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発達障害の子の癇癪・パニックを防ぐ基本方針|具体的な方法10選

発達障害の子の癇癪・パニックを防ぐ基本方針|具体的な方法10選
この記事の監修
上岡 正明

株式会社フロンティアコンサルティング 代表取締役

上岡 正明 (かみおか まさあき)

大学院にてMBA(情報工学博士前期課程)取得。専門分野は社会心理、小児心理。多摩大学、成蹊大学、帝塚山大学で客員講師等を歴任。子どもの脳の発育と行動心理に基づく研究セミナーは常に人気を博している。著者に『死ぬほど読めて忘れない高速読書』(アスコム)、『脳科学者が教える コスパ最強! 勉強法』(ぶんか社)、などベストセラー多数。中国や台湾、韓国でも翻訳され累計85万部となっている。 Twitterフォロアー5万人、YouTubeチャンネル登録者23万人を超える教育系ユーチューバーでもある。

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この記事では、発達障害のお子さんの癇癪・パニックを防ぐ基本方針などについて解説していきます。

「癇癪・パニックを起こしたときに対処することは大事」「でもそもそもできるだけ起きないようにしてあげたい」と感じている方は多いと思います。

そこで本記事では、発達障害のお子さんの癇癪・パニックを防止するための基本方針や、具体的な防止策などについてお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。

発達障害のお子さんの癇癪・パニックを防ぐための基本方針

まずは発達障害のお子さんの癇癪やパニックを防止するための基本的な方針を紹介します。この方針を念頭に置くことで、親子とも落ち着いて生活しやすくなることでしょう。

親や支援者の関わり・愛情が「特別なご褒美」にならないようにする

例えば「普段から親や支援者がお子さんに対してそれほど関わらない・愛情を注がない」「ただしお子さんが癇癪・パニックを起こしたら関わり、愛情を注ぐ」という状態が続いていると、お子さんの気持ちが満たされず、癇癪・パニックを起こしやすくなるかもしれません。

また、このように関わり・愛情が「特別なご褒美」という立ち位置になると、「構ってもらうために騒ぐ」という行為が増える可能性もあります。つまり「親や支援者が関わる・愛情を注ぐ=日常的な行為」にしていくことが大事なのです。

60~70%の愛情を常に注ぐイメージです

とはいえ常日頃100%の愛情を注ぎ、完全に満足させるのは至難の業です。それでも数日であれば続くかもしれませんが、早い段階で親御さんが疲れ果てて、余裕をなくしてしまうかもしれません。そのため、あくまでイメージですが「日頃から60~70%の愛情を注ぎ続ける」ことをおすすめします。

そうしておけば、お子さんが癇癪・パニックを起こしたり、それに近い状態になったりした際に「100~120%の愛情」を注いでも、「普段とのギャップ」が大きくならないため、関わること・愛情を注ぐことが特別なご褒美になりにくいです。

「たまにフルパワーで接する」のではなく、「日頃からそれなりに接する」のも親としては大事なことと言えるはずです。

発達障害のお子さんの癇癪・パニックを防ぐための具体的な方法10選

それでは発達障害のお子さんの癇癪・パニックを防ぐための具体的な方法をいくつか挙げていきます。もちろん「癇癪・パニックを防ぐ」という観点を抜きにしても大事なことですので、できる範囲で取り入れていくことをおすすめします。

1:日頃から言葉で愛情を伝える

「大好きだよ」「○○君のことが大事だよ」など日頃から言葉で伝えることが大事です(紙に書くなどもアリです)。特に発達障害の場合、「言われていないことを察する」のが苦手な傾向にありますから、明確に言葉で伝えることが重要と言えます。

ご自身のお子さん相手でも恥ずかしくなるかもしれませんが、徐々にご自身の心も温かくなっていくはずですのでぜひ取り入れてみてください。

2:スキンシップを少し多めにする

特にスキンシップをほとんどしない家庭の場合は、抱っこ、ハグ、おんぶなどを少し多めにすることをおすすめします。これによって「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンが親子ともに分泌され、幸福感などを味わうことができます。

ただ、発達障害のお子さんの中には感覚過敏などで、触られることを苦手としている人も少なくありません。その場合は、「見つめ合う」「一緒に食事をする」などのコミュニケーションをきちんと取ることを意識しましょう。これらによってもオキシトシンは出ます。

3:話を否定せずに、共感・肯定して聞く

発達障害であってもなくても親と子では価値観が違い、お子さんの話を「違うでしょ~」「いや、お母さんは○○だと思う」などと否定したくなることもあるかもしれません。ただ、これではお子さんの自己肯定感が下がりやすいため、まずは共感・肯定して聞くことをおすすめします。

お子さんが明らかに間違ったことを言っていても、「なるほど、○○君はそう思うんだね」など、「お子さんが□□と考えたこと自体」は肯定します。その上で話を修正する必要がある場合は、「お母さんとしては○○と思う」などと言うといいでしょう。

ポイントは「『でも』お母さんは○○だと思う」など、できるだけ最初に否定語をつけないことです。また、修正する必要のない話については、もちろん「そうなんだねえ」と共感するだけで、ノーを突き付けるべきではありません。

4:「○○はダメ!」ではなく「□□をしてね」と伝える

発達障害であってもなくても人間の脳は「○○はダメだよ」「□□はやめてね」など否定的な言葉を受け入れることが苦手です。また、特に発達障害の場合は「ダメなら、その代わりに何をすればいいか」を想像することも不得手な傾向にあります。

そのため否定ではなく「○○をしてね」と伝えることをおすすめします。例えば以下のように言い換えてみましょう。

  • 走っちゃダメ!→ここでは歩いてね
  • 大きな声で騒がないで!→お母さんくらいの声で話してね(親が声量で手本を示す)
  • 宿題しないとダメでしょ!→宿題をしようね
  • ○○なんて言っちゃダメでしょ!→○○って言葉を紙に書くだけならOKだよ

5:当たり前のこと、いつもできていることでも褒める

「褒めること」は、特別なこと・難しいことに対してすることのように感じるかもしれません。ですがそれだけでなく、当たり前のこと・いつもできていることでも褒めるのが大事です。

すると自信がつき、「するべきこと・していいこと」がお子さんの中でより明確になります。例えば以下のようなことも褒めましょう。

  • 毎日学校に行っている、安全に家に帰ってきた
  • 3食きちんと食べている、食後に歯を磨いた
  • 夜ふかしせずにすぐに寝ている
  • 学校のテストを受けた(たとえ0点でも受けることは立派)
  • 注意されてすぐにやめられた(良くないことをやめるのも偉い)

スモールステップ、小さな「成功」を積み重ねる

また、スモールステップ、つまり小さな成功を積み重ねることも大事です。例えば以下のように分解して考えてみましょう。

  • 九九を覚える→一つの段を覚えただけでも褒める
  • 宿題をする→机に座れただけでも褒める
  • お皿洗いをする→ほとんどできなくても「手伝ってくれたね」と褒める

逆に大きなまとまりでしか褒めないとなると、褒める機会が減ります。また、「何を頑張ればいいのか」も分かりにくくなるかもしれません。

6:必要に応じて情報・刺激を減らす

お子さんが受ける情報・刺激が多いとストレスが溜まり、癇癪・パニックを起こしやすくなります。特に発達障害の子は普段から何かと頑張っているため、親の想像以上に精神的に疲弊している場合が多いです。例えば以下のように情報・刺激を減らしましょう。

  • なんとなくテレビやラジオをつけることはしない(映像・音声も刺激です)
  • 必要に応じて遮光カーテンを購入する(光が苦手な子もいます)
  • 両親の会話は必要に応じてやや声を抑える
  • 冷蔵庫などに貼ったメモは不必要になったらすぐはがす
  • パソコンを使う際は、タイピング音の静かなキーボードや静音マウスを選ぶ

一つひとつは小さな刺激でも、複数になったり継続したりすると大きなストレスになる可能性が高いです。

7:何かと安心させる

お子さんがオロオロしていれば「○○をすれば大丈夫」、新しい場所に行くときは「○○をする場所に行くよ」と声をかけるなど、あらゆる行動をするに際して、「どうすればより安心するか」を考えて、実践することが大事です。

もちろん不安を100%軽減することは難しいですが、「ほんの少しでも軽くするためには……」と考えて動くことを意識しましょう。

8:家の中に標識を作りわかりやすくする

特にお子さんが小さいうちは、家の中でも「ここはどこか」「何をする場所か」がわからなくなりやすいので、標識(マーク、張り紙など)を作って理解しやすくすることをおすすめします。

例えばトイレにはトイレのマークを貼り、廊下には「こっちがトイレだよ!」などと矢印(→)とともに描くのもいいでしょう。こうすることで、家の中の「どこに何があって何をする場所なのか」の全体像を徐々に理解していくことができます。

9:何事も事前にわかりやすく計画を立てる

発達障害のお子さんは「この先どうなるんだろう……」という不安を抱えやすいので、何事もできるだけ事前にわかりやすく計画を立てることをおすすめします。例えば病院に行くなら以下の通りです。

  • 9時に家を出発
  • 10時に病院に到着
  • 1時間くらい病院のイスに座って待つ
  • 先生とお話ししてから注射
  • 11時に病院から出る
  • 12時に帰宅

などなど。病院やお医者さんなどの写真・イラストを使って視覚的に説明するとよりわかりやすくなります。例えば「修学旅行のしおり」がありますが、これの簡易的なものを毎回作るようなイメージです。

10:疲れたら休む(学校なども)

特に発達障害のお子さんは日々色々な苦労をしているので、疲れたら無理をせずに休むことが大事です。(ご家庭の方針にもよりますが)学校も毎日行かなければならないものでもありません。少しくらい休みを挟んでもいいのではないでしょうか。

また、お子さんはもちろんですが親も休むことが大事です。忙しいとは思いますが、「自分がいつ休むか」も考慮して様々な物事の計画を立てることをおすすめします。

まとめ

発達障害のお子さんの癇癪・パニックを防ぐためには、60~70%の愛情を常に注ぎ続けてお子さんの心を満たすことが大事です。そうすることで親などの「愛情」や「関わり」が良い意味で特別なものではなくなります。そのスタンスの上で、今回紹介した10個の方法をできる範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
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運営事務局 / ライター

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