子どもの粘り強さや適応力を高める4つの方法
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちら子どもには、どんな困難にも立ち向かう粘り強さや逆境でも真っ直ぐ進む適応力を身につけさせたいものですよね。
そういう力のことを心の復元力、『レジリエンス』といいます。
レジリエンスは、子どもたちがすくすくと育ち、自立した大人になるために大切な要素です。
そしてこの力は、「心の筋肉」とも呼ばれていて、鍛えることができるといわれています。
子どもが高い壁に阻まれたとき、このレジリエンスが発揮できるよう、今回は『レジリエンス・マッスル』というトレーニング方法をご紹介します。
レジリエンス・マッスルで心の筋肉を鍛える4つの方法
日頃から心の筋肉を鍛えている子は、逆境に強く、どんな困難に直面しても粘り強く努力できる子になります。
ご家庭でもできる簡単なものばかりですので、ぜひ、取り入れてみてください。
① 自分を肯定することを覚える
自分の強みを知ることは、レジリエンス、心の筋肉の成長になるといわれています。
「ぼくは(わたしは)◯◯です。」といったテンプレートを使って、自分を肯定する言葉を口に出させてみましょう。
「ぼくは、サッカーが得意です。」、「私はお絵描きが得意です。」といった特技でも良いですし、「ぼくは面白いことをたくさん言えます。」とか「私は頑張り屋さんです。」とか、そういったものでもOKです。
親も発表してみたり、ママ・パパから見た子ども、子どもから見たママ・パパというのも一緒に考えていくとより自己肯定感が高まります。
② できることを把握する
子どもの「できる」は、大きな強みとなります。
この「できる」をどんどん見える化して、子どもの自己肯定感を高めていきましょう。
「妹の面倒が見れる」、「夕飯のときにみんなのお茶碗を並べられる」、「1人で学校に行ける」など、小さなことでもいいので、子どもが自信をもって「できる」と言えることを増やしていきましょう。
③ 自分の環境に感謝する
自分の持っているものや環境に感謝をしましょう。
「ぼくには、お料理上手なお母さんがいる」とか、「私にはとても可愛い妹がいる」とか、「大切にしている絵本がある」とか、何でも良いです。
なかなか自分では気付けないところに気付かせてあげることが大切です。
④ 好きなことをたくさん挙げる
①と被ってしまうところもありますが、子どもの好きなことを一緒に挙げましょう。
好きなことをしたり、好きなものを思い浮かべると、人間の脳はドーパミンをたくさん分泌します。
このドーパミンは脳を覚醒させるので、逆境や困難に立ち向かう強い心が養えます。
親の「共感」が子どもの「信頼」を生み出す
子どもに何か嫌なことがあったときは、「共感」してあげることが非常に大切です。
「そうだよね。それは、◯◯くんだって嫌だよね。」と嫌な気持ちを認めてあげると、子どもは安心して親を「信頼」します。
子どもは辛い気持ちに必ず寄り添ってくれる人がいると理解すると、少しのことでめげなくなります。
また、最後には「◯◯ちゃんなら、大丈夫だよ」と信頼感を示してあげることも大切です。
日頃から「共感」と「信頼」を意識して子どもと接していれば、子どもはどんどん「レジリエンス」を鍛えることができるわけです。
まとめ|強くたくましく生きる大人になるために
さまざまな環境に対応する適応力や困難に立ち向かう粘り強さを育てるには、心の筋肉「レジリエンス」を鍛えることが何よりの近道です。
強くたくましい大人になるためにも、子どものうちから「レジリエンス」を鍛え、いつか訪れるであろう困難や逆境に対する予防を行っていきましょう。