発達障害の子の暴言を減らしていく4つの方法
この記事では、発達障害のお子さんの暴言を減らしていくための方法などについてお伝えしていきます。
「言ってはいけないことを外でも言ってしまわないか心配」「暴言ではない表現を、あまり知らないような気もする」などと悩んでいる方は少なくないと思います。
そこで本記事では、発達障害のお子さんが暴言を言ってしまう主な理由、お子さんの暴言を減らしていくためのポイントなどに関して解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
発達障害のお子さんが暴言を言ってしまう2つの理由
まずは発達障害のお子さんが暴言を言ってしまう理由を2つ紹介します。特に1番目の理由については大人の立場からすると意外かもしれませんが、まぎれもなく事実です。
1:語彙が少ないため
単純に語彙が少ないせいで「何か嫌だな」くらいの感情であっても、「死ね」「殺す」などの暴言を言ってしまうケースが少なくありません。
例えるなら、「英語を習い始めた直後の子は、ポジティブな気持ちをhappyとしか表現できない」ということに近いです。
2:相手の気持ちを想像することが苦手な傾向にあるため
発達障害のお子さんは他人の気持ちを想像・理解することが苦手な傾向にあります。そのため「これを言ったら相手は嫌な気持ちになりそう」などの「空気読み」ができず、暴言を言ってしまうケースがあります。
また、分かりやすい暴言でなくても「何度も言われるとイライラする言葉を言う」「相手は焦っているのにヘラヘラ喋る」「冗談が通じず、全体の会話の流れを止める」などのことをして、相手を嫌な気持ちにさせるケースもあります。
発達障害のお子さんの暴言を減らしていくための4つの方法
それでは発達障害のお子さんの暴言を減らしていくための方法をいくつか紹介していきます。あくまで「減らす」であって完全になくすことは難しいですが、ぜひ取り入れてみてください。
1:読書や親子の会話で語彙を増やす
先述の通り、語彙が少ないせいで暴言を言っている場合もあるため、読書や親子のコミュニケーションによって、お子さんの語彙を増やしていくことをおすすめします。
これはもちろんお子さんが暴言をほとんど言わないとしても重要なことですので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
読書でわからない言葉があれば教える|成長度合いによっては自分で調べさせる
お子さんの語彙を増やすためにも「わからない言葉があればお母さんに聞いてね」などと声をかけておきましょう。そうでないと、日本語ですから「何となく読める」ということで、そのまま読み進めてしまう可能性が高いです。
さらに言えば、お子さんの成長度合いによっては辞書を使って自分で調べさせるのもいいでしょう。辞書は小~中学生向けの簡単なものがおすすめです。また、お子さんがパソコンなどのデジタルデバイスに慣れているのであれば、電子辞書を与えるのもいいと思います。
2:「頭の中だけで言う言葉リスト」を作る
主に暴言になると思いますが「頭の中だけで言う言葉リスト」を作ると、お子さんが暴言を言わずに留めやすくなります。親としては「脳内に留めるならマシ」ではなく、「脳内に留められるなら偉い」というスタンスで接することをおすすめします。
リストの作り方ですが、いきなり言葉をずらずら並べるのではなく、「お子さんが何か暴言を言う」→「その言葉を言うと相手は傷付くよ」と言ってリストに入れるという形式にするといいでしょう(その方がお子さんは言葉一つ一つを意識できます)。
3:親子のコミュニケーションの中で許容範囲のラインを示す
「1」や「2」に比べるとハイレベルでやや難しいかもしれませんが、親子のコミュニケーションの中で許容範囲のラインを示すことが大事です。例えば以下の通りです。
- 子どもが乱暴な表現を使った→「気持ちはわかるよ」「でも傷つくから他の言い方を考えよう」
- 「少し嫌な言葉」をしつこく言った→「その言葉で少し傷つくのはわかるよね?」「だから言っても1回までにしよう」
- 忙しいときに何度か止めても執拗にふざけた→「お母さん、今忙しいからイライラしちゃうな」「1回注意されたらやめられるようにしようね」
これら以外にも色々なシチュエーションが考えられますが、全てに対して「論理的」かつ「言われた側の気持ちを伝える」ことを意識して説明しましょう。
まとめ
特に発達障害のお子さんの場合、暴言を言うとしても悪気はないケースが多いですから、頭ごなしに叱るのではなく、「それを言われるとお母さんは嫌な気持ちになる」と論理的に伝えることが大事です。
その上で「頭の中で言うのはOK」「頭の中で抑えるなら立派」を合言葉にしつつ、お子さんが脳内に暴言を留められるようにコントロールしてあげましょう。そのためにも今回紹介した内容を参考にしていただければ幸いです。