発達障害のお子さんを他の子どもと比較しないための心構え
この記事では発達障害のお子さんを、他の子どもの比較しないためのポイントなどについてお伝えしていきます。
「比べても意味がないとはわかっているのにどうしても比較してしまう」「比較しないためのマインドセットが知りたい」という方は少なくないと思います。
そこで本記事では、他の子どもや他の家庭と比較しないためのポイントや、発達障害のお子さんやその親が自信を失っているタイミングでするべきことなどに関して解説していきます。
情報が多く、他人と比較してしまいやすい世の中です
インターネットやSNSの普及もあり「他人はこのような状態になっている」ということがわかりやすくなり、その影響で他人と比較してしまいやすい世の中になっていると思います。気を付けていないと、どんどん他人と比べて落ち込むことになる可能性があります。
では、どうすればこのような時代でもあまり他人と比較せずに生きていくことができるのでしょうか。
他の子どもや他の家庭と比較しないための3つのポイント|発達障害ケア
それでは他の家庭のお子さんや、他の家庭の様子を比較しないためのポイントをいくつか挙げていきます。最初にお伝えしますが、以下で紹介していくポイントに直接的な「発達障害だから」の部分はありません。発達障害であってもなくても重要なことは同じです。
1:比較して落ち込むのは「自分に自信がなくなっているサイン」と捉える
誰かと比較してしまうのは基本的に「自分に自信がなくなっているサイン」です。大事なの「何らかの理由で自信がない時期になっているだけ」ということであり、能力、境遇、それまでの努力などは関係ありません。
ですから今一度、「これまで頑張ってきたこと」や「お子さんや自分の家庭の良い部分」などに目を向けてみることをおすすめします。また「良い部分」ではなくても、「私はとにかく自分の子どもが好き」などのとにかくプラスの感情を見つめ直すのがいいでしょう。
このとき、「比較してしまう対象」には目を向けません。目を向けてしまえばまた比較したくなりますし、そもそも「他人の能力や境遇」は、あなたやあなたのお子さんには関係がありません。
2:比較することにつながりそうな言葉は使わない
スピリチュアルな話ではなく、人の精神は「使う言葉」に引っ張られます。ですから、比較することにつながりそうな言葉は使わないようにしましょう。そのためには例えば以下のように言い換えてみてください。
- ○○君みたいに頑張ろう→頑張っているね(個人の頑張りを認める)
- ○○君はすごいのにうちの子は→○○君はすごい(単に○○君を褒める)
- ○○さん(偉人)みたいに立派になろう→将来の目標ってある?(未来のことを聞く)
3番目ですが例えば「エジソンみたいになろう」と言えば、お子さんは自分とエジソンを比べるかもしれません。また「立派になろう」=「今は立派ではない」とも捉えられかねないので、あまりいい表現ではありません。
3:比較してしまいそうなときは「その対象の良いところ探し」にシフトする
「1」や「2」のようなことができていても、どうしても比較してしまいそうになることはあると思います。その際は比べるのではなく、「その対象の良いところを探し」にシフトしましょう。
例えば「我が子に比べて○○君はすごい」と思ってしまった場合は、以下のように視点や思考を切り替えます。
- 我が子に比べて○○君はすごい
- →○○君はすごい
- →どうして○○君はすごいのだろうか
- →○○君は□□という工夫をしている
- →うちの子にも□□を試させようかな
身近な友達のことではピンとこないかもしれませんが、つまりは「エジソンと比較しても意味がない」「けれどエジソンの在り方から学ぶことはできる」ということです。
比較対象を減らすためにも自信がない時期はテレビなどをあまり観ない|発達障害ケア
また、身近な友達など以外にも、テレビやインターネット上で見かける人物や「他の環境」なども比較対象になり得ますから、自信がないタイミングではテレビやインターネットなどをあまり見ないようにすることをおすすめします。
そうでなくても発達障害のお子さんは「入ってくる情報」が多すぎると精神的に疲弊しやすい傾向にありますから、むやみにテレビをつけっぱなしにしたり、「暇さえあればネットサーフィン」という状況にはしないようにしたりするといいでしょう。
もちろん「あまり見ない」なので、お子さんや親が楽しみにしているテレビ番組や、更新をチェックしているインターネット上のサイトなどはチェックして構いません。
まとめ
発達障害であってもなくても、「他人と比較してマイナスの感情を抱く」という行為には意味がありません。比較することにつながるので、お子さんの方から「○○君みたいになりたい!」と言い出さない限りは、「○○君を目標にしよう」なども言わないのが無難です。
何か目標を設定するのであればお子さん自身を見つめて、例えば「宿題を全部やる」など、他人が関係してこないゴールを、お子さんと一緒に設定するといいでしょう。