子どもの実行機能を高める5つの方法
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちら実行機能というのは、何かを遂行するために行動や思考をコントロールすることで、目標を達成するためには欠かせない認知機能です。
人は何かを成し遂げるために「目標を設定する」、「計画を立てる」、「優先順位をつけて取り組む」、「柔軟に頭を切り替える」、「行動を振り返り修正を繰り返す」などの行動・思考を行います。
これが、「実行機能」です。
このように計画を立てて行動できる人は、やり遂げる力が必然とつきます。
そしてこの力は、幼少期から思春期まで、子どものときにつけるのが理想的だといわれています。
ただ、幼い子どもが自然につけられる力ではありません。
そこで、今回は親のちょっとした手助けによって、子どもの実行機能が高まる5つの方法をご紹介していきます。
親がサポートすることによって子どもの実行機能は大きく伸びる
実行機能は、子どもも大人も大切なもので、社会に出てからもこのやり遂げる力が何度となく必要になります。
計画を立てて行動できる人は、このような物事の実行力が高く、さまざまな分野で成功をおさめるともいわれているので、小さいうちから、子どもの実行機能を伸ばすような心がけをしていきましょう。
① ToDoリストを作成する
ToDoリストを作成することによって、自分のやるべきことが見える化します。
今日のToDoリストを作成するのがベストですが、朝は身支度などでバタバタしてしまうので、前日の夜に「明日のToDoリスト」を作成するのがおすすめです。
② 親子でリストを共有する
ToDoリストの作成は、親子で行うのがおすすめです。
お母さんの計画を知り、お母さんがその計画を実行していく様子を日々見せれば、子どももしっかりと自分のToDoリストを実行できるようになります。
また、実行ができたら、可愛いシールを貼るなどの工夫をすると、より楽しく実行機能を伸ばすことができます。
③ 内容は具体的に
ToDoリストの内容は、具体的であるほど良いです。
「家事をする」ではなく「トイレ掃除をする」、「宿題をする」ではなく「計算ドリルを20問解く」などにすることによって、始まりと終わりを明確にします。
もちろん「ドラマを一話観る」、「ゲームを1時間する」などの娯楽的要素も加えてOKです。
④ 実行できる内容かチェックする
子どもは、時間の感覚が大人と比べて未発達です。
ときには無茶苦茶なToDoリストを作成してしまうこともありますので、お母さんやお父さんがチェックしてあげることも大切です。
それぞれの内容にかかる時間を想定し、1日の範囲でできる量を設定してあげましょう。
⑤ 振り返りの時間を取る
計画通りに行動ができたかどうか、振り返る時間も必要です。
仮に「できなかったこと」があったとしても、問題はありません。
お母さん・お父さんも、完璧ではないというところを見せても良いでしょう。
「できたこと」を褒めるようにして、「できなかったこと」に関しては、原因を聞き、次回に活かせるような流れをつくると子どものモチベーションも保たれます。
まとめ|親のサポートで子どもの成長は促せる
今の子どもたちは、計画を立てて、それを実行する能力が弱いといわれています。
中学生になっても、約4割ほどの子どもが勉強の計画を自分で立てられずにいるというアンケート結果もあるくらいです。
子どもたちはこの先、さまざまなことを課題とし、それを成し遂げていかなくてはなりません。
そういったときのためにも、小さいうちから実行機能を伸ばし、「ひとりでも計画を立案し、実行できる」力をつけていきたいものですね。