不登校のお子さんを見守るだけでは学校に復帰しにくい4つの理由
この記事ではお子さんの不登校で悩んでいる保護者の方々に向けて、お子さんを見守るだけでは学校に復帰しにくい理由などについてお話ししていきます。特にひとまずゆっくり休ませて様子を見るべきとお考えの方や、見守るだけでは解決しないと感じつつも、その理由が分からない方におすすめの内容となっています。
本記事では、見守るだけでは復帰できない可能性が高いということ、それでも見守るだけになりやすい原因、復帰しにくい理由、そして見守るだけの状態を長期化させないための基本の考え方などに関してお話しますので、ぜひ参考にしてください。
不登校のお子さんを見守るだけでは学校に復帰できない可能性が高い
特に日本では不登校のお子さんへの対応が、とりあえず見守るだけになりがちです。スクールカウンセラーやその他の専門家でさえ、少し様子を見ればまだ元気になって学校に行ける、という内容のアドバイスをすることが多いようです。
ただ、例えば近年のアメリカでは見守るだけでは解決しないという考え方が主流になっています。認知行動療法、行動療法、応用行動分析など、具体的なやり方を取り入れ、かつお子さん自身にも積極的にアクションをさせることで、復帰を目指すケースが多いようです。
しかし日本ではいまだに、ひとまず見守って本人にエネルギーが溜まるのを待つ、という選択がされる場合が大半となっています。ですが、その方法で再び学校に行けるお子さんは少ないと言わざるを得ません。
行動療法の簡単解説
行動療法のベースは、学習を積み重ねた上で人の行動は発生するという考え方です。そのため行動療法では、意図的に好ましい行動を増やす・良くない行動を減らす、ということに取り組みます。認知行動療法や応用行動分析の解説は省略しますが、いずれにしても見守るだけというスタンスとは全く違いますよね。
不登校のお子さんを見守るだけになってしまいやすい3つの原因
続いては不登校のお子さんを見守るだけになってしまいやすい主な原因を挙げていきます。見守るだけになりやすい背景を理解すれば、その状況を避けやすくなるかもしれませんよね。
原因1:一時的に気持ちは楽になるから
お子さんを休ませ、保護者は見守りながら復帰を待つ。積極的な行動は取らないので、どちらの気持ちも楽になりますし、いつかまた学校に行けるようになると信じれば不安になることもあまりないはずです。
しかし、見守れば大丈夫、というのは厳しい言い方をすれば一種の逃避行動。もちろん逃避行動のすべてが悪いわけではないのですが、それだけでは物事は解決に向かわないケースが大半です。
原因2:積極的な行動が逆効果になる気がするから
見守るだけでは何も解決しないという考えが浮かんだとしても、積極的な行動が逆効果になってさらにお子さんを学校から遠ざけたり、引きこもらせたりするのではないかと思う保護者も少なくないようです。
そして見守るだけなら状況が悪化することなく、しかも時間が解決してくれると思い込んでしまう、もしくは解決してくれると願ってしまうのですね。
原因3:傷付いている、苦しんでいるお子さんを休ませたくなるから
見守るだけでは解決しないという考えを持ち、具体的にどのようなサポートをすれば学校への復帰が望めるのか調べて、ある程度理解する保護者も少なくありません。
しかしそれでもなお、傷付いている・苦しんでいるお子さんを見ると、何も言わずに休ませたくなる。露骨な言い方をすればしばらく甘やかしたくなる方も多いようです。
不登校のお子さんを見守るだけでは学校復帰しにくい4つの理由
続いては不登校のお子さんを見守るだけでは学校に復帰しにくい主な理由を挙げていきます。すでに少し触れている部分もありますが、改めて整理していきましょう。
理由1:復帰に向けて何か具体的に動けているわけではないから
見守るだけの期間を決めているならまだしも、そうでなければ何も具体的に動かないまま月日だけが過ぎていくのみですよね。
これに限らず不登校が続いているお子さんをサポートする上では、なんとなくの印象だけで考えず、後の復帰につながる形の手助けができているかを常に念頭に置くのが重要といえます。
理由2:学校に行かない状況に慣れてしまう|外の世界への警戒心が高まる
学校を休み始めてしばらくのうちは、お子さん自身も少しゆっくりしたら復帰しようと考えるでしょう。しかし徐々にその意思も薄くなり、いずれは学校に行かない状況にほぼ完全に慣れてしまう可能性があります。
ほとんどのお子さんにとって学校に行くことよりも、家で好きなことをし続ける方が楽なので、そうなるのも当たり前の流れですよね。
また、不登校になるお子さんの多くは学校内など外の世界への警戒心や恐怖を抱いているでしょうが、不登校が続くうちにそれをさらに強めてしまう可能性もあります。引きこもりやそれに近い状態になれば、学校とは無関係の場所でも、自宅以外なら怖くなる恐れも。
理由3:学校に行くことがすべてではないという価値観が浸透しすぎている
不登校対応などの専門家に相談しても、学校に行くことがすべてではないので他の可能性にも目を向けるべき、まずは家でゆっくりと自分を見つめ直すべき、などと言われるケースが少なくありません。
そういった言葉はあまりにも聞こえが良く、悩むお子さんや保護者にとっても救いに思えるので、そのまま不登校を続けてしまうかもしれません。
ただ、実際には学校に行かないことで、勉強や運動、クラスメイトと話すこと、集団生活などの機会を失うことになるので、安易に甘い言葉に耳を傾けるべきではないと言えるのではないでしょうか。
理由4:見守るだけではデジタル依存になりやすい
多くの家庭はしばらく見守るといっても、単にお子さんに家で好きなことをさせ続けることになりかねません。
そして手持ち無沙汰になったお子さんの中にはデジタル依存になる可能性が少なくありません。つまりオンラインゲーム、YouTube視聴、SNSなどに没頭してしまうということですね。
依存すれば昼夜逆転など生活リズムが崩れて、さらに学校への復帰が難しくなりかねませんし、場合によっては保護者とのコミュニケーションさえ希薄になってしまう可能性もあります。
見守るだけの長期化を避けるには早めに専門家に相談するのがおすすめ
それでもお子さんの様子や状況によっては、不登校になってから短期間は見守るだけ、お子さんには好きなことだけをさせるのも一概に悪い選択とはいえません。本当に精神的な休息が必要な場合もあるからです。
ただ、長引いてしまえばここまで解説してきた問題が発生する可能性が高いので、事前に見守るだけの期間を決めておき、早めに具体的に動き出すことをおすすめします。例えばスクールカウンセラーや学校外の専門家に相談するなどですね。
ちなみに見守るだけの期間としては数日から2週間くらいがいいでしょう。それ以上長くなると、休むことに慣れてしまい、復帰が難しくなる傾向にあります。
長期的な不登校でも復帰は望める
ただ、数か月~1年以上など長期的な不登校であっても復帰は望めるのでご安心ください。短期間の不登校の場合と同じく、スクールカウンセラーや専門家などに相談するのがおすすめです。
期間が長くなったので後はいくら休んでも変わらない、などと考えているとさらに登校が難しくなりかねないので、投げやりにならずにお子さんと保護者で取り組んでいきましょう。
お子さんが万全な状態になることはないと考える
また、復帰を目指すにあたって、お子さんが万全な状態になることはないと考えておくのがおすすめです。そもそも何をもって万全とするかの定義もありませんし、毎日登校しているお子さんでも多かれ少なかれ日々なんらかの困難を抱えたままで生活しているのではないでしょうか。
まとめ
不登校のお子さんをとりあえず見守る、というのがあまりにも聞こえが良く、一時的には精神的にも楽になるので、ついそういった選択をしてしまいがちです。ただ、その期間が長引くほど復帰が難しくなる傾向にあるので、見守るにしても事前に期間を大まかでも決めておくのがおすすめです。
基本的に単に休むだけでは再び登校するためのエネルギーが溜まることはなく、むしろデジタル依存などに陥って状況が加速度的に悪くなっていく恐れもあります。そのため、ぜひお子さんと一緒に「具体的に」取り組んでいくことを考えてくださいね。