子どもの知識を深めるためにできること|親が「教えてもらう」側になる
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちらフランスの思想家、ジュベールは、『教えることは、二度学ぶことである』という言葉を残しています。
私も趣味の分野で「先生」の立場になったことがあるのですが、人の分からない部分に寄り添い、分かりやすく伝えるのは本当に難しいことです。また「先生」になることで、自分の理解不足に気付いたり、理解を深めたりと、教えることは自分にとってもプラスになります。子どももそういう経験をさせることで、知識の定着につながり、学ぶことの楽しさを知ってもらうことができます。
今日は、「教える」という行動を通して学習効率を高める方法についてお伝えしていきます。
「教える」ことを前提とした学習効率の研究結果
まずは、ワシントン大学の心理脳科学者のとある研究結果をお伝えします。
被験者をAとBに分け、その実験は始まりました。
Aのグループには「後ほど、テストがあります」と伝え、Bのグループには「後ほど、覚えたことを別の人に教えてもらいます」と伝え、同じ学習をさせました。全く同じ学習を受けたABの被験者でしたが、実は、Bグループの方が良い成績をおさめました。
何故だと思いますか?
これは「自分が学んだことを誰かに教えないといけない」ということが前提にあるからです。
人はそういう自覚をすると、学習の吸収能力が高まり、学習効率がアップします。つまり、子どもも同じで、「教える」ことを前提にして勉強すれば、より効率よく知識を定着させることができるのです。
親が「教えてもらう」側になるコツとは?
では、誰に「教える」かというところの話になりますが、これは、私たち親が適任です。
身近にいる親が「教えてもらう」側になることで、子どもの学習効率は飛躍的にアップします。
ぜひ、下記を参考に実践してみてください。
① 子どもに質問する
子どもの宿題を見るついでに「あれ?これってどうやって解くんだっけ?」と質問をしてみてください。
分からない問題はもちろんのこと、本当は分かっている問題でも良いです。深掘りして質問をしていくと、「これは、こうなるから、この答えになるんだよ」と先生のように教えてくれるはずです。
② 間違っていても指摘しない
子どもの説明してくれた内容が、ときには間違っていることもあるでしょう。
でもそれを指摘するのは、NGです。
もしそのようなことがあったときは、もっと深掘りして「わからないからここを教えて?」と質問をしたり、「これで合ってる?」とあえて間違えてみたりすることも効果的です。
分からない人の立場に立って、分からないことを教えるのは本当に難しいのです。でも、そういう繰り返しが学習能力を高めます。
③ 感謝の言葉も忘れずに
人から何かを教えてもらったときは、感謝の気持ちを伝えることも大切なことです。
親もまた子どもに教わったら、「分かりやすく教えてくれてありがとう」などの言葉を投げかけてあげてください。
こうすることによって、子どもは自信がつき、また教えたい、教えたいから勉強を頑張ろうという好循環に入ります。
まとめ|意外と難しい「教える」技術
自分の親や祖父母などの高齢者の方にパソコン・スマートフォンの操作や、飲食店のタブレット、レジの支払い方法などを尋ねられた経験はありますか?
できる人からすると「何でこんなのもわからないんだ」とつい思ってしまいそうなことも、当人にとっては、難しいことなのです。そんな人に対して「教える」というのは、簡単なようで、意外と難しく、頭を使います。
子どももそういう「教える」を早くから経験することによって、人に教える技術を身につけられるようになります。知識の定着などの目的ももちろんですが、人に教える技術を身につけておけば、きっとこれから先の人生で役にたつはずです。
ぜひ、ご家庭で実践してみてください。