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発達障害の子を持つ親の「ストレスケア方法」について

発達障害の子を持つ親の「ストレスケア方法」について
この記事の監修
上岡 正明

株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役

上岡 正明 (かみおか まさあき)

大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。

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この記事では発達障害のお子さんを持つ親におすすめのストレス発散方法などについて解説していきます。

「慢性的にストレスを抱えている気がする」「自分の心身に大きな影響が出る前に何とかしたい」と悩んでいる方は少なくないと思います。

そこで本記事ではストレスが心身に及ぼす悪影響や、無理なくストレスケアをしていく方法などに関してお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。

ストレスが身体に与える影響は3種類|発達障害の子を健やかにケアするために

生きている以上、ある程度ストレスを感じるのは当たり前ですし、発達障害のお子さんをサポートする中でストレスを溜めることもあるでしょう。ただ、過剰にストレスが蓄積すると心身に悪影響を及ぶ可能性があります。どのような影響があるのか見ていきましょう。

1:身体への影響

ストレスは自律神経系、内分泌系、免疫系などを通じて身体に影響を与えます。具体的には高血圧、頭痛、狭心症、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、高血糖・糖尿病、関節リウマチ、皮膚炎などのリスクが上がります。

さらに下痢、便秘、腹部の張り、腹痛、嘔吐感、体重の増減、食欲低下・上昇、動悸などに見舞われる可能性もあります。

例えば「ストレスを感じると胃腸の調子が悪くなる」という人は少なくないと思いますが、それ以外にもさまざまな影響が出る場合もあるということを覚えておきましょう。

2:心理的な影響

ストレスの影響で、気分が憂鬱で何をするにもやる気が出ない、食欲が下がる、不安や焦りが強くなる、得体の知れない罪悪感があるなど、いわゆる「鬱状態」になってしまう可能性もあります。

さらに慢性的な睡眠障害が継続して、中途半端な時間に目が覚めたり、眠りが浅くなったりする場合もあります。

すると気持ちがさらに落ち込んで「自分が怠けているからこうなるのではないか」「もっと頑張らないと」などと思い詰めてしまうケースもあります。ですが、焦って自分自身を追い詰めないようにしましょう。むしろ頑張り過ぎている可能性が高いです。

3:行動面への影響

ストレス発散のために何かに依存してしまう人も少なくありません。特に多いのはアルコール、ギャンブル、買い物などへの依存です。のめり込んでしまった場合は専門機関で診てもらわないと立ち直れなくなる可能性もありますから注意が必要です。

また、暴力性が強くなり、家族などへの暴力(言葉の暴力も含む)という形で表れてしまう場合もあります。特に夫婦間での暴力が多いと、お子さんの心身の成長に影響を及ぼすケースもありますから「少しくらいなら」と見過ごしていいことではありません。

発達障害のお子さんを持つ親がストレスケアをする方法・ポイント6つ

それでは発達障害のお子さんを持つ親がストレスを発散したり、溜めないようにしたりするための方法やポイントをいくつか挙げていきます。

1:「頭の中では何を思ってもいい」と理解する

真面目だったり優しかったりする人の中には、「自分の頭の中だけで考えていること」でも許せなくなってしまう方もいるかもしれません。ただ、そういう人こそ「頭の中では何を思っていてもいい」と理解するべきです。

頭の中で思っていることは当然お子さんには伝わりませんし、本当に大事なのは「思っていること」ではなく「実際の行動」です。

ストレスが溜まると「口に出せないこと」を考えるときもあるかもしれませんが、そのような自分を責めないようにしましょう。ここで自分を責めるとストレスが溜まり、「実際の行動」に影響するかもしれません。

2:「発達障害に理解のある人」に愚痴を言う

やはり誰かに話を聞いてもらうと、それだけでもストレスを発散できるものです。ただ、特にお子さんに関することを話す場合は、発達障害に理解のある人に相談することをおすすめします。

そうでないと例えば「うちの子は漢字の書き取りがある日は学校に行くことをかなり嫌がって……」などと相談してもよくわかってもらえず、「え、変わった子だね……」「甘やかさない方が良いんじゃない?」などで済まされてしまうかもしれません。

そうなると「どうしてわかってくれないの?」という気持ちになり、かえってストレスが溜まってもおかしくありません。

3:愚痴を紙に書き出す

頭の中でモヤモヤしたままだと「自分が何に対してモヤモヤしているか」を理解できず、そのうち脳内がモヤモヤに支配されて、「何もかもうまくいっていない」と思ってしまう可能性があります。

そうならないように愚痴をこまめに紙に書き出すといいでしょう。すると自分がどのようなことで悩んでいたのかを理解できてスッキリしますし、具体的な対策も立てやすくなります。

愚痴を書いた紙は破って発散してもいいですし、「書き残したから忘れてもいい」と気軽に考えて、どこかにファイリングしておくのもおすすめです。

4:ブログやSNSで悩みを発信する

誰かに直接相談することはできなくてもブログやSNSで悩みを発信することで、「同じ発達障害の子を持つ親が共感してくれる」「見守ってくれる」などと実感できます。すると孤独感が和らいで、ストレスが溜まりにくくなります。

5:運動不足にならないようにする

運動不足になると自律神経の働きが鈍り、ホルモンバランスが崩れてメンタル面が不安定になる可能性があります。精神疾患のケアにも運動が取り入れられているなど、運動は精神面とも密接に関わっています。

また、極端な運動不足が続くと、身体を動かすことそのものに対して大きな抵抗感を抱き、実際に運動をすると心身共に疲れ果てて、余計にストレスが溜まるかもしれません。そうならないためにも日頃から最低限の運動はしておくことをおすすめします。

外に出てのウォーキングや趣味のスポーツなど何でも構いませんが、長時間家を空けることが難しい場合は、室内でできる運動をするといいでしょう。ルームランナーを使った運動、筋トレ、ラジオ体操などいろいろな選択肢があります。

6:必要に応じて精神科や心療内科に行く

強いストレスが続いたり、「とにかくどうしていいのかわからない」という気分になったりしている場合は、精神科や心療内科に行くことも検討しましょう。プロに相談すれば変化があるかもしれませんし、適切な薬を処方してもらえることも多いです。

ちなみに精神科も心療内科も「合わない」と思えば、次から通わなくても構いません(電話連絡くらいはしましょう)ので、気軽な気持ちで試してみることをおすすめします。「行こうかな、やめておこうかな」と考え続けるのもストレスになりかねません。

なお、メンタルの影響で「身体」に目に見える問題が起きている場合は心療内科「心」に問題が起きているなら精神科が向いています。例えば倦怠感、耳鳴り、腹痛などがあるなら心療内科、強い不安、不眠、何らかの依存などがあれば精神科といったところです。

まとめ

お子さんが発達障害である場合はサポートすることが多いため、ストレスが溜まりやすいと思います。そしてストレスを適度に発散しないと心身や行動面に悪影響が及ぶかもしれませんから、今回紹介したような方法でストレスケアをしていくことをおすすめします。

特に「話せる相手が少ない」という悩みを抱えている方は、SNSやブログを活用することで「外」との関わりが増えて気持ちが楽になる可能性がありますから試してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
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運営事務局 / ライター

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