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発達障害のお子さんがぶつかることが 多い理由と改善方法

発達障害のお子さんがぶつかることが 多い理由と改善方法
この記事の監修
上岡 正明

株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役

上岡 正明 (かみおか まさあき)

大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。

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この記事では発達障害のお子さんが人・物にぶつかることが多い理由などについて解説していきます。

「いつかケガをしそうで心配」「いくら注意してもたびたび物にぶつかってしまう」などと悩んでいる方は少なくないと思いますが、注意するだけでは改善しない可能性が高いです。

そこでこの記事では発達障害の方が物にぶつかることが多い原因や、それを改善するためのトレーニング方法などに関して紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

発達障害のお子さんがぶつかることが多い3つの理由

まずは発達障害のお子さんが人・物にぶつかることが多い理由を3つ挙げていきます。他にも色々な原因が絡んでいるかもしれないものの、この3つに注目して改善することができれば、物にぶつかる頻度を減らしていくことが可能です。

1:ボディイメージ能力が低い

ボディイメージ(能力)とは、自分の身体の大きさがどれくらいか、今どこからどこまで自分の身体があるか(車で言うところの車幅感覚に近いです)、身体がどれくらい傾いているか、身体にどれくらい力が入っているかなどを、自分自身で認識する能力のことです。

人間は意外と「自分の身体が今どこにあるか」を正確に理解していないものであり、例えば、目の前に1円玉を置く(見ておく)→目をつぶる→取ろうとすると、苦戦する人が少なくありません。

ただ、多くの人は生活する上での許容範囲内ではあるため、物にぶつかる、物を取り損ねるなどのことはあまり発生しません。ですがボディイメージ能力が低すぎると認識が大きくズレて、物にぶつかるなどのことが多くなりやすいのです。

2:空間認知能力が低い

空間認知能力とは自身の周囲の状況や空間を把握する能力のことです。一例として飛んできたボールをキャッチしたり、前から歩いてくる人を避けたり、障害物にぶつからずに走ったりすることにもこの能力が関係しています

ボディイメージ能力は大まかに言うと「自分の身体の位置を把握する能力」ですが、空間認知能力は「周囲について把握する能力」ですから別物と言えます。

ただ、運動を通してそれぞれの能力を並行して鍛えていくことができますし、両方の能力があってこそ物にぶつかることが減りますから、切り離して考えるべきものではないと言えます。

3:視力の問題

発達障害は直接関係しませんが、視力の影響でぶつかりやすくなっている可能性もあります

小さなお子さんであっても視力が低い場合はありますから、前回の検査から長い期間が空いているのであれば一度視力検査を受けさせることをおすすめします。急激に視力が低下するケースは少なくありません。

発達障害のお子さんがぶつかる頻度を減らすための2つのトレーニング方法

それでは発達障害のお子さんがぶつかる回数を少なくするためのトレーニング方法を2つ挙げていきます。

トレーニングとはいっても単なる訓練のような雰囲気になるとお子さんのモチベーションが上がりません。そのため、あくまで遊びの一環として取り組めるように工夫することが大事です。

1:トンネルくぐり遊び

これは家の中に小さなトンネルを作って、ぶつからないようにくぐる遊びです。「ぶつからないように」という意識を持って身体を動かすことで、ボディイメージ能力や空間認知能力を鍛えていくことができます。

また、ぶつかったとしても「今度こそぶつからないためにはどうすればいいか」と考えて動くことになりますから、やはりトレーニング効果が得られます。

なおトンネルといっても段ボール、フラフープ、イスやテーブルの脚などで簡単に作ることができます。ただしぶつかっても問題のないように、尖った部分がないようにするなどの工夫はしましょう

2:キャッチボール

飛んでくるボールをキャッチすることで、動いているものを目で追う練習ができます。これによって前から歩いてくる人を避けたり、「自分がどう動くと前方の物を避けられるか」をイメージして実際に避けられるようになったりしていきます。

ただ、いきなりキャッチすることが難しい場合は、まずはボールにタッチする(手で弾く)ことを促してみることをおすすめします。もちろんお子さんが触りやすいようにボールをコントロールすることも大事です。

そして慣れてきたらボールのスピードを速くしたり、キャッチすることにチャレンジさせたりしましょう。なお大きくて柔らかい、ハッキリした色のボールを選ぶとキャッチボールをしやすくなります。

まとめ

人や物にぶつかることが多い発達障害のお子さんが少なくない理由や、改善するためのトレーニング方法などを紹介しました。スポーツの練習などと同じくすぐに効果が出るようなものではありませんから、コツコツ続けていくことが大事です。

「いかにも訓練のような雰囲気」にならないことも重要ですから、お子さんと一緒に遊び感覚で取り組んでみてはいかがでしょう。

この記事を書いた人
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運営事務局 / ライター

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