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発達障害のお子さんの体温調節サポートのポイント

発達障害のお子さんの体温調節サポートのポイント
この記事の監修
上岡 正明

株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役

上岡 正明 (かみおか まさあき)

大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。

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発達障害のお子さんの体温調節サポートを頑張っているものの「具体的にどうすればいいのかわからない」とお困りではありませんか?

体温調節の手助けをするためには「気温の見える化」などをして、お子さんに徐々に気温について学習させることが大事です。

この記事では発達障害のお子さんの体温調節・寒さや暑さ対策のポイントなどについて解説していきたいと思います。

発達障害のお子さんの体温調節サポートが大事である理由は?

発達障害のお子さんの中には体温調節を苦手としている人が多いです。そして発達障害の方の場合、「先の見通しが立てにくいこと」があるとパニックになりやすい傾向にありますが、気温はまさに見通しの立てにくい要素です。

そのため子どもうちから温度調節の仕方や、暑さ・寒さへの備え方を学習して、大人になってから困らないようにする必要があるのです。

特に「身体が丈夫な大人」の場合、お子さんが体温調節・暑さや寒さ対策でつまずきやすいということが想像しにくいかもしれません。固定観念を外して、お子さんのサポートに努めましょう。

発達障害のお子さんの体温調節サポートのポイント5つ

それでは発達障害のお子さんの体温調節をサポートするために重要なことを5つ挙げていきます。

1:完璧を求めない

大人でも暑さ対策・寒さ対策に失敗することは少なくありません。例えば「寒くならないと思っていたのに寒くなった(上着を持たずに出かけた)」などです。また、季節の変わり目に体調を崩しがちな人も珍しくありません。

そのため発達障害のお子さんが体温調節、暑さ対策・寒さ対策で失敗するのも仕方がないことといえます。ですから完璧を求めず、「天気や温度との付き合い方さえ覚えればOK(失敗はある)」と考えておくことをおすすめします。

そして風邪を引くなどしたら治します。それも人生に欠かせない経験といえるでしょう。

寒さや暑さでお子さんがイライラしているようでも、他の人に迷惑をかけない限りは単に見守るといいでしょう。

2:まずは「気温の見える化」をする

お子さんが慣れるまでは、例えば「気温25℃」といわれても、それが暑いのか・寒いのか、どのような感覚になるのかピンとこないかもしれません。そのため「気温の見える化」をして、イメージによって温度を理解できるようにすることが大事です。

例えば気温の変化によって見た目が大きく変わる「ガリレオ温度計」や、気温によって色が変化する温度計などを取り入れるといいでしょう。

3:気温スケールを作る

ここでいう気温スケールとは「気温と、取るべき行動の目安」のことです。例えば以下のようなスケールを作りましょう。

  • 35℃↑:とってもあつい!運動しちゃだめ!
  • 28℃~34℃:お水を多めにのもう!
  • 20℃~27℃:ちょうどいい!外で元気にあそぼう!
  • 10~19℃:ちょっとすずしい?上着をきよう!
  • 10℃↓:さむい!あったかくしよう

などです。

一例として35℃以上の箇所には「真っ赤になって汗をかいている太陽」20℃~27℃の箇所には「外で遊んでいる人の姿」などのイラストをつけることで、お子さんがこの温度なら、こうする」とイメージしやすくなります

4:親が情報を整理してから子どもに判断させる(レベル1)

お子さんが気温や天気に関する感覚をおおよそ掴んできたら、親が

  • 温度計
  • 気温スケール
  • 天気予報

などを見せてお子さんに、「今日は暑いかな?寒いかな?普通かな?」などと問いかけますお子さんが何らかの返事をしたら、例えば「じゃあ今日は上着を着ていこうか」などと言います。

降雨についても同様で「今日は雨が振りそうかな?」などと問いかけ、お子さんが返事をしたら「じゃあ折りたたみ傘を持っていこうか」などと言います。

5:お子さんに情報を整理させてお子さんに判断させる(レベル2)

最終的には、「情報の整理」「判断」「実行」をすべてお子さんだけでできるようになるのが理想です。これも大人になったときに備えるためです。ただ、お子さんだけでは判断を誤る可能性があります。

特に「高確率で雨は降らないが、折り畳み傘を持っていく(確率が低いことに対する備え)」「朝は寒いが、日中の暑さに備えて半袖を持っていく(先を見通した備え)」などはまだ難しいかもしれません。

そのため例えば、

「傘はいらない!」

「でも降水確率を見てみて。もしかしたら雨が振るかもよ?」

~~~~~~

「今日は寒いし長袖だよね」

「でも一応、半袖もあると安心かも。お昼は太陽がのぼるから」

などとさり気なくサポートすることをおすすめします。

まとめ

発達障害のお子さんの体温調節のポイントを紹介しました。「気温の見える化・気温スケールによって天気・気温に関するイメージを掴ませる→親が情報を整理した上で、お子さんが判断できるようにする→お子さんが情報整理から判断まできるようにする」と、段階を踏んで学習させていくことが大事です。

また、体温調節や寒さ対策・暑さ対策は大人でも難しいものです。完璧を求めすぎないようにしましょう。

この記事を書いた人
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運営事務局 / ライター

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