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発達障害のお子さんのアレルギーへの対応の基本

発達障害のお子さんのアレルギーへの対応の基本
この記事の監修
上岡 正明

株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役

上岡 正明 (かみおか まさあき)

大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。

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この記事では、発達障害のお子さんのアレルギーへの対応について解説します。

親としては「できる限りのことをしたい」と感じると思いますが、「常にあらゆることに対して全力を尽くす」のは現実的ではありません。

そこで本記事では発達障害の方のアレルギーへの対応の基本と、親子で考え、取り組むべきことに関してお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。

アレルギーは千差万別。発達障害であるかないかに関係なく注意が必要

食物アレルギーについては千差万別であり、「どの食品によってアレルギー症状が出るか」も「どのような種類・レベルの症状が出るか」も人によって違います。そのため食物アレルギーの疑いがある場合は、血液検査や皮膚テストによって「アレルゲン(アレルギーの原因)」を特定することが必要です。

そして医師に診断書や「アレルギー食事箋(処方箋の食事版のようなものです)」を書いてもらい学校に提出しましょう。以降は学校と親、そして医師などと連携を取り、お子さんのアレルギー対策をしていくことになります。

もちろんお子さん本人が自分のアレルギーについて理解し、適切な行動が取れるように指導・サポートしていくことも大事です。

なお、「発達障害の人はそうでない人に比べて、アレルギーで悩む人の比率が高い」という説もありますが、これについてはあまり研究が進んでいない印象があります。

いずれにせよ一般の方は「自分の子どもにもアレルギー症状が出るかもしれない。そうなったら適切に対応する」という心構えをしておくことが大事です。

一般の方がアレルギーと発達障害の関係性について学術的に考える必要はありませんし、考えて何か判明したからといって直ちに何らかの対処ができるわけでもないはずです。そのため、あまり「アレルギーや発達障害そのものについて考えること」にエネルギーを使うべきではありません。

根拠のない民間療法や「無知な人の言葉」に惑わされない

一昔前に比べると人々のアレルギーに対する理解は進んでいるとされていますが、それでも「根拠のない民間療法」は存在しますし、「無知な人の言葉」に触れる機会もあるかもしれません。それらに惑わされないようにしましょう。

例えば以下のものがあります。

  • ごく少量ずつ食べていけば治る(治る可能性もありますが医師の指導が必要です)
  • アレルギーがあってもほんの少しであれば症状は出ない
  • 気持ちを強く持てばアレルギー症状は出ない

例えば、高齢の親戚など立場的に提案を断り辛い相手であっても、おかしなことを言ってきたら毅然と対応しましょう。どうしても理解を得られず、かつお子さんに近づいて食べさせようとしてくる場合は、かかりつけの医師のところへ連れていき、説明してもらうことも検討してください。

特に発達障害のお子さんの場合、アレルギーへの対応は「無理のない範囲で」が現実的

理想は「病院に通い詰めつつ、アレルギー物質を徹底的に排除する」ということになるでしょう。ただ、お子さんのアレルゲンの多さや、アレルゲンの種類によっては完璧に対応することが難しくなります。例えば以下のような生活をするとして、親は耐えられるでしょうか。

  • わずかでもアレルギーを悪化させる可能性のある食品はすべて避ける
  • ダニやハウスダストを避けるべく、毎日徹底的に掃除をする
  • たびたび数時間(所要時間は環境によりますが)かけて「アレルギー専門の名医」のところに通う

多くの方は最初のうちは頑張ることができても、徐々にストレスが蓄積して、どこかで限界が来てしまいます。ノイローゼに近い状態になるかもしれません。

特にお子さんが発達障害である場合は、他にも気を付けるべきことが多くなりますから、なおさらこの傾向が強くなります。そのため「無理のない範囲で、できる対応をする」というのが現実的といえるでしょう。

親とお子さんでアレルギーに関して一緒に考え、行動する

また、医師などの指導者に依存せず(必要なことは聞く)、親とお子さんで一緒にアレルギーについて考え、行動していくことが大事です。

例えば、お子さんの食事療法へのモチベーションが強いのであれば、親としてもそれに応えるべきでしょう。逆にお子さんが「そこまで頑張りたくない。できる範囲でいい」というのであれば、無理強いをするべきではないかもしれません。

アレルギーへの対応に限らず子育てをする上では、常に考えて、行動することが必要です。

まとめ

ここまで発達障害のお子さんのアレルギーへの対応について解説しました。疑わしい症状が出ている場合は病院で検査を受け、医師の指導を受けることが大事です。

ただ、アレルギー対応に関して完璧を求めると、親の方が限界を迎えてしまう可能性があります。そのため「無理のない範囲で、できることを」を合言葉に取り組んでいくことをおすすめします。

この記事を書いた人
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運営事務局 / ライター

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