発達障害の子へのおすすめの声がけ3タイプ
この記事では、発達障害のお子さんに対するおすすめの声がけなどについてお伝えしていきます。
「どういった声がけが効果的なのかわからない」「いつまで声がけをするべきなんだろう……」と悩んでいる方は少なくないと思います。
そこで本記事では、発達障害のお子さんへの声がけに関する最終目標、おすすめの声がけの具体例、信頼関係があるからこそ声がけから卒業できること、などに関して解説していきますのでぜひ参考にしてください。
最終的な目標は声がけの必要がなくなることです|発達障害ケア
特に発達障害のお子さんの場合、声がけによってモチベーションを上げてあげたり、状況判断をさせたり、軽く誘導してから自分で考えさせたりすることが大事です。
そして最終的な目標は声がけの必要がなくなること。つまりお子さん自身が考えて動けるようになることです(もちろんシチュエーションによってはそれ以降も声がけをします)。
「声がけの必要性をなくしていくための声がけ」もあるため、今回はそれを含めて解説していきます。
発達障害のお子さんに対するおすすめの声がけ3タイプ
それでは発達障害のお子さんのためにおすすめの声がけを3タイプに分けて紹介していきます。もちろん必ず分けて考えなければならないわけではありませんが、ある程度分類して捉えると理解しやすいと思います。
1:お子さんのモチベーションを上げる、できているところを見る声がけ
まずはお子さんのモチベーションを高める、できているところに注目する声がけを紹介していきます(左が良くない声がけ、右が好ましい声がけです)。
他人ではなく以前の本人と比較する:
- ×みんなできているよ→○できるようになってきたね
- 「今」を褒める:×次は□□ができるといいね→○これができてえらいよ!
- できている部分を褒める:×ここを間違えないようにしようね→○ここができたね!
- 細やかな変換:×頑張ろうね→○頑張っているね
周りと比べたり、できていないところに目を向けたりしても本質的には意味がありません。お子さんが嫌な気持ちになるだけです。
2:状況判断を促す声がけ
ポイントはお子さん自身で状況判断をさせることです。親の方からはできるだけ「○○しなさい」などと答えを言わないようにします。
- ×集中して!→○今は何をするんだっけ?
- ×こうしなさい、ああしなさい→○どうすればいいかな、どう思うかな
- ×もう!何をしているの!?→○今は何をする時間かな?(○○さんは何をしているかな?も有効)
- ×空気を読みなさい!→○みんなは何をしているかな?
- ×また忘れ物!→○一度確認してみようか?
- ×もうやめなさい!→○お母さん、ちょっとイライラしてきたよ
一番下の声がけですが「イライラしてきた」と伝えることで、「何でイライラしているんだろう?」→「僕がしつこかったからかな?」などと想像させることができます。
3:声がけから卒業していくための声がけ
あまり具体的なことを言わない声がけです。最低限の促しだけをしたら後は見守るのが基本となります(左も悪い声がけではないので×はつけないことにします)。
- ぞうきんで拭こう→どうしようか?
- みんないるから静かにしよう→ここはどんな場所かな?
- ケガをするからやめなさい→ちょっと落ち着いて。このままだとどうなっちゃうかな?
- どうすればいいと思う?→(無言で見守る)
- 声が大きいよ→(小さな声で話しかけるだけ)
- 今、みんなどうしているかな?→(肩を軽く叩いて周りを指さす)
- 頑張っているね→(目が合ったらうなずくだけ)
もはや「声がけ」ではないものもありますが、これくらいの促しでもお子さんが動けるようになれば、いよいよ声がけからの卒業も見えてきます。
親子の信頼関係があるからこそ発達障害の子は声がけから卒業できる
親としては発達障害のお子さんが声がけから卒業することを、「少し寂しい」と感じるかもしれません。
ですが実際には、親子の信頼関係がある上でこれまで声がけをしてきて、それが実ったからこそ、お子さんは声がけをしなくても動けるようになったと言えます。そのため声がけをしなくてもよくなるのは、素晴らしいことです。
声がけをしなくなっても普段のコミュニケーションは当然できます
また、声がけをしなくなってもお子さんとのコミュニケーションは当然できます。声がけが不要になるくらいの年齢・成長度合いですから、小さいかった頃にはしにくかったような深い話もできるのではないでしょうか。楽しんでくださいね。
まとめ
発達障害のお子さんにその場で適切な行動をさせるためには、親などからの声がけが効果的です。ただ、いずれは声がけをしなくても動けるようになる必要があるため、小学校高学年くらいからは「将来的な声がけの卒業」も視野に入れた声がけに変えていくのがおすすめです。
そのためには「どうすれば子ども本人が考えて、動くことにつながるか」を考えつつワードを選ぶことが大事です