子どもの創造力や問題解決力を高めるには?試行錯誤することを身につける
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちら令和の子どもたちが大人になる頃には、「創造」がますます大切になるといわれています。
プログラミング教育が必修化されたことからも分かるように、何かをつくる経験を通して、自分の見識を深め、視野を広げ、スキルを習得して学んでいくことが重視されているのです。
また、「創造」というのは、物理的に物をつくることだけに留まりません。
さまざまな課題や問題を解決する能力、試行錯誤する力を身につけることもまた「創造」です。
そしてときには、コミュニケーション能力を駆使しながら、他の人と一緒に解決していくことも大切です。
今の子どもたちが大人になるまでに身につけたいこれらの能力を養うには、どのようにしたらいいのでしょうか?
「試行錯誤」を身につけるには?
創造から学ぶときに重要なのは、「ミスを修正し、つくり直し、また実行を繰り返す」ことです。
これは、バグを取り除く「デバッグ」と呼ばれる作業と同じです。
子どもには、このデバッグの体験を日々繰り返しさせてあげることが重要です。
ミスがあってもいいのです。それを修正して、改善し、実行を繰り返すという試行錯誤の力が今の子どもたちには必要です。
つくること、試すことをするにはどうすれば良いか?
子どもが根気よく試行錯誤を繰り返すためには、そういう環境を親がつくってあげることが大切です。
つくる、試すをするためにどんなことをすれば良いのか、ご紹介していきます。
① ものづくりの場所を決める
子どもは何か制限があると、そこで思考をストップしてしまいます。
散らかしても良い、汚しても良い、子どもだけの「ラボ」のような場所をつくってあげると、子どもは自由に創造することができます。
② 自由な時間を設ける
創造力や問題解決力を高めるためには、親が一切口を出さないことも大切です。
おもちゃやゲームなどの既製品に頼らず、自由にものづくりができるような自由な時間を確保してあげることも親ができる大切なことの1つです。
③ 材料を準備する
工作に必要なものは、一通り準備してあげると良いです。
不要になったトイレットペーパー、サランラップの芯、ペットボトル、牛乳パック、生活用品でも使えるものはたくさんあります。
他にもクレヨンやマジックなどの画材、積み木やレゴといったブロックなども準備しましょう。
④ 助言は厳禁
アドバイスを求められるまでは、助言は厳禁です。
大人の目線から見て「こうした方が良い」という意見も必ず出てきますが、子どもの視点に合わせ、自分で好きなようにチャレンジさせることが理想です。
⑤ プログラミングのすすめ
プログラミングでは、「デバッグ」の作業が必須となります。
何度も繰り返しデバッグを繰り返すことで、思い通りに動かすことができます。
自然に「デバッグ」の作業を行うことができるのが、プログラミングを学ぶ1番のメリットであり、必修化された理由でもあります。
失敗しても根気よく何度も修正して、成功するという体験をすることができるわけです。
尚、プログラミングは学校以外の場所で学ぶこともできます。
最近はオンラインで子ども向けのプログラムが受けられるようにもなってきているので、興味のある方はオンラインプログラミングを検討してみるのも良いでしょう。
まとめ|手を動かしながら自分だけの答えを見つける
昔の子どもは、手を動かし、ものをつくり、たくさんの創造をしてきました。
スマートフォン、テレビゲームが普及した今は、確かに子どもが創造するきっかけが減ってきているといえるのかもしれません。
しかし、今は今で、プログラミングなど、今の時代だからこそできる創造もたくさんあります。
試行錯誤する時間を設け、子ども自身が手を動かし、自分だけの答えを見つける体験をたくさん与えてあげてください。