子どもの『思考力』を磨くオープン・クエスチョン
質問は、クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンの2つに分けられます。
クローズド・クエスチョンは簡単に説明すると「はい」や「いいえ」で答えられる質問のことです。
対するオープン・クエスチョンは「はい」や「いいえ」では答えられない質問のことで、回答者の思考力が必要になります。
子どもに質問するときは、クローズド・クエスチョンよりもオープン・クエスチョンを多用することをおすすめします。
何故なら、オープン・クエスチョンの方が濃厚な会話の時間をとることができるからです。
クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンの違い
まずは、例を見ていきましょう。
ママ「今日の学校、楽しかった?」
子ども「うん。楽しかった。」
ママ「今日は学校で何が1番楽しかった?」
子ども「う~んとね、体育の時間かな?みんなで大縄跳びをして、たくさん続いたんだ!」
ママ「何回くらい跳べたの?」
前者はクローズド・クエスチョンを使用した質問で、一瞬で会話が終わってしまっています。
一方、オープン・クエスチョンを使用した後者は、まだまだ会話が続きそうです。子どもも頭を使って回答しているのが分かります。
子どもは自分の話を聞いてくれることに喜びを感じ、もっと自分の話を伝えようとします。
具体的な気持ちや意見を整理して言葉にする、これが、子どもの『思考力』を育むのです。
オープン・クエスチョンを活用する3つのコツ
では、具体的に子どもとの会話の中にオープン・クエスチョンを取り入れるにはどのようにしたら良いのでしょうか?
① 「WHY」(何故)
「何故?」や「どうして?」と尋ねることで、子どもは自分の気持ちを語ってくれます。
例えば、靴下をリビングに脱ぎっぱなしにする子どもを叱りたいシーンでは、「何故、脱ぎっぱなしにしちゃいけないんだと思う?」と優しく聞いてみてください。
何故できないのか、子どもなりの理由を聞くことができます。
「確かにめんどくさいのは分かるよ。でも、あとから入れるのはもっとめんどくさいじゃん?」と共感してあげることも大切です。
「どうしてできないのか?」など否定的な質問をすると逆効果になるので注意しましょう。
② HOW(どのように)
「どうして分からないの?」ではなく、「どのようにしたらできるようになるのか」を一緒に考えてあげることが大切です。
「どういう風にしたら、◯◯くん(ちゃん)は靴下をちゃんと洗濯カゴに入れられると思う?」そんな風に、アイデアを求めましょう。
子どももこのような聞き方には、自分のできそうなことを提案してきます。
必ずしも正解は1つではありません。
ここでは、解決するためのアイデアは1つではないことを学びます。
③ IF(もし)
「なんでそうなるの?」、「なんでできないの?」と責めても逆効果です。
そんなときは、「もし」を使って、子どもの意欲を引き出していきます。
「もし、◯◯だったらできるかな?」といった提案をしてみてください。
「それだったらできそう」と思ってくれることもあれば、子ども自身がもっと良い方法を編み出すかもしれません。
オープン・クエスチョンで話し合いをしながら、解決策を模索していくのです。
子どもの意見を書き出す
オープン・クエスチョンの回答で得たアイデアは紙に書き出してみると、より子どもも理解し、問題の解決に近付きます。
また、書いたものを見て話すことでも『思考力』が磨かれます。
まとめ|WHY・HOW・IFを上手く質問に取り入れる
クローズド・クエスチョン、オープン・クエスチョンの違いはご理解いただけたでしょうか?
「はい」・「いいえ」で答えられる質問ばかり投げかけていると、子どもは考えずに回答するクセがついてしまいます。
会話の中にオープン・クエスチョンを多く取り入れれば、子どもは思考をこらし、自分の気持ちや意見を口に出そうとします。
また、上手に質問するには、WHY(何故)・HOW(どのように)・IF(もし)の3つを上手く活用することが大切です。
楽しい会話の時間の中で上手く子どもの『思考力』を養っていきましょう。