子どもの成長を促す「旅育」のすすめ
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちら「旅育」(たびいく)とは、その名前の通り、旅行を通して子どもの成長を促すことです。
とある研究によると、子どもの頃に家族旅行の経験の多い人は、大人になってもコミュニケーション能力に長け、社会性や思いやりがあり、自己肯定感が高いという傾向が判明しています。
観光庁の調査においても「子どもの頃の旅行の経験が今の自分に役立っている」と感じている人が多く、「旅育」の重要性が提唱されています。
確かに、子どもの頃の旅行の記憶って、深く思い出に残っているものですよね。
例えば、「林間学校」や「修学旅行」なんかも良い例です。
家族旅行ではありませんが、学校行事として行った旅行での学びは、大人になっても実感できるのではないでしょうか?
そこで今回は、子どもの成長を促す「旅育」のすすめということで、家族旅行の重要性について解説していきます。
家族旅行で非日常を体験する!
子どもにとって、旅行は非日常の連続です。
見たことのないもの、感じたことのないものに触れ、成長できるチャンスです。
子どもにとっての「良い家族旅行」をつくるために、どのようなことに注意したら良いのかを詳しく解説していきます。
① 旅のテーマを決める
まずは、子どもと一緒に「旅のテーマ」を決めましょう。
旅のテーマは、子どもの年齢や成長・興味に合わせて選択すると良いでしょう。
例えば、電車が好きな子どもであれば、「新幹線に乗る」、「寝台列車に乗る」などのテーマがおすすめです。
動物が好きな子どもなら、「動物園に行く」、「牧場へ行く」などのテーマも良いですね。
他にも、「海釣りをする」、「飛行機に乗る」、「シュノーケリングをする」など、色々なものがあります。
② 家族会議を行う
旅のテーマが決まったら、今度は、家族会議で具体的にやりたいこと・行きたいところを決めていきましょう。
子ども連れの旅行というと、大人だけで場所を決めて、子どもは行くだけというパターンになってしまいがちですが、やりたいこと・行きたいところのアイデアを子ども自身にも出させることで旅行の楽しみはさらに倍増します。
旅行は当日も楽しいものですが、この作戦を練る時間が最も幸福度が高くなるともいわれています。
それを子どもにも味わわせることが大切です。
③ 一緒に準備する
旅行先で何が必要になるのか、話し合いながら準備をすると、子どもの想像力が高まります。
ママが子どもの用意をパパッとやってしまう方が圧倒的に早く、手間もかかりませんが、準備をすることも子どもにとっては学びになります。
また、子どもに「役割」を持たせるのも1つの案です。
例えば、お金の管理をさせたり、時間の管理をさせたり、次に行くところのナビゲーションをお願いしたりと、子どもでもできることは積極的にやらせましょう。
④ 移動時間も楽しく過ごす
子どもは三半規管が弱いため、乗り物酔いをしてしまう子も少なくありません。
なるべく、移動時間も楽しく過ごせるような工夫をして、酔いにくくしながら、コミュニケーションを深めましょう。
年齢に合わせて「しりとり」の難易度を高くしたり、どんなお土産が買いたいかを話したりすることで、移動中の思い出も作れます。
⑤ 思い出を記録する
写真やビデオに残っている子どもの頃の様子は、大人になっても記憶として残りやすいです。
今はスマートフォンでも簡単に思い出を記録しておくことができるので、積極的に写真や動画を撮影しましょう。
我が家では、「反省会」と題して、旅行後に写真や動画をゆっくり観る時間を取っています。
「あのときはこうだったね。」「これが失敗だったね。」など、ゆっくり思い出話に鼻を咲かせるのも、子どもにとって良い時間となります。
まとめ|「旅育」は心の成長になる
旅行先では、普段出会えない人と出会い、自然・歴史・芸術・文化など、新しいものに触れることができます。
その中で子どもは、五感を使って「非日常」を体験し、さまざまなことを学んでいきます。
「旅育」は、子どもの心の成長を促すのにピッタリなのです。
今回お話した内容は、近場の日帰り旅行でも使えるテクニックですので、ぜひ、実践してみてください。