お手伝いを通して「子どもの自己肯定感を高める」
日本の若者は、どんどん自己肯定感が低くなっているといわれています。
その原因は「自己有用感の低さ」、つまり、誰かの役に立っているという実感が少ないことにあります。
古き日本は、子どもも大人と同じように、家庭に貢献することが多くありました。
家事のお手伝いをしたり、家業のお手伝いをしたり、妹や弟の面倒を見たりと、子どもも「家庭の戦力」になっていたのです。
しかし、現代の日本は少しその感覚が薄れてきています。
両親ともに外に働きに出ている家庭が増え、子どもたちもまた、習い事などで忙しくしています。
子どもにできるお手伝いを意識的にさせている家庭ももちろんありますが、「忙しいから」という理由で、自分でパッパと家事を済ませてしまうお母さんも少なくないでしょう。
そんな現代の子どもは、「誰かの役に立っている」という実感を得にくくなっています。
今回は、子どもにお願いできるお手伝いを通して、子どもの自己肯定感を高める方法についてお話していきます。
子どもにお願いできるお手伝いとは?
家事のお手伝いは、子どもの年齢に合わせて、できるものをお願いすることが大切です。
さまざまな家事を細かく分けていくと、意外と子どもでもできるものがたくさんあります。
最初は教える手間など、自分でやるより時間がかかりますが、辛抱です。
子どもにもしっかり「家庭の戦力」となってもらえるように、お手伝いの協力を要請しましょう。
それでは、子どもにお願いしたい具体的なお手伝いを紹介します。
子どもの年齢に合わせて、できるものを見つけてみてください。
- 玄関の靴をしっかり揃える
- 食事前のテーブルを拭く
- ペットボトルのゴミを分別しながら捨てる
- お風呂掃除をする
- 家庭内のゴミ箱のゴミを1つにまとめる
- お茶碗にご飯をよそう
- ペットにご飯やお水を与える
- トイレや洗面所のタオルを回収して洗濯機に入れる
- 洗濯物を取り込み、畳む
- 自分の洋服をクローゼット等に片付ける
この他にもたくさんあるので、ぜひ、小さなことから始めましょう。
子どもの自己肯定感を高めるお手伝いのやらせ方
子どもにお手伝いをしてもらうときのポイントを3つご紹介します。
① 子どもに任せる
子どもへお手伝いをお願いしたら、なるべく口や手を出さず、子どもだけでやらせるようにしましょう。
ときには失敗してしまったり、完璧にできないこともあると思いますが、それも勉強です。
すべてを子どもに任せて、自分の力だけで「できる」ようにしてあげてください。
② お手伝いを通して学ばせる
例えば、ペットボトルの分別は自治体によってさまざまで、キャップやラベルはもえるゴミ、ペットボトルはペットボトルだけで出さなきゃいけないなど、社会的なルールもお手伝いを通して学べます。
③ 感謝を伝える
そして何よりも大切なのは、「ありがとう」の気持ちをしっかり伝えることです。
お手伝いができたことを褒めるのではなく、お手伝いをしてくれてありがとう、助かったよという気持ちを伝えてあげてください。
これによって、「役に立ったんだ」という実感が生まれ、自己有用感が高まります。
まとめ|お手伝いは子どもの得意を伸ばすきっかけにも
このようにして子どもにお手伝いをさせると、子どもの得手不得手も見えてきます。
丁寧にご飯の盛り付けができる子もいれば、きっかりゴミの分別ができる子もいます。
そういう部分に声をかけてあげれば、子どもの得意な部分を伸ばしてあげることもできます。
子どもの自己肯定感は、「家庭の戦力」として「家族の役に立っている」実感からどんどん高まっていきます。
さまざまな家庭の家事を学ばせるチャンスでもありますので、最初は上手くできなくとも、暖かく見守ってあげてください。