発達障害の子にチャレンジさせるための 5ステップ
この記事では、発達障害のお子さんが物事にチャレンジするためのステップを紹介していきます。
「大きな学校行事が迫ると学校に行きたがらなくなる」「諦めグセがついているようなので何とかしてあげたい」と悩んでいる方は少なくないと思います。
そこで本記事では、発達障害の子が物事にチャレンジするためのステップ、そして最終的にはお子さん一人で様々なことにチャレンジできるようになるのが理想ということに関してお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。
発達障害のお子さんが物事にチャレンジするための5ステップ|修学旅行を例にして
それでは発達障害のお子さんが物事にチャレンジするための手順を5ステップに分けて紹介していきます。ここでは修学旅行を例にして解説しますね。
1:「要素」を細かくリストアップする
漠然と「修学旅行」という塊で捉えてしまうと、何があるのかわからなくなり不安が強くなる可能性があります。そのため、まずは修学旅行の「要素」を細かくリストアップしていきましょう。例えば以下の通りです。
- お寺の見学
- クラスメイトとの料理
- クラスメイトとのお風呂
- クラスメイトとの就寝
などなど。たくさんあって分かりにくいかもしれませんが、お子さんに修学旅行のしおりなどを見せてもらい、日程に沿ってリストアップしていけば意外とスムーズに一覧にできるはずです。
2:本人が「できそうなこと」「不安なこと」「できないこと」に分ける
リストアップできたら各要素について「できそうなこと」「不安なこと」「できないこと」の3つに分けていきます。自分で判断することが大事ですから、親はできるだけアドバイスしないようにしましょう。ただしお子さんに質問されたら当然答えてあげてください。
なお「できそうなこと」という表現がポイントです。「100%じゃなくても、できそうだなって思うならチャレンジするといいと思うよ」などと声をかけてあげるといいでしょう。
3:「不安なこと」「できないこと」について親と相談して解決を試みる
「不安なこと」「できないこと」に関して親と相談して解決を試みます。一例として「みんなと一緒にお寺の見学なんてうまくいくはずがない」と言ってきた場合は、以下のようなアドバイスをしてみてはいかがでしょうか。
- 事前にお寺の写真を見てイメージしておこう
- 困ったときに誰に相談するかを決めておこう
- どこで休憩できるのか、トイレに行けるのか確認しておこう
- 途中でどうしても無理になった場合にどうするのか確認しておこう
「日常生活において、親子でどのように物事にチャレンジしているか」を振り返ってみると、どのようなアドバイスをするべきか見えてくると思います。修学旅行といっても、やるべきことは普段とそれほど変わりません。
4:残った「不安なこと」「できないこと」について先生と相談する
親と相談しても残った「不安なこと」「できないこと」に関しても、先生と相談して解決を試みます。ここまでお子さんと話した内容(リストアップしたもの、不安なこと、できないことなど)をまとめて資料にしておくと、先生と話がしやすくなるはずです。
普段から学校内でお子さんを見ているだけあって、親の視点からは出にくいアドバイスやサポートが期待できます。
お子さんがまだ小さいなどの理由でどうしても先生とうまく話せない場合は、親も交えて3人で話をしましょう。ただし先生も忙しいでしょうから、事前に必ずアポを取りましょう。また「何を話すか」を決めておくことも大事です。
5:「できそうなこと」が増えたら振り分けし直す
先生からのアドバイスやサポートによって「できそうなこと」が増えたら、つまり「不安なこと」や「できないこと」が「できそうなこと」に変化したら、振り分けをし直します。
これについてもお子さん自身に判断させることが大事ですので、必要に応じて先生に「最終的には本人に考えさせていただけると助かります」などとお願いしておくといいでしょう。
最終的には一人でステップ1~5ができるようにサポートしていく|発達障害ケア
そして最終的にはお子さん一人で、ここまで解説してきたステップ1~5ができるようにサポートしていきましょう。
ただしここでいう「一人で」とは、あくまで「お子さん主導で進める」ということであり、親・先生・専門家などの力を借りないわけではありません。お子さん自身の判断で「親に相談してみよう」などと考えられるようになるといいですね。
まとめ
発達障害のお子さんが物事にチャレンジするために大事なのは「細かな要素に分ける」→「各要素を見つめる」→「できない・不安な要素の対策を立てる」です。
「大きなイベント」「大きなゴール」だけで捉えてしまうと、途方もない感覚になりモチベーションが上がりにくいものです。「細かな要素」「スモールステップ」で捉えることを意識しましょう。