どんな子どもになってほしい?ビジョンと親の行動|無条件の接し方のポイント⑤
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちら『子どもに「無条件の接し方」をするための5つのポイント』シリーズ、5つ目の記事です。
将来、自分の子どもにはどういう大人になってほしいと思っていますか?
きっと自分の子どもに対して、さまざまなビジョンを持たれていることと思います。
ただ、子育てにおいて、普段の子どもに見せる行動がそのビジョンの妨げとなり、逆効果を生んでしまうこともたくさんあります。
今回は、両親の願いとは裏腹に子どもが育ってしまう3つのケースを詳しくご紹介していきます。
パターン① 自分の意見をしっかり持って欲しい なのに…
自分を意見をしっかり持ち、それを発言できる大人になってほしいと願うお父さん・お母さんは多いです。
そう思う一方で、子どもが自分の意見をいったときに「そんなことは聞いていない」、「口答えするな」と口をつぐませてしまう親もいます。
これでは、自分の意見を持つことも、ましてや発言することも嫌になってしまいます。
自分の力でしっかりと考え、それを発言できるようにするためには、子どもの意見を受け入れてあげることが大切です。
パターン② 自立心を持った大人になって欲しい なのに…
子どものうちから自立心を育てることはとても重要です。
しかし、自立心を育てたいとは思いつつも、子どもは本当に可愛く、何でもかんでも手を差し伸べたくなってしまうのが親というものです。
もちろんサポートが必要なものは手助けをするべきですが、子どもがひとりでできることは子どもにやらせないと一向に自立心が育ちません。
また、親が勝手に「ひとりでできないだろう」と解釈してしまうこともあります。
「自分ひとりでまずはやってみる?できないときはママがサポートするね」というように、子どもを見守ってあげることも大切です。
パターン③ 困難にも立ち向かう強い人間になって欲しい なのに…
粘り強く何事にも努力できる人間になってほしいと願うお父さん・お母さんも多いと思いますが、そのためには失敗が必要です。
人は、失敗を経て、その失敗を糧に成長していくからです。
しかし、失敗させたら可哀想と予防線を張ってしまう親も少なくありません。
過保護なまでに子どもを守れば、子どもにとって必要な障害をも取り除いてしまうこととなり、逆効果です。
まとめ|子育ては長期的にみる
子育ては、約18~20年間も続けて行う長丁場です。
子どもの年齢に合わせて接し方を変え、素敵な大人になれるよう、ずっと伴走していかねばなりません。
今回の3つのケースは、すべて、普段の接し方が子育てに悪影響を与えてしまっているケースです。
自分の行動が子どもの成長の妨げとなってしまっていないか、今一度見直してみるのも良いでしょう。