発達障害の子が夜寝る前に親がするべきことは?|入眠時の4つのポイント
株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役
上岡 正明 (かみおか まさあき)
大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。
> 監修者の詳細はこちらこの記事では発達障害のお子さんが夜寝る前に親がするべきことなどについて解説していきます。
「子どもが朝起きるといきなりイライラしている」「なかなか入眠せずに困っている」という方は少なくないと思います。
そこで本記事では、発達障害のお子さんの感情を寝る前に落ち着かせることの重要性や、寝る前に親がするべきことや心構えなどに関してお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。
寝る前にお子さんの気持ちを落ち着かせることの重要性|発達障害ケア
寝る前に何らかの理由でイライラしていても大人は寝ることでリセットされるケースが多いです。しかしお子さんは寝ても切り替わらないことが少なくありません。寝るということは大人が「リセット」なら、子どもは「寝る前に一時停止→起きたら続きを再生」というイメージです。
特に発達障害のお子さんの場合、朝の準備にも手間取る傾向にあり、そこに「昨日のイライラ」が付いてくると本人としてもサポートする親としても大変な思いをすることになります。
なので寝る前にお子さんの気持ちを落ち着かせることが大事です。親も人間ですから、日中に感情的に怒ってしまうことがあるのは仕方ありません。ですが寝る前に限っては、翌朝のために怒る気持ちをできる限り我慢することをおすすめします。
「発達障害のお子さんの寝る前」に関する4つのポイント
それでは「発達障害のお子さんの寝る前」についてのポイントをいくつか挙げていきます。どれも大事なことですから、できる範囲で取り入れていただきたいと思います。
「翌朝を気持ちよく迎えるために」ということはもちろんですが、発達障害の子どもの約半数は睡眠障害であるというデータもありますから、少しでも質の高い睡眠を取らせるためにも気を配りましょう。
1:怒った日は寝る前に清算する(子どもの機嫌を見ながら)
怒った日は寝る前に清算しましょう。例えば以下のような方法でわかりやすく愛情を伝えます(発達障害のお子さんは気持ちを察したり空気を読んだりすることが苦手な傾向にありますから、わかりやすく伝えることが大事です)。
- 「怒っちゃってごめんね。でも大好きだよ」と言って抱きしめる
- 「今日は○○を頑張ったね」といつもよりしっかり褒める
- 「○○君はかわいいね」と頭を撫でる
ただ、お子さんの機嫌を見ながら行うことが大事です。お子さんが怒られたことを忘れていたり何らかの理由で上機嫌になっていたりする場合は、これらのことをせずに穏やかに寝かせた方がいいかもしれません(普段から一緒にいる親の観察眼の見せどころです)。
2:寝る前に「今日の反省会」をしない
お子さんが寝る前に今日あったことを軽く話す家庭も多いと思います。ただ、今日あった楽しい話であればしても構いませんが、寝る前には「今日の反省会」はしないようにしましょう。お子さんが嫌な気分になってしまうからです。
それに発達障害のお子さんの場合、寝る前くらいのタイミングには日中あったことを鮮明には思い出せなくなっている可能性もあります。なのでお子さんが何か粗相をした場合は、その場ですぐに注意することが大事です。
3:毎日同じ「入眠の儀式」をする
毎晩(でなくても構いません)同じ入眠の儀式をすることで「寝るモード」に入りやすくなります。お子さんのテンションが上がり過ぎない行為であれば何でもOKです。例えば
- 楽しい漫画を読む
- 絵本を読み聞かせる
- 簡単にしりとりをする
- 親が背中を撫でる
などです。なお寝る前にホットミルクなどを飲むとリラックスしやすいですが、トイレが近くなりますから、もし飲むなら夕食の直後くらいにして、寝る前に必ず一回はトイレに行かせましょう。
4:なかなか眠れない日は開き直るのもおすすめ
たとえ毎日規則正しい生活を送って日中に身体を動かしていたとしても、なかなか眠れない日はあります。これは発達障害であってもなくても、お子さんでも大人でも同じことです。
そして眠れないからといって親が焦ったり無言のプレッシャーをかけたりすると、お子さんが焦ってしまい、さらに眠れなくなる可能性が高いです。そのためお子さんが眠れない日は、ときには開き直ってある程度自由にさせることも検討しましょう。
そもそも毎日「入眠時間」や「睡眠時間」を揃える必要はありません。また、お子さんの睡眠に関して親がそこまで労力を割かなくなれば、その分のエネルギーを他の家事などに回すこともできます。
まとめ
お子さんの中には寝ても気持ちがリセットされない子も多く、特に発達障害の場合は「ただでさえ朝はバタバタしているのに、昨日のイライラを引きずる」ということで最悪のコンディションになる可能性もあります。
そのため寝る前に親がお子さんの気持ちを切り替えてあげることが大事です。そして、一日くらいなかなか眠れない日があっても直ちに問題になることはまずありませんから、気楽に構えましょう。