子どもをゲームに依存させないための付き合い方5選
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちら子どもはゲームが大好きです。
それはいつの時代も同じなのかもしれませんが、今は、携帯ゲーム機やスマートフォンの普及によって、どこに居てもゲームができるため、さらにゲームが生活に密着しつつあります。
また、時間を忘れてゲームにのめり込む「ゲーム依存」になってしまうケースが、大人・子ども問わず増えています。
親としては何としてもゲームに依存させたくないものですが、実は、ゲームにはさまざまな教育効果があるといいます。
今回は、ゲームがもたらす教育的効果とゲームと上手く付き合う方法について詳しく解説していきます。
ゲームをすることでさまざまな力を身につけることができる
ゲームにもさまざまなものがありますが、その中でも「Minecraft」(マインクラフト)、通称「マイクラ」は非常に人気があります。
そしてこのマインクラフトは、世界中の教育現場でも活用されているゲームです。
このゲームは、レゴのようなブロックを組み立てて好きなものを自由に作り、動かせる楽しみがあります。
木が必要になったらまずは木を切るための道具を作ったりなど、非常に自由度が高く、創造力や問題解決力が身につくといわれています。
また、「マリオシリーズ」などのアクションゲームに関しては、集中力や計画性、批判的思考力、立体認知能力、反射神経などが磨かれるといいます。
子どもたちに大人気の「エイペックス」や「フォートナイト」、「スプラトゥーン」なんかもアクション要素の高いゲーム性なので、このような能力を磨くことができます。
日本においてはまだ「ゲームなんて」と娯楽の1つに捉えられ、時には”悪”となってしまうものですが、アメリカでは、ゲームを基本とした学習の基盤ができつつあります。
確かにゲームに集中しすぎて他のことが疎かになってしまう子どもは多いものですが、親としてはそこを上手くコントロールしてあげたいものですね。
ゲームと上手く付き合うための5つの方法
親がゲームに対して”悪”という見方をすると、子どもは当然反発します。
漠然と不安視するよりも積極的にゲームと関わり、上手く付き合っていくことが大切です。
それでは、ゲームと上手く付き合うための方法をご紹介していきます。
① 親の目の届く場所でゲームをさせる
ゲームに依存してしまう子どもの多くは、ひとりきりでゲームに集中しているケースが多いです。
なるべくゲームは親の目の届くリビングなどでやらせるようにし、自室に持ち込まないなどのルールを設けると良いでしょう。
② レーティングを活用する
特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントトレーティング機構、通称「CERO」をご存知でしょうか?
ゲームをする方であれば、もしかしたら目にしたことがあるかも知れません。
「CERO」は、ゲームソフトの内容に基づき、対象年齢を表示しています。
この「CERO」がAのものであれば、全年齢対象となり、小さなお子さんでも安心して遊べるソフトということになります。
子どもにゲームを選ぶ場合は、この「CERO A」を選んであげると良いでしょう。
③ ソーシャルゲームの課金に注意する
スマートフォンのゲーム、通称ソシャゲは、課金制度を用いて運営が行われています。
親の承認がないと購入ができないようにするような設定もありますので、上手く活用して、子どもが勝手に課金をしないように予防してください。
④ 親がゲームに関心をもつ
親が全く子どものやるゲームに関心がないと、子どもは自分の好きなことについて親に語れなくなります。
子どもにゲームのやり方を教えてもらい、一緒にプレイしてみたりすれば、コミュニケーションも取りやすくなります。
ゲームのことを何も分からないのに、ただ悪といわれてしまうのは、子どもも不満なのです。
ゲームのことを知ろうとする気持ちが親にあれば、子どもも自主的にゲーム時間をコントロールするようになり、自立心を磨けます。
⑤ 時には「ゲームをしなさい」も効果的
子どもが家庭のルールを守らないときは、あえて「ゲームをしなさい」と課すことも効果的です。
ダメと禁止されれば、子どもは反発します。
やること(家のお手伝いや明日の準備、宿題など)をやったら、とことん遊んでも良いなどのルールの方が子ども自身もゲームとの付き合い方を工夫できるようになります。
まとめ|子どもが楽しくゲームをできる環境も大切
ゲームを”悪”とする見方も確かにありますが、ゲームのすべてが悪なのではありません。
親としてできることは、ゲームを敵視するのではなく、上手にゲームと付き合う方法を考えることです。
あれもこれもと禁止すれば、子どもは反発し、依存心が生まれます。
子どもが楽しくのびのびとゲームができる環境や時間も大切な子どもの教育の時間です。
ぜひ、ゲームとの付き合い方を参考にして、親子でコミュニケーションを取ってみてください。