子どもの視野を広げる3つの方法|自尊感情を高めるために
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちら日本の子どもたちは、年齢とともに自尊感情を失っていくといわれています。
自尊感情というのは、簡単にいってしまうと、自分への肯定です。
この感情が薄れると、自分に自信を失い、自分への価値を見い出せなくなってしまうのです。
何故、日本の子どもたちがそうなるか?その原因の1つに「勉強」があります。
日本の子どもたちは、勉強において、たった1つしか正解がない問題に日々取り組んでいます。
その結果、自分のできないこと、苦手なことにばかり目が向き、それが自尊感情を失わせる、視野を狭くする原因になっているのです。
また、とある研究では、さまざまなジャンルのトップに立つ人間は、とても視野が広く、さまざまな視点で物事を捉える傾向にあることが分かりました。
子どもたちの視野を広げ、自尊感情を高めるためにも「正解は1つではないこと」を日常生活の中で体感させてあげることが大切です。
今回は、子どもの視野を広げる3つの方法についてご紹介します。
子どもの視野を拡大!多面的に物事を捉えるためにできる3つのこと
子どもの視野を広げるには、「柔軟に考えても良い」ということを知ってもらうことが必要です。
親として子どもにどんなことができるのか、3つの方法をご用意しました。
① 家庭を安心できる場所へ
子どもにとって自宅は、何よりも安心できる場所であることが大前提です。
また、視野を広げる意味では、子どもが自分の意見を躊躇することなく発言できる環境をつくることが大切です。
「この意見は間違っているかも知れない」、「否定されるかもしれない」、「バカにされるんじゃないか」などの思いから、自由に発言できない環境になっていると、子どもの自尊感情はどんどん低下してしまいます。
② たくさんの「答え」を見つける
確かに日本の勉強は、答えが1つになるものが多いです。
しかし、たくさんの「答え」があるものも存在します。
例えば、料理。
同じ「カレー」や「肉じゃが」というメニューでも、家庭によって、作り方も味も違います。
子どもには、料理のように「答え」が1つではないものをたくさん経験させましょう。
家庭菜園をしたり、映画鑑賞をしたり、ペットを飼ったり、さまざまな「答え」を体感することで、視野はどんどん拡大していきます。
③ たくさんの人に出会う
老若男女さまざまな人の出会いが、子どもの視野を広げます。
ママやパパだけではなく、おじいちゃん・おばあちゃん、家族ではない大人、いろんな生き方があることを学ばせましょう。
伝記を読むのもおすすめです。
マザー・テレサ、ファーブル、リンカーン、野口英世、歴史に名を残している有名な人々の伝記を読めば、さまざまな考え方があることを学べるでしょう。
考え方が柔軟になることで、多面的に物事を捉えることができるようになります。
親も一緒にアップデート
一昔前の「正解」が、今も「正解」とは限りません。
例えば、科学や歴史のジャンルでは、こういうことってよくあります。
私たちも自分の「正解」が本当に「正解」なのか、疑うくらいがちょうど良いです。
そのような柔軟な考えを持つことによって、子どもも親も一緒にアップデートすることができます。
まとめ|親も子どもも一緒に視野を拡大する
子どもの自尊感情の低下は、物事への興味・関心の薄れ、自信の低下、やる気の低下など、マイナスの感情を引き起こし、メンタル面に大きく影響することもあります。
そうならないためにも、子どもの視野を広げられるように、柔軟な思考を養ってあげる必要があります。
また、これは親も同じです。
思い込みやこだわりに囚われず、親自身も柔軟な視点を持ち、親子で視野を広げていきましょう。