親子の関係を良好にするの上手な叱り方5選
親子の関係を良好にしたいという思いもあり、現在は『あまり叱らず、褒める子育て』を推奨する人も少なくありません。しかし、たしかに子どもを『褒める』ことは大切ですが、同じように『叱る』ことも必要です。
『可愛くば、五つ数へて三つほめ、二つ叱って良き人となせ』
これは、江戸時代に道徳を説いた二宮尊徳の言葉です。
全て褒めるのではなく、5つの出来事に対して、『3つ褒めて2つ叱る』このバランスが大切だという教えです。
では、具体的に子どもを『叱る』ときは、どのようなことに注意したら良いのでしょうか?
子どもの上手な叱り方5選
『叱る』のは、子育ての中でも難しく、頭を悩ませているお母さん・お父さんも少なくないと思います。今回は、子どもを上手に叱る方法を5つまとめましたので、是非、参考にしてください。
① 深呼吸する
『叱る』と『怒る』は全く別のものです。何度も同じことを叱っていると、つい怒って大きな声が出てしまうことがありますが、これは、逆効果です。
『叱る』が『怒る』に変わってしまいそうなときは1度深呼吸をして、落ち着いてから子どもに話すようにしましょう。
② 人前では叱らない
誰だって、人の前で叱られるのは嫌なものです。子どもを叱るときは、なるべく2人きりの場所を選んでください。
③ 人格を否定しない
叱るときに「頭が悪い」だとか「バカ」だとかそういった言葉は使わないでください。「バカ」と言われ続けた子どもは、本当にそうだと思い込み、自分は何をやってもダメだと諦めグセがついてしまいます。
④ 叱られている理由を具体的に伝える
「◯◯したらダメ」とか「何で叱られているのか分かるよね?」といった叱り方は良くありません。例えば、「叩いたら、叩かれた子が痛いからやめようね」など、具体的に伝えてください。また、次はどう改善するべきかも一緒に話してあげると良いでしょう。
⑤ 人と比べない
人と比べられると、自分に自信が持てなくなってしまいます。とくに「お兄ちゃんは」、「お姉ちゃんは」など、兄弟・姉妹で比べるのはNGです。子ども間での愛情の違いを感じさせてしまうことで、より反抗心が生まれてしまいます。
⑥ 小休止することも大切
アメリカでは、子どもを叱るときに『ポジティブ・タイムアウト』を取ることがあります。『ポジティブ・タイムアウト』は、子どもの気持ちを落ち着かせ、反省する時間のことです。時間の目安は、『子どもの年齢×1分』です。
自分の部屋など1人きりの場所でこの時間を取れば、子どもも叱られている内容を整理し、前向きに捉えることができます。
「勉強しなさい」と叱るのはあり?なし?
行動を他人から強制されたときの反発心を心理学では『心理的リアクタンス』と呼びます。「勉強しなさい」と叱られることが多い子どもは、この『心理的リアクタンス』が生じて、より勉強から遠ざかります。
勉強嫌いな子には「勉強しなさい」とつい叱りたくなってしまうものですが、逆効果になることも多いので、なるべく自発的に勉強をするように促しましょう。
【まとめ】褒める×叱る=しつけとなる
子育てにおいて、『褒めること』はとても大切ですが、それと同じくらい『叱ること』も大切です。
『可愛くば、五つ数へて三つほめ、二つ叱って良き人となせ』
この言葉の通り、3つ褒めて2つ叱るくらいが、しつけのちょうどよいバランスといえるでしょう。
上手に叱ることができれば、親子の関係が崩れることはありません。
子どものためにも、『叱る』を効果的に使って、自立した心を育てていきましょう。