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発達障害で携帯電話・スマホ 持っても大丈夫?

発達障害で携帯電話・スマホ 持っても大丈夫?
この記事の監修
上岡 正明

株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役

上岡 正明 (かみおか まさあき)

大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。

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発達障害のお子さんに携帯電話・スマホを持たせることを検討しているものの、「本当に持たせていいのかわからない」と悩んでいる親は多いと思います。

子ども向け携帯電話・スマホであれば発達障害の人であっても使用するにあたってトラブルを起こしにくいです。

とはいえ注意点もありますから、本記事では発達障害のお子さんに携帯電話・スマホを使わせる場合のポイントや気を付けるべきことなどについて解説していきます。

発達障害のお子さんに子ども向け携帯電話・スマホが役立つ理由

発達障害のお子さんの中には親子での外出中でもすぐにどこかに行ってしまったり、一人でのお使い中に道に迷ったりする人が少なくありません。そのため子ども向け携帯電話・スマホを持たせておくと役立ちます。多くの子ども向け携帯電話・スマホには、以下のような工夫が施されているため使いやすいです。

  • 登録している番号やアドレスにしか発信できず、手当たり次第に電話をかけるなどのことがない
  • ボタンが少ない、操作がシンプルで、覚えることが苦手な人でも安心。焦っているときでも操作方法に迷いにくい
  • ネット接続ができない(メール、電話、SMSなどはできる)ため、発達障害の方に多い「過集中」や「好きなことへの過剰な熱中」によるネット依存を防ぐことができる
  • GPS機能搭載で、親が居場所を確認できる
  • 防犯ブザーつきでもしものときに。お子さんによっては「何かあってもこれでなんとかなる」と思うことができ、持つだけで安心できる場合も。

本体料金・月額料金も通常の携帯電話・スマホよりも安いです。

また、今の日本は携帯電話・スマホがないと生活しにくいですから(就活や仕事にもほぼ必須です)、大人になる前に慣れされておくのもいいでしょう。

発達障害のお子さんに携帯電話・スマホを使わせる場合のポイント・注意点4つ

子ども向け携帯電話・スマホは機能がシンプルであるためトラブルは起きにくいですが、それでも気を付けるべきことはあります。適切に使用して生活に役立てましょう。

1:むやみにメールや電話をさせないようにする

子ども向け携帯電話・スマホの多くは特定の番号や連絡先にしか発信できませんが、それでもむやみに電話やメールをするようでは親が困るはずです。

そのため「お父さんもお母さんも(他の家族も)そばにいなくて、困っているときに連絡するんだよ」「迷子になったらすぐに連絡するんだよ」などと指導しておくことをおすすめします。

「使うべきタイミングを具体的に教えておく」「○○のときに使ってねとプラスの言い方をする」のがポイントです。

「何かあったときに使うんだよ」では抽象的すぎて発達障害のお子さんにとっては理解しにくいかもしれません。

また、「むやみに使っちゃダメだよ!」はマイナスの言い方ですから、お子さんとしては飲み込みにくい可能性があります(最悪の場合、使うべきタイミングでも使うのをためらうようになるかもしれません)。

2:外出時以外は親が預かるという選択肢もある

お子さんが家にいても携帯電話・スマホで電話やメールをしたり、長時間ボタンを触ったりするのであれば、外出時以外は親が預かるようにするのもいいでしょう。

ただ、こうする場合はお子さんにとって携帯電話・スマホが見慣れないものになってしまう可能性がありますから、しばらくは持たせるたびに操作方法を教えた方がいいかもしれません。

また、学校に携帯電話・スマホを持っていくかどうかはもちろん学校のルールに従って決めてください。学校が携帯電話・スマホの持ち込みをOKにしているのであれば、持っていくのが無難です(登下校中に迷子になる可能性もないわけではないため)。

3:携帯電話・スマホを触る時間が長い場合はお子さんの生活を見直す

何か満たされないことがあるために携帯電話・スマホを触る時間が長くなってしまう可能性もあります。兆候がある場合は、

  • 親子の会話を増やす
  • 運動をさせる
  • 友達を遊ぶ時間を増やす

などの工夫によって(他に楽しいことが増えることによって)、携帯電話・スマホを触る時間が短くなっていくケースが多いです(脳科学的にいえば脳が正常な状態に戻っていく)。

それでもお子さんが携帯電話・スマホ依存の傾向にある場合は、発達面の相談ができる医療機関でアドバイスを受けることも検討しましょう。

4:親がスマホ依存であれば治す

発達障害のお子さんの中には「合理的でないこと」を飲み込みにくい人も多いため、「お父さん・お母さんはスマホをたくさん使っているけど、僕は・私はやめておこう」とは考えられない・納得できない可能性が高いです。そのため親がスマホ依存であれば治す必要があります。

「スマホ依存の定義」については詳しく考えなくて構いませんが、特に以下に該当する場合は改めましょう。

  • お子さんとの食事中でもスマホを触ることが多い
  • 朝の忙しいはずのタイミングでもスマホを触ることが多い
  • お子さんが入眠するまでの添い寝をしながらスマホを触ることもある

つまり「触るべきでないタイミングでスマホを触っている姿」を子どもに見せてしまっているかどうかです(スマホ依存でなくてもスマホを使うタイミングが悪いなら改めるべきです)。

極論、親のスマホ依存は治らなくてもいいですが(もちろん本来は治すべきです)、できるだけお子さんに見えないタイミングで触るようにしましょう。

まとめ

ここまで発達障害のお子さんに携帯電話・スマホを持たせるメリットや注意点などについて解説しました。子ども向け携帯電話・スマホであれば、いたずらも依存もしにくいため安心です。

ただ、それでも使っていいタイミングを教えたり、依存しないようにお子さんの生活を見直したりするなど、親としてするべきことはありますから「持たせたらあとは丸投げ」ということがないようにしましょう。

この記事を書いた人
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運営事務局 / ライター

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