発達障害の子が持っている傾向にある3つの自主性
この記事では、発達障害のお子さんが持っている場合が多い自主性について解説していきます。
「自主性があるのか、わがままなのかわからない」と悩んでいる方は少なくないと思いますが、その自主性は、健全に生きていくために必要なものであると考えるべきです。
本記事では、発達障害の子が持っている傾向にある「本当の自主性」、持つべきではない間違った自主性、そしてお子さんが生きやすくなるために親がするべきサポートなどに関してお伝えしていきます。
発達障害のお子さんが持っている傾向にある3つの自主性とは?
まずは発達障害のお子さんが持っている場合が多い3つの自主性について解説していきます。「一般的に言われている自主性」とは少し異なるかもしれませんが大事なことです。
1:自分のやりたいことがハッキリしている
発達障害のお子さんは「自分はこれがやりたい」「これはやりたくない」ということがハッキリしていて、それが行動にも表れる傾向にあります。
親から見て「いや、自分からは動かない場合が多い……」というお子さんもいるかもしれませんが、その場合も「やりたいことはある」「けれどどう動けばいいのかわからない」であるケースが少なくありません。そのためお子さんが動けるように話を聞いてあげたり、具体的にサポートしたりすることが大事です。
2:周りに流されず自分のしたいことができる
発達障害のお子さんはこだわりが強い傾向にあるため、周りに何と言われても自分のしたいことをする場合が多いです。
「変な目で見られるし周りに合わせよう」「なんだかしっくりこないけれど、あの人が言っているならそうしよう」などは誰にでもあることだと思います。ですが、発達障害のお子さんは、これによって流されないケースが目立ちます。
その影響で変わり者扱いされるかもしれませんが、本人はあまり気にしていない可能性が高いです。
3:周りから褒められなくても自分のしたいことができる
人には誰しも自己承認欲求がありますから、「自分のしたことを褒められたい」「褒められるような行動を選びたい」と思うものです(それがモチベーションになりますから悪いことではありません)。
もちろん発達障害の子の中にもそういった傾向を持つ人もいますが、それよりも「自分のこだわりの追及」「自分の満足」を優先して行動できる人が多いとされています。
場合によっては、(周りにとって都合が悪いゆえに)怒られるケースもありますが、それでも気にせずに「いや、自分がやりたいことだからなあ……」と行動をし続けることができます。
発達障害のお子さんが目指すべきではない間違った自主性の特徴は?
すでに少し触れていますが、発達障害のお子さんが目指すべきではない間違った自主性の特徴は以下の通りです。
- 「周りが求めていること」をすぐに察知する
- 「褒められること」「怒られないこと」を最優先する
- 「自分」がなく、他人のために動く
まとめると「周りにとって都合のいい人間」ということですね。
もちろん、いずれもある程度必要な能力ではあるのですが、発達障害のお子さんがこれらを身に付けるのは難度が高いかもしれません。そのため最初から「我が道を行くスタイル」を大事にすることをおすすめします。
発達障害の子が自主性を持ったまま、生きやすくするための2つのサポート
続いては発達障害のお子さんが「自主性を持ったままでも、生きやすい」という状態を作るために、親や先生にできるサポートを紹介していきます。
1:多少は人の気持ちを想像させる
周りに迷惑をかけていないとしても「周りがどう思うか」「多数派はどちらか」を多少は理解しておくとお子さんが立ち振る舞いやすくなるかもしれません。練習として「友達の○○君はどうしてあっちを選んだのかな?」などとたまに問いかけてみることをおすすめします。もちろん「友達の選択が正しい」とならないようにすることが大事です。
2:「できない人」を置いていき過ぎないように声をかける
つまり周りとある程度歩調を合わせてあげるということです。
例えば、お子さんが「○○君は走るのが遅くてさあ」と言ったら、「合わせてあげるといいかもね」「普段は○○君に助けてもらうことも多いからそのお返しって感じで」などと声をかけてあげます。
まとめ
発達障害のお子さんが持っている傾向にある自主性は、「自分のやりたいことをする」「周りに流されない」「褒められなくてもやる」などであり、健全に生き抜くためには大事な要素です。「周りにとって都合のいい存在」になる必要はありません。
ただ、本当の自主性を貫こうとすると、生きにくい場面も出てくるはずですので、親がやんわりとサポートしてあげましょう。そうすれば「自分が困らないバランスのいい自主性」を身に付けていくことができます。