できないことを責めないためのポイント4選
この記事では、発達障害のお子さんに対して、ついできないことを責めてしまうのを防ぐための考え方や、具体策について解説します。つい言ってしまいそうになるけれど抑えたいとお考えの方は多いと思います。
そこで本記事では、この言葉が望ましくない理由をはじめ、言わずに済むための4つの工夫、さらに一歩進んでお子さんの自立を促すサポート法までをわかりやすく解説します。
「どうしてできないの!」と責めてはいけない3つの理由|発達障害支援
「どうしてできないの!」という言葉が良くないものというイメージはできる方が多いと思いますが、具体的にどこに問題があるのか考えてみましょう。
1:できないことがわかるくらいなら事態は良くなっている
そもそも「どうしてできないのか」が理解できているくらいであれば、事態はもっと良くなっているはずです。
そしてお子さん自身がなぜできないのかがわからないのに、「どうしてできないの!」と言われても困惑するだけです。そして「どうしてできないのか」を必死で考えていたのに、怒鳴られることで思考がストップするかもしれません。
2:できないことが理解できていても解決方法はわかっていない
仮にできないことを理解できていても、お子さんは解決方法はわかっていません。保護者の方などからすれば「どうしてできないの!」と言いたくなるかもしれませんが、もちろん問い詰めても解決しません。
3:抽象的な言葉で責めるとお子さんを支配してしまう
たまに感情的になって「どうしてできないの!」と責めてしまうのはある程度仕方がないです。感情の完全なコントロールはできないはずです。たびたび、できないことを抽象的な言葉で責めると、それがクセになってお子さんを支配してしまう可能性があります。
もちろん支配するつもりはないと思いますが、感情的に相手を問い詰める行動は、瞬間的なストレス発散に結びつきやすく、無意識のうちにパターン化してしまう危険性があります。
「どうしてできないの!」を言わないための4つのポイント|発達障害支援
それでは「どうしてできないの!」を言わないためのポイントをいくつかお伝えしていきます。こうすれば言わなくなる、それを言うくらいなら別のことをするべきと論理的に理解しておくと、そう簡単には言わなくなるはずです。
1:物事は「できない」ことが多いと理解する
例えば算数の足し算の宿題をするとしても、「カバンから問題集とプリントを出す」「筆記用具を用意する」「今日の宿題の範囲を確認する」「繰り上がりの計算をする」など実に様々なステップがありますよね。
そして周囲からすると、これらが全部できていないと「できている」ように見えにくいですが、たくさんのステップをすべてこなすのは、特に発達障害のお子さんには難しい場合が多いです。
2:できたところまで評価する(褒める)
そのため、できたところまではきちんと評価することが大事です。例えば今日の宿題の範囲を確認するステップまでできるようになったのであれば「確認できたね!」と褒めます。
褒められたことでモチベーションが上がり、そのまま次のステップに移行できるかもしれません。また、次のステップで何をすればいいかわからない場合は「じゃあ一桁ずつ計算しようか」などと教えてあげましょう。
3:途中のステップを飛ばす(親や先生が助ける)
また、例えば全部できるまで10ステップあるとして、特定のステップだけができない場合もあります。特に発達障害の子の場合、宿題の作業そのものはできる、けれど宿題をするための準備が苦手というケースが少なくありません。
その場合は親や先生が、ノート、問題集、筆記用具などを用意して、今日はこの部分からこの部分までと範囲を指定しても良いと思います。
4:大人の物差しで考えないことが大事
また、何か注意したり諭したりする際に、大人の物差しで考えないことが大事です。例えば宿題で2ケタ同士の足し算を5問解くことは、大人であれば1分もかからず終わるかもしれませんが、お子さんにとっては大変なことかもしれません。
それにもかかわらず、なんでこんな簡単なことができないかと考えてしまうと、たとえそれを口に出さないとしても、お子さんに対してイライラするようになる可能性があります。もちろん、そうしてイライラすることには何の意味もありません。
そのため大人である自分にとってどうかではなく、お子さん個人にとってどうかを考えるのが大事です。この際、発達障害であること自体は本質的に無関係です。あくまで、その子という一人の人間にとってどうか、という視点を持つことが極めて重要です。
できないことを問い詰めないステップアップポイント2つ|発達障害
ここまで解説したことを意識すれば、発達障害のお子さんに対してむやみに「どうしてできないの!」と問い詰めてしまうことはなくなると思います。ここからは「どうしてできないの!」と言わないだけでなく、さらに先のステップを目指すためのポイントを2つ紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
1:できない部分がわかっているなら「できているようなもの」
例えば、大人も職場で仕事をする際に、あらゆることを自力だけでこなそうとはしないはずです。できないことがあればできる人に助けてもらうことで、全体の作業を終わらせているのではないでしょうか。
お子さんの場合もこれと同じで何ができないかを自分で理解しているなら、すでにできているようなものです。そのため、できるだけ今の時点で「できること」「できないこと」を整理することをおすすめします。
もちろん宿題は自分でしないといけませんが、社会に出て自由度が高くなれば「できないことを人に任せる能力」がより重要になりますよね。
2:「どうすればできるか」はお子さんに考えさせる
「どうすればできるか」は可能であればお子さんに考えさせることが大事です。そうすることで「考える能力」「他のことに応用する能力」が身に付きます。ただ、お子さん一人で考えることに限界を感じる場合は、様子を見ながらアドバイスをしましょう。
また、初挑戦の事柄については当然考えてもわからないでしょうし、何回か経験していても「わからないものはわからない」というケースもあるので、臨機応変に捉えることが大事です。本当にわからないようであれば、直接的に答えを教えましょう。
まとめ
お子さんが発達障害であってもなくても、「どうしてできないの!」とたまに言ってしまうのは仕方がないものの、言っている本人としても後から思い返して嫌になる言葉だと思います。
そのため「そもそも理論上できないのが普通」「できる部分を褒めるのが大事」「できるようにしてあげるのが重要」などのことを意識してお子さんと接することをおすすめします。できないことを責めるより、褒めたりサポートしたりする方がハッピーですよね。