発達障害の子の優柔不断をケアする3つの方法
この記事では、発達障害のお子さんの優柔不断をケアするための方法などについてお伝えしていきます。
「物事をなかなか決められなくて本人が困っていることもある」「単に早く決めなさいと注意するのはかわいそう……」と悩んでいる方は少なくないと思います。
そこで本記事では、発達障害のお子さんが優柔不断になってきたことが成長の証でもある理由、そして優柔不断をある程度改善するための方法などに関して解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
優柔不断になったのは成長の証でもあります|発達障害ケア
発達障害であってもなくとも、小さいうちは物事を即断即決できていた子が、年齢を重ねるにつれてなかなか物事を決められなくなるケースが少なくありません。
これに対して「優柔不断になった」と捉えるのも間違いではないかもしれませんが、優柔不断になったのは成長の証でもあります。「物事を冷静に捉えるようになった」「過去の経験を活かせるようになった」「先の見通しを立てられるようになった」とも言えるためです。
ただ、極端に優柔不断では本人も困るでしょうから、お子さんが物事を決めやすくなるようにサポートしてあげましょう。
発達障害のお子さんの優柔不断をケアするための3つの方法
それでは発達障害のお子さんの優柔不断を和らげるための方法をいくつか挙げていきます。優柔不断をケアするからといって急がせるわけではないのが全体的なポイントです。自然と早く決められるように誘導していくことが大事です。
1:「どちらを選ぶとどうなるのか」を説明してあげる
そもそも「Aを選んだ場合の未来」「Bを選んだ場合の未来」を想像できていない可能性がありますから具体的に説明してあげましょう(そもそも選ぶ段階まで思考が届いていない場合もあります)。例えば以下の通りです。
- この玩具を買ってあげてもいいけど、あなたが前から欲しかった玩具を発売日には買わないよ
- この玩具を我慢するなら、あなたが前から欲しいと言っていた玩具を発売に買うよ
こうして未来をイメージさせてあげるだけで「わかった、こっちにしよう」とすぐに決められるお子さんは少なくありません。
2:それぞれの選択のメリット・デメリットをまとめる
「1」で行うことと似ていますが、もっと具体的にメリット・デメリットとして伝えることにより、さらに判断がしやすくなるお子さんもいます。例えば以下の通りです。
- 今この玩具を買う:メリット→今すぐこの玩具で遊べる/デメリット→欲しかった玩具を発売日に買ってもらえない
- 今この玩具を我慢する:メリット→欲しかった玩具が発売に手に入る/デメリット→今はモヤモヤするかも
他にも挙げようとすればキリがありませんが、混乱を招くので要素は絞ることをおすすめします。
メリットとデメリットに数値をつけるとさらに判断しやすくなる場合も
また、メリットとデメリットに数値をつけるとさらに判断しやすくなるお子さんもいます。例えば以下の通りです。
- どうしても欲しい玩具じゃないから手に入っても+1くらいかな
- どうしても欲しいわけじゃない玩具を我慢するのは-1くらいかな
- 本当に欲しい玩具を発売日に買ってもらえないのは-5くらいだよね
- 本当に欲しい玩具を発売日に買ってもらえたら+7くらいはありそう!
するとトータルで「今は我慢する:+6」「今どうしても欲しいわけじゃない玩具を買ってもらう:-4」となりますから、今は我慢した方がいいとわかります。お子さんの成長度合いや性格によっては、ここまで具体的に紙などに書いて計算させるのもいいでしょう。
3:親が多くの場面において即断即決でいる
親が優柔不断である場合、お子さんもどうしても真似しやすくなります。そのため親もできるだけ即断即決でいましょう。もちろんお子さんの教育やサポートに関することはよく考えるべきですが、以下のような「どちらでもいいこと」はすぐに決めたいところです。
- お子さんと一緒に外食をした際のメニュー選び
- お子さんと一緒にオヤツを選ぶとき
- お子さんに「今日はこの服とこの服、どっちを着ようかな?」と言われたとき
ただ、あくまで「すぐに選ぶ姿を見せるだけ」にしておくのがおすすめです。例えば「○○君も早く決められるようになろうね」と言えばプレッシャーがかかるためです。せっかく「迷えるようになってきた」としても、逆戻りして物事を雑に決めるようになる恐れがあります。
まとめ
発達障害のお子さんが優柔不断になってきたのは成長している証でもありますから、頭ごなしに「早く決めなさい」「どちらでも同じでしょ」などと言ってしまうのは好ましくありません。
ただ、極端に優柔不断なままではお子さん自身が困るでしょうから、今回紹介した内容を参考に「早く選択する練習」「納得できる選択をする練習」をしていただければと思います。