本当に発達障害の子は増加している?|増えているならどう考えるべき?
この記事では、発達障害の子どもは増加しているのかということについて解説していきます。
「自分が子どもの頃に比べると発達障害という言葉をよく耳にするようになった」「一昔前に比べて増えているのだろうか」と疑問に感じている人は少なくないと思います。そこで本記事では、本当に発達障害のお子さんは増えているのか、その理由や現状の捉え方について詳しくお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
本当に発達障害の小中学生は増えている?
それでは「発達障害の可能性のある小中学生」は増えているのかどうかについて解説していきます。
増えていると考えるのが妥当
文部科学省が全国の公立小中学校の通常学級を対象に実施した調査では、「発達障害の可能性のある生徒はどれくらいいるのか」という調査が行われています。2002年、2012年、2022年と10年ごとに実施されており、結果は以下の通りです。
- 2002年:6.3%
- 2012年:6.5%
- 2022年:8.8%
上記はあくまで「発達障害の可能性のある生徒」です。そして、「実際に発達障害という診断を受けている子ども」の比率も2007年度は2.01%でしたが、2014年度には3.33%にまで増えました。
データの取り方にもよるものの明らかに増えている
すでに触れた通り「発達障害の可能性のある生徒」を見るのか「発達障害と診断されている子ども」を見るのか、もしくは他の基準で考えるのかにもよって、数値や推移は変わります。
ただ、どのようにデータを見ても「発達障害の子どもの割合」は明らかに増えていると言っていいはずです。
発達障害の子どもが増えている2つの理由
それでは発達障害の子どもの割合が増えている理由とされているもののうち、特に有力視されているものを2つ紹介します。
1:「発達障害」というものの認知度が上がったため
「発達障害というものが広く知られるようになった」「だからこそ発達障害であると考えて診断を受ける人などが増えた」ということです。わかりやすく言えば「A」という障害が有名になれば、それだけ「自分はAである」と認識する人も増えるということです。
つまり、「日本人の体質が変化して発達障害の子が多く生まれるようになった」ということではなく、「日本人そのものは(あまり)変わっておらず、単に人々の認識が変わった」と言えます。
これに限らず「定義されるからこそ広まる」「有名になるからこそ増える」ということは発達障害などについて考える上で重要な視点になりやすいですから、ぜひ覚えておいてくださいね。
2:低出生体重児の生存率が上がったため
「低出生体重児(2500グラム未満で生まれる赤ちゃん)」は平均的な体重で生まれた赤ちゃんに比べると、軽い後遺症や発達障害を持ちやすいというデータがあります。
そして医療技術の発展により低出生体重児の生存率が上がったことを受けて、比率として発達障害の子どもが増えたという説があります。
ただ、やはり「1」の「発達障害が定義されて認知されるようになったから」というのが主な理由と言えるはずです。
発達障害の子どもが増えていることに関する2つの捉え方
それでは発達障害の子どもが増えていることについての捉え方を2つ紹介します。考える際の手掛かりにしていただければ幸いです。
1:発達障害の子が増えても減っても個人単位では関係がない
発達障害のお子さんが増えていても減っていても「個人」「一家庭」にとっては関係がないはずです。重要なのはご自身のお子さんを見つめて、しかるべきサポートをしていくことだからです。
もちろん発達障害そのものについて興味が出てきたり、お子さんのサポートをする上での参考にしたりするために「発達障害の子が増えていること」について考えることは意義があるかもしれません。
ですが必須ではありませんから、率直に言って「周りのことは関係がない」というスタンスでも構わないはずです。
2:社会全体として発達障害の理解が進み、サポートを受けやすい状況にある
先ほどもお伝えした通り、一昔前に比べると社会全体として発達障害に対する理解が進んでいますし、具体的なサポートを受けやすい状態にあります。
また、社会全体として「個性を尊重する」という動きがありますから、「発達障害だからこその生きにくさ」も以前より緩和されているかもしれません。
ですからお子さんが発達障害で、難しさを抱えている場合は、「発達障害が広く認知されている現代で良かった」と前向きに考えて、適切なサポートを活用したり、専門機関に相談したりして、親子で抱え込まない環境を作っていきましょう。
まとめ
発達障害の子どもが増えている主な理由は、「発達障害というもの自体が広く認識されるようになったから」と考えるのが妥当であるはずです。つまり考え方によっては「発達障害の子が増えている=社会が柔軟になっている」とも言えるのではないでしょうか。
一昔前に比べればサポートも受けやすい傾向にありますから、お子さんの発達障害に関して何らかの難しさを抱えているのであれば、しかるべき人や機関に相談することをおすすめします。