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発達障害の「料理が苦手」を克服する4つの工夫|超簡単レシピで対応

発達障害の「料理が苦手」を克服する4つの工夫|超簡単レシピで対応
この記事の監修
上岡 正明

株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役

上岡 正明 (かみおか まさあき)

大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。

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この記事では発達障害のお子さんに多い「料理が苦手」を克服する方法などについてお伝えします。

「学校の調理実習が不安」「将来のことを考えると全く料理ができないのは避けたい」という方は少なくないと思います。

そこでこの記事では発達障害のお子さんが料理を苦手としやすい理や、少しでも料理をしやすくするためのポイントなどに関して解説していきます。

発達障害のお子さんが料理を苦手としやすい理由3選

まずは発達障害のお子さんが料理を苦手としやすい理由をいくつか挙げていきます。これを理解することで「ではどうすれば料理できるのか」を考えやすくなります。

1:同時に複数のことをするのが苦手だから

発達障害の方は同時に複数の作業をこなすことを苦手とする傾向にあります。何か一つの作業をすると他の作業のことが頭から抜け落ちたり、たくさんの作業内容が頭に浮かんで混乱したりするのです。

例えばパスタを茹でている間に野菜を切ったり、お肉を炒めたりしておけば、料理が完成するまでの時間が短くなります。しかしそれができずパスタを茹ですぎたり、パスタのことが気になりすぎてよそ見をして、包丁で指を切りそうになったりする可能性があります。

2:あいまいな表現を理解しにくい・受け流しにくいから

料理のレシピ本などには「少々」「適量」「ひとつまみ」などと書いてありますが、発達障害の方の場合それを理解できない可能性があります。

料理に慣れていれば「これくらいでいいはず」「少しくらい誤差があっても大丈夫」などと受け流すこともできるでしょう。

しかし発達障害の方の中には「あいまいなことを自分なりに割り切ること」を苦手とする人も少なくなく、そのまま「料理はあいまいな要素が多くて嫌だ」と料理そのものを嫌いになってしまう可能性もあります。

3:レシピの情報量が多く、完成までの道のりが想像できないため

どのような料理を作るのかにもよりますが、レシピの工程・情報量が多く、完成までの道のりをイメージできず、「気が遠くなるからやりたくない」「何をするのかわからなくて怖い」という状態になってしまう可能性もあります。

発達障害のお子さんは未知の場所への旅行など、「先行きがわからないもの」に抵抗を抱く傾向にありますが、それは料理でも同じです。特に初挑戦の料理であれば抵抗感や恐怖感が強くなりやすいです。

また、発達障害の方に少なくない感覚過敏の場合、「料理をする間ずっと嫌な感覚に襲われるかもしれないのか……」という種類の怖さを感じるかもしれません。

発達障害のお子さんの「料理が苦手」を克服するための4つの方法

それでは発達障害のお子さんの「料理が苦手」を克服していくための方法をいくつか紹介していきます。

もちろん解説する方法を試しても料理がそれほど得意にならない子もいます。しかし学校でも調理実習などがあるでしょうから、それに備える意味でもお子さんをサポートしてみてはいかがでしょうか。

1:親が「超簡単レシピ集」を手作りし、徐々にレベルアップさせていく

市販の子ども向けレシピ本を購入してもいいですが、お子さんの成長度合いによってはそれでも難しい場合があります。そういったケースでは親が「超簡単レシピ集」を作ることをおすすめします。

まずは、おにぎりの作り方、ご飯の炊き方、トーストの焼き方など「レシピ以前」のレベルのものを作るといいでしょう。それでも料理に興味を持ち始めたばかりのお子さんには心強い味方になりますし、「レシピを見て作る」という醍醐味も味わうことができます。

お子さんが慣れてきたら例えば「レトルトカレーの作り方」→「レトルトカレーのアレンジレシピ(卵を入れるなど)」→「チャーハン(自分で炒める)」などと徐々にレベルアップさせていくことをおすすめします。

2:レシピの解説・親の口での説明ではやることを一つずつ伝える

市販のレシピ本には例えば「5分炒めたらコショウを振って皿に盛り付ける」などと書かれているものです。しかし先述の通り発達障害のお子さんは同時に複数のことを処理することが苦手な傾向にありますから、以下のように書くことをおすすめします。

  • まずは5分炒めよう
  • コショウを振ろう
  • お皿に盛り付けよう

親が口で説明する際も同様にすることを一つずつ説明し、「一つ説明したら作業が完了するまでは次の作業の説明はしないことをおすすめします。細かなステップで進んでいくイメージです。

3:あいまいな説明はしない

先述の通りあいまいな説明を理解することを苦手としている子が多いですから、例えば以下のように言い換えることをおすすめします。

  • 数分炒める→5分炒める
  • キツネ色になるまで炒める→(写真を見せて)この色になるまで炒める
  • 塩をひとつまみ入れる→塩を0.5グラム入れる

「ひとつまみ」に本来厳密な正解はないと思いますが、発達障害のお子さんの理解を助けるためには「0.5グラムだよ」としっかり決める方がいい場合もあります。親目線では測るのが面倒と感じるかもしれませんが、「測るからこそ安心」という感覚のお子さんもいます。

4:後片付けは親がしてしまってもいい

少しでもお子さんの作業量を減らすためにも、料理の後片付けは親が行うことをおすすめします。

親としては「片付けまで含めて料理」かもしれませんが、まずは料理に興味を持たせ、完成する達成感を味わわせることが大事です。なので「花形」の調理はお子さんにさせて、「裏方」の後片付けは親がやってしまいましょう。

もちろんお子さんが慣れてきたら後片付けもさせて構いません。「お皿をお湯につけておいてね」「散らばった野菜の皮を三角コーナーに捨ててね」など、一部分を任せるのもいいでしょう。

まとめ

発達障害のお子さんの中には料理を苦手とする子が多いものの、「とにかく簡単に」「説明は一つずつ」を基本にしつつあいまいな表現を避けることを意識すれば、徐々に慣れていける可能性が高いです。

発達障害の方は興味を持てることにのめり込む場合も多いですから、一度楽しさをしれば熱中してくれる可能性もあります。

この記事を書いた人
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運営事務局 / ライター

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