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子どもの虫歯予防対策、食器の共有は関係ないって本当?

子どもの虫歯予防対策、食器の共有は関係ないって本当?
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子どもの虫歯予防対策は、悩みの種の一つですよね。

大正製薬のコラムでとても参考になる掲載を見つけたのでご紹介します。

赤ちゃんに歯が生えて離乳食が始まる頃になると、「親が使ったスプーンやお皿、コップなどを共有すると、赤ちゃんに虫歯菌が移る」という情報を耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか?
実際、子どもの虫歯予防のために、親子間で食器を共有しないように気をつけているご家庭もあるかもしれません。
私もその一人です。
ところが2023年に日本口腔衛生学会が、「食器を共有しないことが、子どもの虫歯予防になるという科学的根拠は必ずしも強くない」という声明を発表し、話題となりました。

その理由と、保護者が知っておきたい子ども(乳幼児)の虫歯予防について、まとめました。

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お菓子を食べさせない、ではなく、食べる時間を決める、食べたら歯を磨く、といった習慣づけが大事だよ!


食器の共有は気にし過ぎないで!

日本口腔衛生学会が2023年に発表した「乳幼児期における親との食器共有について」によれば、これまで定説とされてきた、食器共有による子どもへの虫歯菌の感染について、科学的根拠は強くないことが示されました。
そもそも親から子への口腔細菌の伝播は、食器の共有以前から既に起こっているというのです。
近年の研究では、離乳食が始まる前の生後4カ月の赤ちゃんからも、母親からの口腔細菌の伝播が確認されました。
親子のスキンシップを通じて、どうしても口腔細菌は移ってしまうため、食器の共有を避けることだけを気にし過ぎることはないという見解です。また、親から子どもに口腔細菌が伝播したとしても、親が毎日「仕上げ磨き」を行って歯垢を除去し、砂糖の摂取を控え、フッ化物の塗布を行うことで、子どもの虫歯を予防できるといいます。

仕上げ磨きが大切!虫歯予防だけでなく、歯磨きの習慣化も。

生後6、7カ月くらいになると、下あごの前歯から乳歯が生え始めます。
赤ちゃんの歯が生え始めたら、ケアのスタートです。最初はガーゼなどを使って拭き、徐々に仕上げ磨き用の歯ブラシなどに移行します。子どもが歯磨きに興味をもち、自分で磨き始めても、上手に磨けるようになるまでには時間がかかります。
小学校低学年くらいまでは、
保護者による仕上げ磨きを続けることが大切です。仕上げ磨きを嫌がり、泣いたり暴れたりする子どもは多いものです。嫌がるからといって仕上げ磨きを行わないと、子どもが虫歯になってさらに痛い思いをしてしまうので、とにかく毎日継続することが大切だそうです。

そうすることで、「毎日、歯磨きと仕上げ磨きをすることは当たり前のことだ」と、習慣づけることができるのです。
ただし、漫然と長時間行っていたり、子どもが痛みを感じるようなやり方をしていたりすれば、子どもが仕上げ磨きを嫌がるのも当たり前。保護者の側にも工夫が必要です。
ポイントは「リズムよく」「痛くなく」「終わったらほめる」こと。
例えば、口腔内を右上、左上、右下、左下の4つのパートに分け、それぞれのパートを、10まで数えながら行ったり歌に合わせて行ったりすれば、子どもも、仕上げ磨きがいつ終わるのかが分かりやすく、リズムよく行うことができます。
また、痛みを感じさせないために重要なのは、前歯の中央にある筋「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」に歯ブラシがぶつからないようにすること。乳幼児はこの筋が長く、当たると痛いためです。
そしてもちろん、歯磨きが終わったらたくさんほめてあげましょう。

「フッ化物(フッ素)」で歯を強くできる!

歯の再石灰化をさらに進めるために利用したいのが、「フッ化物(フッ素)」です。
フッ化物を歯の表面に塗ると、まだ歯に穴が開く前の「初期虫歯」であれば修復が可能で、歯を強くすることができます。
フッ化物は、「フッ素配合」と表示のある歯磨き粉(歯磨剤)に含まれていたり、
歯磨き後に塗り込むジェルとして販売されていたりします。使用する際は、以下の推奨量を守りましょう。

〈フッ化物入り歯磨剤の、年齢別の推奨濃度・使用量・使用法〉

●歯が生えてから2歳まで

・フッ化物濃度……900~1,000ppmF

・使用量……米粒程度(1~2mm程度)


歯が生えてから2歳までのフッ化物配合歯磨剤の使用量……米粒程度(1~2mm程度)

・使用法……フッ化物配合歯磨剤を利用した歯磨きを1日2回行う。ごく少量の使用とし、歯磨きの後にティッシュなどで歯磨剤を軽く拭き取ってもよい。歯磨剤は子どもの手が届かない所に保管し、歯磨きについて歯科医師等の指導を受ける。


●3~5歳

・フッ化物濃度……900~1,000ppmF

・使用量……グリーンピース程度(5mm程度)


3~5歳のフッ化物配合歯磨剤の使用量……グリーンピース程度(5mm程度)

・使用法……フッ化物配合歯磨剤を利用した歯磨きを、就寝前を含め1日2回行う。歯磨きの後は、歯磨剤を軽くはき出す。うがいをする場合は少量の水で1回のみとする。子どもが歯ブラシに適切な量をつけられない場合は保護者が歯磨剤をつける。


●6歳以上

・フッ化物濃度……1,400~1,500ppmF

・使用量……歯ブラシ全体程度(1.5~2cm程度)


6歳~成人・高齢者のフッ化物配合歯磨剤の使用量……歯ブラシ全体程度(1.5~2cm程度)

・使用法……フッ化物配合歯磨剤を利用した歯磨きを、就寝前を含め1日2回行う。歯磨きの後は、歯磨剤を軽くはき出す。うがいをする場合は少量の水で1回のみとする。

詳しくは、「う蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」(2023年版/日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)にて 確認できます。

仕上げ磨きの際にフッ化物を利用することで、歯の再石灰化を進めることができるので、ぜひ活用してみましょう。


お菓子は「食べさせない」ではなく「メリハリ」をつけて

虫歯菌は、糖をエサにして酸を産生しています。そのため、「甘い物を食べたり飲んだりすると虫歯になる」と言われるのです。
糖を摂って酸性化した口の中では脱灰が進み、唾液の働きによって中性に戻されると、再石灰化が進みます。
しかし、1日のうちに何度も甘い物を食べていると、口の中に常に糖がある状態が続き、再石灰化する時間が十分に取れず、
虫歯になりやすくなります。
そのため、おやつは決まった時間に食べることが大切なのです。

子どもが虫歯にならないように、お菓子を全く食べさせないという保護者の方もいらっしゃいますが、
お菓子は子どもの心の発育にとって大切な嗜好品で、“心の栄養”になるものです。
食べさせないというのではなく、食べる時間を決める、食べたら歯を磨くといった習慣づけをすれば大丈夫。
大切なのはメリハリです。また、虫歯になりやすいお菓子、なりにくいお菓子もあります。
例えば、キャラメルのような粘着度の高いお菓子は、歯の表面にくっついて離れにくいため虫歯のリスクが比較的高く、
おせんべいのような甘味の少ないお菓子は虫歯のリスクが比較的低いお菓子だといえます。
最近では、虫歯予防効果が実証されている甘味料の「キシリトール」が入ったチョコレートなども販売されているので、活用するのも一案です。

早めに「歯科のかかりつけ医」をもち、定期的な歯のチェックをしてもらいましょう


各自治体では、1歳半健診や3歳児健診で歯科健診が行われるのが一般的ですが、これは必要最低限の検査のため、かかりつけ医を早めにもつことも大切です。
定期的にプロの口腔ケアと、高濃度のフッ化物塗布を行うことで、虫歯になりにくくなるのはもちろんのこと、歯科医院では歯並びやかみ合わせなど、お口に関する様々な状態をチェックしているので、早めに異変に気づくことができます。
また、小さい頃からなじみの歯医者さんがいることで、
子どもが歯科医院に対する恐怖心をもたずに済むのもメリットです。
歯がまだ生えていない乳児から、ほぼ永久歯が生えそろう12歳の学童期まで、子どもの口の中はダイナミックに変化していきます。
この年代は虫歯リスクが高いだけでなく、
一生涯続く虫歯予防習慣の基礎をつくる大切な時期です。かかりつけ医に相談しながら、親子で楽しく虫歯予防習慣を身につけていきましょう!

■コラム詳細

大正製薬 : https://www.taisho-kenko.com/column/132/




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