発達障害の子の買い物に100円ショップが良い理由

この記事では発達障害のお子さんの100円ショップでの買い物について解説していきます。

「単品での買い物はできるようになった」「複数個の買い物にチャレンジさせたいけれど、どのようなお店がいいだろうか」と迷っている方には100円ショップをおすすめします。

本記事では、発達障害の子の複数個の買い物への挑戦に100円ショップが向いている理由や、買い物に関するポイントなどに関してお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。

発達障害のお子さんが単品の買い物に慣れたら100円ショップに挑戦しましょう

発達障害のお子さんの買い物トレーニングでは、まず自動販売機や「お子さん自身が通い慣れたスーパー」などで単品の商品を買うことからチャレンジすることをおすすめします。

単品の買い物であれば計算の必要がなく、シンプルに「商品を選ぶ」「必要な金額を出す」「お金と商品を交換する」「商品を体験する（食べる、飲む、遊ぶなど）」などの経験ができるためです。

そして単品の買い物に慣れてきたら、次は「複数個の買い物」に挑戦するべきですが、そのためのお店としておすすめなのは100円ショップです。

発達障害のお子さんの複数個の買い物に100円ショップがおすすめな2つの理由

では発達障害の子の複数個の買い物に100円ショップが向いている理由を2つ挙げます。

1：金額をイメージ・計算しやすい

100円ショップの最大の魅力は金額をイメージ・計算しやすいことです。「税込み100円」の店であれば2個で200円、3個で300円……と非常にシンプルですし、「税抜き100円」でも2個で220円、3個で330円と簡単です。

もちろん1000円札を持たせてお釣りをもらえばイメージ・計算する必要はありませんが、お子さんのトレーニングのためにも、できればお釣りなしで買わせるようにしましょう。

2：商品のバリエーションが豊か

100円ショップにあまり足を運ばない方からすると意外かもしれませんが、実は商品のバリエーションが豊かです。

そのためお子さんはもちろん親も楽しくなるでしょうから、一緒に商品を選ぶなどしてコミュニケーションを取ることもできます。

発達障害のお子さんが100円ショップで複数個の買い物をするための6つのポイント

それでは発達障害のお子さんが100円ショップで複数の買い物をするためのポイントをいくつか挙げていきます。親が冷静・的確にサポートしてお子さんの買い物を後押ししましょう。

1：日頃から親の買い物の様子を見せる

特に発達障害のお子さんは、文章の説明ではなく「目に見えるもの」の方が理解しやすい傾向にあります。そのためたびたびお店にお子さんを連れていき、親の買い物の様子を見せることをおすすめします。

見せる段階では、買い物の方法などを具体的に説明する必要はありません。お子さんが「買い物はだいだいこういう流れ」「買い物は怖くない」「自分でも買い物をしてみたい」と感じるようになれば十分です。

2：買い物の説明カードを作る

レジでの流れなどを書いた「説明カード」を用意することをおすすめします。やはり単なる文章だけの説明ではわかりにくいですから、イラストや写真を交えたカードにすることが大事です。

説明カードは保護者の方が作らなくても、インターネット上にて「買い物　手順」などのキーワードで画像検索をすれば手に入ります（権利フリーの画像を使ってくださいね）。

3：【初級】まずは商品とお金を渡す部分のみ挑戦させる（それ以外は親が担当）

買い物の流れをおおよそ理解したらお子さんに挑戦させましょう。

ただ、いきなりすべて行うのはハードルが高いですから、商品とお金を渡す部分のみをさせることをおすすめします（それ以外は親が担当します）。これで「お金と商品を交換する」という買い物における重要なパートを体験できます。

お子さんが動けない場合は、親が後ろから自然に手を添えるなどして誘導するといいでしょう。

4：【中級】親が一歩下がって全工程を見守る

お金と商品を交換する部分が安定してできるようになったら、お子さんにレジの全工程をさせてみましょう。ただ、いきなりサポートがなくなると不安になりますから、親は一歩離れた位置でしっかり見守ることをおすすめします。

うまくできない場合は「お金を出そう」「商品を渡そう」などとささやいて誘導します。

また店員さんにお礼を言うことを忘れそうな際は「せーの、ありがとう」などと言いましょう。発達障害であってもなくても、礼儀正しいからこそ店員さんに配慮してもらいやすくなるため礼儀は大事です。

5：【上級】レジから数メートル離れて見守る

中級の買い方が安定してできるようになったら、いよいよお子さんが一人でレジに行くときと言えます。

ただ、当然とまどったりトラブルが起きたりすることはあり得ますから、レジから数メートル離れた位置で見守ることをおすすめします。また、お子さんに安心感を与えるためにも「ここで見ているからね」としっかり声掛けしておきましょう。

6：買い物を終えたら褒める・記録に残す

無事に買い物を終えたら「上手に買い物できたね!」「一人で買えたね!」などと褒めて、お子さんに自信をつけさせましょう。買い物に限りませんが、「ここはもう少しこうするべきだった」などの指摘ではなく、できた部分を褒めることが大事です。

また、特にお子さんが100円ショップ初挑戦だったり、難しい買い物をしたりした場合は、買った商品を手に持っている様子をスマートフォンなどで写真に残すことをおすすめします。写真をたびたび見返すことで、お子さんの自己肯定感を高めることができます。

まとめ

発達障害のお子さんが自動販売機などでの「単品の買い物」に慣れたら、次は100円ショップでの複数個の買い物への挑戦をおすすめします。計算は必要であるものの簡単であるためちょうどいいですし、商品のバリエーションが豊かで楽しいです。

ただ、最初からお子さん一人で買い物をするのは難しいですよね。そのため親がサポートをしつつ何回か買い物を経験して、徐々に一人だけで買い物ができるように導いてあげることが大事です。