発達障害の子の親がきちんと休みを取るメリットと休む方法
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちらこの記事では発達障害の子を持つ親がしっかり休みを取ることのメリットなどについて解説していきます。
「休みたいけれど忙しくて休めない」という方もいれば、「本当に休んでいいのだろうか」と悩んでいる方もいると思います。
そこでここでは発達障害のお子さんのいる親がきちんと休むことの意味やメリット、そして「休みを取る方法」「質の高い休みにする方法」などについてお伝えしていきます。
発達障害のお子さんを持つ親が休みをしっかり取る意味・メリット3つ
まずは発達障害のお子さんを持つ親がきちんと休みを確保することの意味やメリットを挙げていきます。
1:気持ちをポジティブに切り替えることができる
疲れているとどうしても気持ちが暗くなっていくものです。例えば、夜ヘトヘトになって寝る前は気持ちがどんよりしていても、朝スッキリ目覚めると昨日のことが嘘のようにポジティブになったという経験のある方は少なくないと思います。
特に発達障害のお子さんをサポートすることには特有の難しさがありますから心身ともに疲労が蓄積しやすいですし、「難しさ」が自分自身のネガティブさにつながりやすいです。だからこそ、適度に休息を取ってリフレッシュすることが大事です。
2:結果的にお子さんのためにもなる
特に「子どものためにも休めない」という気持ちが強い人に取り入れていただきたい考え方です。お子さんのためにも頑張りたいという気持ちは尊いものですが、疲れが溜まってパフォーマンスが落ちると結果的にお子さんのためになりません。
たまに休んでパフォーマンスを保った方がお子さんのためになりますし、他の家族も「お母さんが疲れているなあ……」と気に病みにくくなりますから、家庭の空気も良くなりやすいです。
責任感の強い方ほど「結果的に子どものためになる」と考えると、むしろ積極的に休みたくなるのではないでしょうか。
3:長期的な健康を保つことができる
特に若い保護者の方は疲労が蓄積していても勢いで走り抜けることができるかもしれません。しかしその「無理」が5年後、10年後に響いてくる可能性があります。お子さんの大事な時期(いつも大事ですが)に身体を壊していると、親御さんとしても辛いと思います。
ですから「今は全然平気!」と感じていても、将来の自分やお子さんのためにもしっかり休みを取ることをおすすめします。
発達障害の子を持つ親が休みを取るためのポイント・休み方の5つのコツ
続いては発達障害のお子さんがいる家庭で、親が無理なく休みを取るためのポイントや、しっかり休む(休みの質を上げる)ためのコツをいくつか挙げていきます。
「休みを取るなんて無理」と感じるかもしれませんが、工夫すれば休みを確保するのはそれほど難しくないはずです。
1:有料のサービスを積極的に使って「自分の時間」を確保する
例えば、食事の宅配サービス、家事代行ヘルパー、各種送迎サービスなどを使えば、親は「自分の時間」を作って休むことができます。もちろん大抵のものは有料ですが、休みはお金を使ってでも作る価値があります(支援系サービスには無料のものもあるかもしれませ)。
特に食事の宅配サービスを使えば、お子さんとしては普段あまり食べられないものを楽しめますから良いイベントになることでしょう。パーティーのような雰囲気にすれば親子でコミュニケーションを取る機会にもなります。
2:家族や親戚などにもサポートしてもらう
もちろん家族や親戚などにもサポートしてもらいましょう。「家族ならまだしも親戚は……」という方もいると思いますが、思い当たる親戚に対してきちんとお子さんのことや諸々の事情を説明してあるでしょうか。
改めて発達障害やお子さんの特性、親が休むことの意味などを丁寧に伝えれば、理解して手助けしてくれるかもしれません。
3:延長保育、預かり保育、託児所なども活用する
保育園の延長保育や預かり保育などが登録制である場合は、前もって登録しておくことをおすすめします。さらに急な預かり保育にも応じてくれる託児所も見つけておくといいでしょう。そして休みたいタイミングでお子さんを預けます。
延長保育や預かり保育などは非日常感があり、お子さんにとってもリフレッシュになるかもしれません。
4:「ちょっとだけでも家事をしよう」はできるだけやめる
「完全に休むのは気が引ける」「完全に休むと明日から切り替えるのが大変」などの理由で、少しだけでも家事などをしたくなるかもしれませんが、あまりおすすめしません。現実的には難しいでしょうが「完全に休む」ことができてこそリフレッシュしやすくなるからです。
5:できるだけ「本来しなければならない作業」を後回しにせずに休みを迎える
「本来しなければならない作業」がある状態で休みを迎えるのと、ない状態で休みを迎えるのとではメンタルの安らぎ方が大きく変わります。
これについても完全にすべてを片付けてから休みに入るのは難しいと思いますが、少なくとも「これを放置したまま休みを迎えたら気になってしまう」と感じる作業については終わらせておくことをおすすめします。
まとめ
発達障害のお子さんを持つ保護者の方もきちんと休むことにより、結果的にお子さんのためになりますし、自分自身の将来的な健康を保つことにもつながります。周りの人やサービスを活用して「良い休み」を取ってリフレッシュしましょう。