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「発達障害の配偶者と関わる」8つのポイント

「発達障害の配偶者と関わる」8つのポイント
この記事の監修
上岡 正明

株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役

上岡 正明 (かみおか まさあき)

大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。

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この記事では、発達障害の配偶者と関わるにあたってのポイントなどについてお伝えしていきます。

「ただでさえ子育てで苦労しているのに配偶者の理解を得られず大変」「配偶者の行動が読めない」と悩んでいる方は少なくないと思います。

そこで本記事では、子どもが発達障害である場合の両親の発達、発達障害の配偶者と接するにあたってのポイント、全体的な心構えなどに関して解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

子どもが発達障害の場合、両親も発達障害である場合が多い

お子さんが発達障害である場合、両親もどちらか(もしくは両方)が発達障害であるケースが多いです。

どちらかといえば「自分たち(親)が発達障害である」「だから子どもも発達障害かもしれない」という視点を持つことが多いと思いますが、反対の視点も持ってみることをおすすめします。

すると、子育てなどで苦労する理由の一つに親のどちらかが発達障害であることが関係しているかもしれないとわかる可能性があります。ただし詳しい診断などは専門機関で受けてください(自己判断できるものではありません)。

「発達障害の配偶者のサポート」で難しさを抱える場合も

そして「発達障害の配偶者のサポート」が必要になって、お子さんのサポートと合わさって二重の難しさを抱える可能性もあります。特に大人になってから発達障害であると判明した場合、発達障害である配偶者本人も自分の特性に対応することに慣れていないかもしれません。

発達障害の配偶者と接する際の2つの心構え

それでは発達障害の配偶者と接するにあたっての心構えを2つ紹介していきます。お子さんと配偶者を無理なくサポートしていくためにはどうすればいいのでしょうか。

1:「配偶者育て」をしていくイメージを持つ

子育てと一緒に「配偶者育て」もしていくイメージを持ちましょう。言い方は悪いのかもしれませんが「大きな子ども」と接するような感覚です。

例えば、たまに「夫が奥さんのことをママと呼び、甘える関係性」がありますが、それに近いものを目指してみてはいかがでしょうか。愛情の形は千差万別であり、そこにも確実に愛があります

2:期待しすぎない

「自分を含む全ての人間」と接するときの基本でもありますが、配偶者に対しても多くのことを期待しないようにしましょう。

「やってくれるはず」ではなく、「やってくれたらラッキー」「やってくれなくても何とかなる」くらいの感覚で過ごすことをおすすめします。その方が精神衛生上良いですし、たまにやってくれるととても嬉しい気持ちになることができます。

発達障害の配偶者と上手に付き合っていくポイント8選

それでは発達障害の配偶者とうまく付き合っていくためのポイントをいくつか挙げていきます。発達障害のお子さんのサポートとは少し違う部分もあります。

1:基本的に自分のことに専念してもらう

いきなり家事や育児を手伝ってもらってもかえって負担が増える可能性があります(すでに重々実感している方も多いと思います)。そのため、まずは基本的に自分のことに専念してもらうのがおすすめです。

特に発達障害の場合はこだわりが強く、配偶者のことまでやってあげようとすると、むしろこじれる恐れがあるため、「私にはよくわからないからやってくれる?」と自分のことを自然とこなすように頼むといいでしょう。そうすれば確実にあなたの負担は減ります。

2:できる範囲で「本人の得意なこと」を手伝わせる

「1」で解説したように自分のことに専念してもらう中で「得意そうなこと」「トラブルを起こさず無難にこなせそうなこと」があれば、できる範囲で手伝ってもらうのもいいでしょう。

例えば「私が作るより美味しそうだからお弁当作りを任せてもいいかな?」「キレイに丁寧に掃除するしこれからは頼んでいいかな?」など、適度におだてつつ頼めば引き受けてくれる可能性が高いです。

また、本人としても「自分のことしかできない」「役に立てていない」と焦っているかもしれませんが、これによってその気持ちを和らげることができます。

3:子どもに対しておおらかになってもらうために、まずは配偶者におおらかになる

「発達障害の親が、発達障害の子どもに対しておおらかになれない」「それによってトラブルが起きる」というケースが少なくありません。そのためまずはあなたが配偶者に対しておおらかになって、「おおらかになるのが当然」という空気を作ることをおすすめします。例えば以下の通りです。

  • 「実害の少ない配偶者の困った行動」には寛容になる
  • 「実害がないならまあいいや」の精神を何事にも持つ
  • 細かなことでも何かしてくれたら「ありがとう」と和やかにお礼をする
  • 言葉だけでも配偶者の体調を気遣う
  • 食事には配偶者の好物を多めに出す

4:家計の管理の主導権を握る

発達障害の方の中には、「衝動を抑えることが苦手」「物事を長い目で見ることが苦手」などの理由から、お金の管理を苦手とする人が少なくありません。そのため家計の管理の主導権は、あなたが握ることをおすすめします。

やはり家族で生活していると「お金の問題」がさらに致命的な問題に発展する可能性が低くありませんから、これはとても大事な部分です。

「少額のものであれば基本的に買い物を認める」などの工夫をすれば、配偶者が不満を持つことはほとんどないはずです。うまくコントロールしていきましょう。

5:してほしい「思いやり行動」は具体的に教える

発達障害の方の中には、周りを見て柔軟に判断したり想像したりして、適切な行動をすることを苦手とする人が少なくありません。つまり空気を読むのが得意ではないということです。そのため、してほしい「思いやり行動」があれば具体的に伝えるのが大事です。

例えば以下の通りです。

  • 「風邪を引いたのよ」だけでなく→「炊飯器でご飯を炊いて、冷食でおかずを用意してくれる?」
  • 「電球が切れちゃって」だけでなく→「電球が切れちゃったから、脚立を使って取り換えてくれる?」
  • 「夕飯の準備で忙しいの」だけでなく→「子どもを一緒にお風呂に入れてくる?」

そして「思いやり行動」をしてくれたら、「ありがとう、助かったよ」「ありがとう、優しいね」などと声をかけることを徹底します。すると「これが正しい行動」と徐々にインプットされていくため、そのうちあまり指示をしなくても行動してくれるようになるかもしれません。

6:配偶者の事情に関係なく、休息を確保する

配偶者がトラブルを起こしているときでも穏やかなときでも、仕事に出ているときも家にいるときも、それらの事情とは関係なく、休息を確保できる環境を整えましょう

逆に「配偶者の状態によっては休めない」となると、結局ズルズルとほとんど休めなくなる可能性が高いです。また、「配偶者に支配されている」という感覚になってしまう恐れもありますから好ましくありません。

きちんと休むためには日頃から手抜きを覚えて、どんどん作業量を減らしていくことが大事です。作業が少なければ当然休めます。

7:子どものことは第三者に相談して、配偶者にはポジティブな情報だけ伝える

「発達障害のお子さんのことなどに関して配偶者と相談するとイライラする」という場合、配偶者が「聞き役」に向いていないのかもしれません。そういったケースでは外部の専門家や、聞き上手の友人などに話を聞いてもらってはいかがでしょうか

その上で配偶者にはポジティブな情報だけを伝えるようにすれば、徐々に「配偶者の子どもを見る目」が変わって、様々なことに寛容になっていく可能性があります

ここでいうポジティブな情報としては例えば「最近は遅刻せずに学校に行けるようになっている」「雨が降っているけどちゃんと自分で傘を用意できたよ」などの簡単なもので構いません。

8:冷静に言いたいことを言うべき。でも怒っても構いません

配偶者に対して何か言いたいことがあれば、抱え込まずに伝えるようにしましょう。その際、オブラートに包んだような言い方をせず「私は○○だと思う」とハッキリ言うことをおすすめします。その方が伝わりやすいはずです。

伝えてもすぐに変化はないかもしれませんが、繰り返せば徐々に効果が出る可能性もあります。また、結局変化しない場合でも、言いたいことはきちんと言わないとストレスが溜まってしまいます。

そしてもちろん常に冷静に話すのが理想ではあるのですが、ときには感情的に怒鳴ってしまっても構いません。それが人間として自然だからです。ただ、開き直らず「怒鳴ったこと自体」は謝りましょう(発言の内容自体を撤回する必要はありません)。

「配偶者がいてもいなくても同じ状態」まで自立すると対等になれる|発達障害ケア

自分で考え、自分で判断して、自分で行動することを続けて、最終的に「配偶者がいてもいなくても同じ状態」にまで精神的に自立することを目指しましょう

一見冷たく感じるかもしれませんが、それくらいの方が結果的に対等な関係になれて、良い夫婦関係を築ける可能性が高いです(お子さんにも良い影響を与えることでしょう)。なぜなら「依存しても、依存されてもいない状態」だからです。

まとめ

発達障害の配偶者と接する際のポイントを紹介しましたが、総じて言えるのは「多くを求めすぎない」ということです。このスタンスは学校の先生や外部の専門家と接する場合にも大事なことです。

そして最終的には「配偶者がいてもいなくても同じ」という状態を目指しましょう。だからこそ対等な関係になることができます。夫婦の愛情も千差万別です。ぜひあなたの家庭に合ったスタイルを見つけてくださいね。

この記事を書いた人
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