発達障害の「思ったことを口に出す」をケアする7つの方法・ポイント
この記事では、発達障害のお子さんの「思ったことをすぐに口に出す」という性質をケアするための方法やポイントなどについてお伝えしていきます。お子さんについて「言い方がきつい・言わなくてもいいことを言う」「でも言いたいことは言えるという長所は残したい」とお悩みの方は少なくないと思います。
そこで本記事では、発達障害の子の思ったことを口に出す傾向についての簡単な解説、そしてその性質を和らげていくための方法や、具体的なサポートのポイントについて詳しく解説します。
発達障害の子は思ったことを口に出す傾向がある
発達障害のお子さんの中には「衝動性がある」「相手の気持ちを想像できない(するつもりがない)」「暗黙の了解がわからない」などの理由から、思ったことをすぐ口に出してしまう人が少なくありません。
もちろんトラブルを招きかねませんし、そうでなくても人間関係に影響する可能性がありますから保護者の方がケアしてあげたいところです。
思ったことを口に出せるのは長所でもあります。バランス良くケアしましょう
ただ、「自分の意見を言えない人」「空気を読んでしまって、困っている人を助けられない人」などもいることを考えると、思ったことを口に出せるのは長所でもあります。
そのため思ったことを口に出せるという強みは残しつつ、生きやすくなるためにバランス良くサポートしていくことをおすすめします。極端に言えば「あなたは何を言うかわからないんだからできるだけ喋らないで!」などと言うのは絶対にNGです。
発達障害の「思ったことを口に出す」を直していく7つの方法・ポイント
それでは発達障害のお子さんの「思ったことを口に出す」を直していくための方法やポイントをいくつか紹介していきます。7つもありますので、できそうなこと・必要なことから優先して取り組んでいただければ幸いです。
1:まずは「思ったことを口に出すと相手が傷付くかもしれない」と教える
お子さんが小さい場合、「思ったことを言うと相手が嫌がる可能性がある」という、大人からすれば常識的なことも理解していないかもしれません。特に発達障害の子は「周りからなんとなく学ぶこと」が苦手な傾向にあるため、ある程度年齢を重ねても理解していない場合があります。
そのため、ストレートに「あなたが思ったことをそのまま口に出したとしましょう」「それで相手が傷付くかも」「だから発言する前に言って良い言葉なのか考えることが大事だよ」などと教えることをおすすめします(お子さんの年齢や性格によって言い方を調整してください)。
「叱るついで」には言わないようにしましょう
この言い聞かせは「叱るついで」ではなく、普通のタイミングで言いましょう。(親が冷静な話し方でも)叱られている際、お子さんは気が動転していていまひとつ話が入ってこない可能性があるためです。
今回のテーマに限らず「叱りながら何となく大事なことを言う」のは基本的に良くないので気を付けてくださいね。
2:「こういうときはどう話せばいいかな?」と例をたくさん紹介する
「だからよく考えてから話そうね」だけでは、お子さんの思ったことを口に出す癖はあまりなくなりません。なぜなら、具体的にどのようなシチュエーションでどう話せばいいかはわからないからです。
そのため「こういうときはどう話せばいいかな?」と例をたくさん紹介するのがおすすめです。例えば以下の通り。
- そろそろ順番を代わってほしい→そろそろ代わってくれませんか?(代わってよ!と怒鳴らない)
- 肩にゴミがついている→なにかついていますよ、相手の肩を指さす(ゴミついてる!と笑わない)
- 何かを断りたい→嬉しいんだけどちょっと都合がつかないです(無理!で片づけない)
遠回りに見えるかもしれませんが一つ一つ教えていくのが結局は近道だと思います(慣れてくるとお子さんとしてもだいたい傾向がつかめますからね)。また、できれば「代わってよ!って怒鳴ると相手が怖がる」「嫌われるかも」と理由もつけましょう。
3:親子で会話の練習をしてみる
ある程度お子さんに「こういうときどう話すべきか」を教えたら、それを踏まえて親子で会話の練習をしてみましょう。
お子さんがうまく返せたら「うん、それなら仲良しのままでいられるね、いい話し方だよ」などと褒めますし、直してあげたい場合は「それだと相手は○○だと思って傷付くかも」「□□と言ってあげよう」などと修正します。
4:相手の気持ちを考える練習をする
2~3の学習やトレーニングを積んで「お子さんの思ったことを口に出す」が減ってきたら、その先の段階の相手の気持ちを考える練習を始めることをおすすめします。これもわからなければできないことですので、例えば以下のようなことを教えます。
- 「悲しいなあ」と言っていても相手が笑っていれば、冗談や照れ隠しである可能性が高いよ
- 「あ、大丈夫……」って言っていても相手が苦しそうなら本当は嫌なのかも
- 「今度遊びに行こうね」は「遊べるくらい仲が良いよね」という確認だから、「じゃあいつ遊びに行く?」と聞くべきじゃないよ
このようにしてある程度学習させたら、親子で会話のトレーニングをして「3」で解説したように、「こういう場面で・こういう表情でこう言ったとき、相手はどう思っているか」などを当てさせます。楽しめるようにクイズ形式にするのもいいですね。
5:相手の表情を見て話す練習をさせる
発達障害のお子さんの中には相手の表情や反応を見ずに(あまり目を合わせようとせずに)、話してしまう子も少なくありません。これについても「相手の顔を見て話そうね」「その方がお互いに気分がいいよ」などと明確に教えることをおすすめします。
創作物からも学べます
お子さんの好きな漫画、アニメなどからも「このキャラはなんでこういう行動をしたんだろうね?」と話し合うことで、トレーニングができます。いわゆる「子ども向け」に分類される作品の中にも、大人でも考えさせられるものは意外と多いので探してみてはいかがでしょうか。
6:一度紙に書いてから相手に伝える
一度紙に書いてから相手に伝えるようにすることで、「言葉選びを間違わない」「情報が正確に伝わる」などのメリットが得られます。普段の会話ではなかなかできないことだと思いますが、例えば何か重要事項を相手と確認し合うときなど、改まったシーンでは有効です。
また、事情を知っている親との会話では、一例として「今日あったことを紙にまとめてから親に伝えるトレーニング」などをするのもいいでしょう。良い練習になります。
7:黙っているという選択肢もあると教える
このようにしていろいろと教えていると「何か思ったら必ず口に出す必要がある」と思ったり、そのような習慣がついたりする可能性があります。そのため「黙っているという選択肢もあるんだよ」と教えてあげることをおすすめします。
「黙っていていい場面」としては例えば以下のものがあります。
- 友達二人が少し揉めているとき(口を出す必要はない)
- 友達の服装が奇抜に見えるとき(意見を言う必要はない)
- 友達と少し沈黙が続いたとき(常に話し続ける必要はない)
特に上2つのように「自分が何か言うような領域ではないとき」に黙っているスキルは重要なので、「あなたに関係のないことだったら無理に口を挟む必要はないからね」とも教えておくといいでしょう。
まとめ
発達障害のお子さんの「思ったことを口に出す」を和らげていくためには、今回紹介したような論理的なサポートが有効ですので、できることから取り組んでみてくださいね。
また、「相手のことを考える」「相手の表情を見る」などは発達障害であってもなくても、子どもでも大人でも簡単なことではありません。当然やり方を間違える場合もあるので、穏やかにサポートしてあげてくださいね。「失礼は絶対にNG」ではなく、「失礼をしたら謝る」の精神です。