不登校のお子さんが通信制高校を選ぶ4つのメリットと4つのデメリット
この記事ではお子さんの不登校で悩んでいる保護者の方々に向けて、通信制高校を選ぶことのメリットやデメリットなどについてお話ししていきます。
特に通信制高校が選択肢にあるものの詳しいことはあまり知らないという方や、お子さんが通信制高校を希望しているものの不安を感じているという方におすすめの内容となっています。
本記事では通信制高校の概要、メリットとデメリット、そして通信制高校への進学を検討するにあたっての心構えなどに関してお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
通信制高校とは
通信制高校とは、毎日学校に行くのではなく、自宅でレポートを作って提出する形式の勉強をメインとした学校のことです。教科書を読んで課題を解いてレポートを作るため教科書の内容を習得できます。
また、通信制とはいえ、先生からの直接指導や面談などのために学校や会場に登校することも。そしてレポートだけで済むのではなく、日々の勉強の成果をチェックするために単位認定試験、つまりテストも受ける必要があります。
卒業すれば、全日制・定時制などと同様の高校卒業資格を取得できるので、不登校のお子さんやその保護者からも注目されることが多いです。
不登校のお子さんが通信制高校を選ぶことの4つのメリット
それでは不登校のお子さんが進学で通信制高校を選ぶことの主なメリットを挙げていきます。
メリット1:全日制高校よりも受験がとても簡単
ほとんどの通信制高校は、全日制高校と比べて受験がとても簡単です。あるのは書類選考、面接、400~800字ほどの作文くらい。だからこそ不登校で困難な状況にある保護者やお子さんに選ばれることが少なくないのですね。
一般的な筆記試験もない通信制高校が多いですが、あっても中学生の基礎レベルの問題が大半である場合がほとんどです。
メリット2:マイペースで勉強などに取り組める
通信制高校の一番のメリットは、全日制や定時制よりもマイペースで勉強などに取り組めることでしょう。授業は月2~10回ほどのスクーリング、つまり登校して受ける形式の授業と、レポート提出、そして試験がメインです。
そのため不登校が続いていたなど、通学や長時間の授業を受けることが難しいお子さんでも、無理なく高校卒業資格の取得を狙うことができます。
ちなみに、なんらかの事情で本人が積極的にアルバイトをする必要がある、もしくはスポーツや芸能活動に力を入れている人などが通信制高校に通うケースもあります。
メリット3:費用が安い
通信制高校は費用が安い傾向にあります。公立高校なら3年間でトータル10万円ほどの費用で卒業できますし、私立でも3年間で30~70万円くらいです。ちなみに私立の方が充実した学習サポートや進路指導を受けやすいです。
そのため不登校のお子さんのサポートなどで財政的に苦しい状態にあった家庭でも、通信制高校であれば無理なく利用できるかもしれません。
メリット4:不登校のお子さんの対応に慣れている通信制高校も多い
通信制高校は、お子さんやその保護者が相談できるカウンセラーが在籍している場合がある、インターネットでレポート提出できるため登校日数が少ないなど、不登校のお子さんでも通いやすい傾向にあります。
また、そもそも不登校のお子さんの対応に慣れている場合も多いため、全日制や定時制の高校に少なくない不登校児への無理解で悩まされる可能性は低いといえます。
さらに資格取得や体験学習への積極的な通信制高校もあり、高校を出たらすぐに就職したい、不登校などもあって将来の想像がしにくいなどの状況にあるお子さんへのサポートが充実しているところも少なくありません。
各種サポートは私立の通信制高校の方が手厚い傾向にある
先ほども触れましたが、こういった各種サポートは私立の通信制高校の方が手厚い傾向にあるので、比較検討をしながらどこに通うか選ぶ、もしくは通信制高校自体を選ぶ・選ばないの判断をしましょう。
不登校のお子さんが通信制高校を選ぶことの4つのデメリット
続いては不登校のお子さんが通信制高校を選ぶことの主なデメリットを紹介していきます。メリットだけを見れば不登校児にはこの上なく適していると感じるかもしれませんが、気を付けるべきことも少なくありません。
デメリット1:学力が身に付かない場合もある
例えば通信制高校のレポートですが、教科書の内容を理解しなくても書き写すだけでなんとかなってしまう場合が少なくありません。また、試験についても極端に簡単で、あまり勉強しなくても突破できるケースが珍しくありません。
高校卒業資格さえ得られればいいなら、むしろメリットと言えるでしょう。しかし特に不登校で満足に勉強できなかったからこそ高校では頑張りたいと思っているのであれば、楽な方に流されずに自分でモチベーションを保って取り組む必要があるといえます。
ただし通信制高校だけの注意点ではありません
ただし上記は通信制高校だけの注意点ではありません。確かに全日制や定時制の方が全体的な難易度は高い傾向にあるものの、それでもテストに出る部分だけ勉強する、クラスメイトや先輩のレポートをほぼ丸写しにするなど抜け道がないわけではありません。
また、留年の対応が面倒、学校や教員の評価・評判を下げたくないなどの理由で、本来は留年させるべき学力の生徒でも進学させるケースもかなり多いです。
よって通信制高校に進学したからといって必ず学力が身に付かないなどと思い込まず、そして投げやりにもならず、お子さん自身が熱心に勉強に励むことが重要といえます。
デメリット2:自分で計画を立てて勉強を進めなければならない
全日制や定時制なら学校のカリキュラムに沿って勉強すれば、ほぼ自動的に卒業できますが、通信制高校の場合は、自分で時間を作り、スケジュールを組んで、自発的に取り組まなければなりません。
このハードルは決して低くはなく、途中でやめてしまう人も少なくありませんし、そうでなくても卒業までに時間がかかるケースも珍しくありません。
そのため特に、不登校が続いて自宅などでの勉強があまりできなかった場合は、何かサポートを付けないと通信制高校に進学しても同じことが続いてしまいかねません。よって例えばサポート校や塾なども併用する、高校側に積極的に相談するなどの対応も検討するべきです。
デメリット3:人との関わりが少なくなりやすい|ただし濃い交流ができる場合も
週に1~3回登校する通信制高校が多いですが、中にはほぼオンラインのみのところもあります。また、クラスなどもハッキリしていない場合が大半であり、全日制や定時制に比べると同年代のお子さんや先生とコミュニケーションを取る機会が少なくなる傾向にあります。
そのためいざ社会に出てから人間関係で悩むことが増えたり、少しのいざこざやストレスで転職・離職などを考えてしまう可能性も否定はできません。
ただ、不登校が続いた理由が人間関係以外にあった場合はやや異なります。例えば、勉強についていけない、なんとなくやる気が出なかったなどの理由で学校に行かなかったのであれば、この点はあまり問題にならないかもしれません。高校生ですし、すでに基礎的な対人スキルや耐性が十分に付いているお子さんも多いはず。
通信制高校ならではの濃い交流ができる場合も
通信制高校ならではの濃い交流ができる場合もあります。例えば、他にも不登校を経験している同年代のお子さんがいて話が合う、悩みを相談できるなど。また、自由な時間が多いため、本当にやりたいボランティア活動をはじめとする各種活動によって、人間関係を広げることもできるかもしれません。
もちろん必ずこういった環境に恵まれるとは言い切れませんが、人とのコミュニケーションを積極的に取りたいもののあまり多くの人と関わるのは不安という方は、通信制高校を検討するのもいいでしょう。
デメリット4:就職活動で不利になる場合がないわけではない|有利になることも
まず通信制高校の就職率は全日制高校と変わらないどころか、むしろ高いくらいです。
ただし一部偏見を持っている企業もあるという意味では就職活動で不利になる可能性を完全に否定することはできません。また、全日制と比較すると学校に直接届く「指定校求人」が少ない傾向にあるため、それを目当てに通信制高校を選ぶと目論見が外れるかもしれません。
さらにいうと、面接練習、履歴書作成、企業選定などに関して、自分から積極的に先生に相談しないとあまりサポートを受けられないケースがあります。ただ、これについては全日制高校や四年制大学などとあまり変わらないかもしれませんね。
むしろ有利になることも
ただ、企業によっては通信制高校の学生ならではの自主性を高く評価する場合もあります。また、日中の時間を自由に使えるので、資格を取る、アルバイトで経験を積むなどして、就職活動に備えることもできるかもしれません。
メリットは多いものの消極的な理由で通信制高校を選ぶのはおすすめしません
お伝えしてきたように通信制高校にはメリットも多いので、学びたいことが明確にある・学ぶ方法もわかっている、卒業後の明確なビジョンがあるなどの場合は選択するのもいいでしょう。また、そういったものがなくてもモチベーションが高いなら入学してから目標などを見つけられるかもしれません。
ただ、消極的な理由で通信制高校を選ぶのはおすすめしません。例えば以下のような流れが考えられますね。
- 小中学校で不登校が続いている
- 通信制高校の存在を知る
- 通信制高校に入ればいいと決めて、あまり考えずに不登校を続ける
- 通信制高校に入学する
- 通信制高校でうまくいかなくなる
具体的には入学してからやる気が続かず通信制高校を途中でやめてしまう、かろうじて卒業できてもその後で困るなど。
通信制高校以外の選択肢も検討する
ぜひ通信制高校以外の選択肢の検討もおすすめします。通常の小中学校に復帰すれば義務教育ならではのメリットが様々に得られますし、全日制や定時制の高校に進学することも視野に入ることでしょう。
また、フリースクールなどに通う方法もあるので、必要に応じて通信制高校とフリースクールなどの比較検討もしてみてくださいね。
まとめ
不登校のお子さんにとって通信制高校は有力な選択肢の一つになるでしょう。受験が簡単で、入学後はマイペースで勉強でき、就職についても高いモチベーションで戦略的に取り組めば全日制や定時制よりも特別に苦労するなどということはないはずです。
ただ、通信制高校にはデメリットも多く、本人にやる気やビジョンがなければ途中でやめてしまったり、卒業できても通常より時間がかかったりする恐れがあります。そのためまずは、通信制高校に通う以外の進路についても調べて、様々に比較検討するのがおすすめです。