どもの幸せなのか」とさらに心配したりするのです。
親は、子どもが幸せを実感し、充実した日々を送ることが子どもの幸せだと考えて、これでいいのか?と悶々とします。
一方子どもは、勉強やバイトで忙しいながらも充実した大学生活を過ごし、「楽しい!」「幸せ!」と感じているかも知れません。
親は子どもを心配しますが、逆に「子どもが幸せになる方法」を知っているのでしょうか?
例えば、親が良いといわれる大学を卒業して、親が望む企業に就職する。
これだけで幸せになれますか?
子どもが少しでも辛そうに見えると、いままで感じていた幸せが崩れた…と捉えてしまうかもしれません。
ひとつ手に入れて納得しても、それを忘れてさらに上を望んでしまうのです。
良くも悪くもドーパミンが存在するため願ってしまう
ドーパミンは多幸感を与えてくれる物質で、目標を達成したときに分泌されます。
このお話の中では大学受験に合格したときにドーパミンが分泌されて、合格という幸せを感じているのですが、
手にしてしまうと薄れてしまうため、再び「別の子どもの幸せ」を願っているのです。
ドーパミンによって得られる多幸感は、より上を目指すことでしか得られません。
企業が一定の業績を上げていても、新たなサービスを開発して顧客を掴む、歌手がヒットソングを出しても、
さらにヒットする曲をと作り続ける、といえば伝わるでしょうか。
この繰り返しが、私たちの日常でも起こっているのです。
まとめ
子育てにおいて「より上」を目指してしまうのは、脳内にある神経伝達物質のドーパミンの影響が大きいという研究結果があります。
ドーパミンは人間が生きていくうえで必要なものですが、こと子育てにおいては、
考え方や表現方法を間違えると子どもとのすれ違いを生んでしまうのです。
期待しても、親の理想は強制はしない。
この視点をたえず持つことで、親と子が幸せになる方法を考えていきましょう。