発達障害で自転車に乗れるようになる5ステップ|注意点は?
この記事では、発達障害のお子さんが自転車に乗れるようになる方法などについてお伝えしていきます。
「自転車に興味を持ち始めたけれど乗せるのは怖い」「どう練習させればいいのかわからない」とお悩みの方は少なくないと思います。そこで本記事では、発達障害の子の自転車走行に注意が必要な理由、教えておきたいルール、発達障害の子ならではの注意点、乗れるようになるまでの練習ステップ、そして自転車教室のことなどに関して解説していきますね。
発達障害の子の自転車走行に注意が必要な4つの理由
発達障害のお子さんの多くは自転車に乗れるようになります。発達の遅れや偏りの影響により平均的な発達の子よりも乗れる時期は遅くなるかもしれませんが、最終的には普通に乗れるようになる子が大半です。
ただ、以下のことがあるため発達障害の子の自転車走行には細心の注意が必要です(本人も周りの大人も注意しましょう)。
- 交通ルールなどを覚えておくための記憶力が低い
- 周囲の状況を認識する注意力が低い
- 「かもしれない運転」をするための想像力が低い
- 運転しつつ素早くいろいろな判断をする能力が低い
これらはあくまで傾向の話ですが、いずれかもしくは複数の要素が絡み合い、自転車走行に関して苦労したりトラブルを起こしたりする可能性があるので気を付けてくださいね。
基本的に自転車に乗れるようになることを強要しない
自転車に乗れないよりは乗れる方がいいことは確かですが、お子さんに強要しないようにしましょう。あくまでお子さんの方から「乗りたい」と言ってきた場合にのみ教えればいいはずです。
ただ、何らかの理由により「乗れる必要がある場合」は例外です。例えば、通学で必要になる、友達と遊びに行くために必要になるなどですね。友達との交流は大事ですから、後者も「必要」と言っていいレベルだと思います。
発達障害の子に教えておきたい10個の自転車ルールと教え方
それでは発達障害のお子さんに教えておくべき10個の自転車ルールと教え方を紹介します。たとえ自転車でもぶつければ重傷を負わせたり、物を壊したりする可能性がありますので、きちんと理解させましょう。
10個の自転車ルール
まず覚えるべき10個の自転車ルールは以下の通りです。
- 信号を守る
- 左右を確認してから交差点などを渡る
- 必要に応じて一時停止をする
- 前を向いて走る
- 適切なスピードで走る
- 左側通行
- 歩行者がいたら自転車を降りて押して歩く(もしくは速度を落とす)
- 友達と一緒にいても並ばず一列で走る
- ヘルメットを必ず装着する
- 夜間はライトをつける(できれば夜間は走行しない)
これらはごく基本的なルールですので、必要に応じて他のルールも教えましょう。
発達障害の子だからこそ教えたい自転車走行時の注意点
上で紹介した10個は発達障害でなくても教える必要があるルールですが、特に発達障害のお子さんにはそれとは別に「気になるものがあったら止まって、自転車を押しながら見に行こう」というルールを教えることをおすすめします。
発達障害のお子さんの中には好奇心旺盛かつ衝動性の強い子も多いため、こうしてルール化しておかないと、興味を持つものを見つけた際に事故を起こす・巻き込まれる可能性があります。
ルールの教え方のポイント
自転車ルールの教え方のポイントを紹介します。
- 絵本、写真、動画などで視覚的に教える(文字だけでは理解しにくい)
- 「信号の前ではどうするんだっけ?」などクイズ形式で楽しく教える
- 自転車に乗っているつもりで親と一緒に外を歩きながらルールを確認する
- お子さんがルールを正しく言えたら、覚えていたら褒める(成功体験を積んでいく)
まだ知らないことを文字だけで教えられた場合、大人でも理解しにくいですよね。「視覚情報」をキーワードにしてできるだけわかりやすく教えてあげましょう。そしてクイズ形式などでインプット(自分で言葉にしてみるなど)させることも重要です。
発達障害の子が自転車に乗れるようになるまでの5ステップ
それでは発達障害のお子さんが自転車に乗れるようになるまでの5ステップ紹介していきます。
とはいえ自転車に関するルールなどのこととは異なり、自転車に乗ること自体については「発達障害ならでは」の部分はほとんどありません。
ステップ1:両足で地面を蹴ってバランスを取るトレーニング
まずは普通に自転車をこぐのではなく、両足で地面を蹴って進みつつバランスを取るトレーニングをしましょう。
両足で地面を蹴りつつ前進すると徐々にスピードが出てくるので、そこで足を浮かせます。足を浮かせたまま安定してある程度の距離を進めるようになったらステップ1はクリアです。
ちなみに自転車のペダルを専用のレンチで外しておくと、「ペダルがない=物理的にこごうとさえできない」となってより集中しやすくなります。レンチを簡単に調達できるのであれば試してみてくださいね。
ステップ2:ブレーキのトレーニング
自転車のブレーキは左→右の順にかけると急な止まり方にならないので安全です。ステップ1の方法で前進しつつ、お子さんに「左、右」と声をかけつつトレーニングをさせるといいでしょう。
なおブレーキのトレーニングをする場合はサドルを低めにするのがおすすめです。ブレーキを上手にかけられなくてもいつでも足で止まれるので安心できます。
特に発達障害の子の場合、「止まれるだろうか……」と強いプレッシャーを感じる可能性もあるので、配慮してあげてくださいね。
ステップ3:ペダルをこぐトレーニング
両立スタンドがあればそれを立てて止まった状態で、なければ補助輪をつけてペタルをこぐトレーニングをしましょう。ここでお子さんがスムーズに足を動かせて、かつ「おおよそどれくらいの速度で足を動かせばいいのか」を理解したら次に進みます。
ステップ4:ペダルをこいでゆっくり進むトレーニング
両立スタンドや補助輪を外してゆっくりと前進します。お子さんは怖がるかもしれませんが、「大丈夫だよ」「プロテクターがあるから転んでも平気だよ」などと声をかけてリラックスさせてあげましょう。できればお父さんとお母さんなど大人二人が前方と後方について、落ち着いて明るいムードで練習できるようにしてあげてくださいね。
プロテクターについて
最低でも肘当て・膝当てのセットは準備しましょう。安全のために必要ですし、「転んでもケガはしない」と安心させる意味もあります。
その他、長袖・長ズボン、自転車用グローブなどもできれば用意するといいと思います。
また、アスファルトや小石が多い場所でトレーニングするのは避けて、芝生など柔らかい場所で練習すると安心です。
ステップ5:曲がるトレーニング
安定して前進できるようになったら曲がるトレーニングをしましょう。ポイントはハンドルを見ずに曲がりたい方向を見ることです。最初は大きな円を描くようなつもりで曲がって、だんだんと円を小さくして、細かく曲がれるようにしていきましょう。
自転車教室を利用して短時間で習得するのもおすすめ
自転車教室を利用して短時間で乗れるようにするのもおすすめです。教室やお子さんにもよりますが、数時間で習得できると謳っているところが多いです。基本的に専門の指導員が教えてくれますから、ご家庭で教える場合とは異なりきちんとしたノウハウもあります。
発達障害のお子さんの中にはコツコツ続けることが苦手な子も少なくないため、こうした教室を活用してパパっと覚えることも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
「特別な場所で先生に教えてもらうこと」は非日常感のあるイベントともいえますから、お子さんが興味を持って高いモチベーションで取り組んでくれるかもしれません。
まとめ
発達障害でもスムーズに自転車に乗れるようになるお子さんは多いです。多少期間を要するとしても今回紹介したステップを参考に取り組めば、それほど苦労せずに乗れるようになることでしょう。
むしろ重要なのは自転車に乗る前のルール面の理解です。これについては苦戦する可能性もありますが、視覚情報を重視しつつじっくり教えていただければと思います。ここで焦る必要はありません。