不登校でHSCのお子さんの学校復帰を目指すための6つのポイント|HSCとは?
この記事ではお子さんの不登校で悩んでいる保護者の方に向けて、HSCで不登校の子の学校復帰を目指すためのポイントに関してお伝えしていきます。特に、繊細な性格のためか学校に行くのが難しくなっていて心配という方や、HSCについて知りたいという方におすすめの内容となっています。
本記事ではHSCの概要、HSCのお子さんの特徴、HSCのタイプ、そしてHSCで不登校のお子さんをサポートするためのポイントについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
HSCとは
HSCとは、「Highly Sensitive Child」(ハイリー・センシティブ・チャイルド)の略で、生まれつき人一倍繊細で、刺激や感情に対して敏感な気質を持った子どものことです。アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念で、病気や発達障害といった「医学的な診断名」ではありません。血液型や性格と同じように、その子が生まれ持った感性のひとつであり、およそ5人に1人の割合で存在するとされています。
HSCのお子さんの3つの特徴
HSCのお子さんの主な特徴は以下の通りです。これらの性質を持つ子が、そうでない子に比べれば不登校になりやすいことはイメージしやすいと思います。
1:深く考えるため判断や行動が遅い傾向にある
小さな情報から一瞬で多くのことを感じ取る傾向にあります。例えば周りの様子や表情を瞬時に察知してたくさんのことを読み取り、深く考え、それによって判断や行動が遅くなる場合があるのです。
それ以外でもあらゆる事柄について小さな可能性まで考えることがあり、なかなか動き出せない子が少なくありません。
2:刺激や変化に敏感で反応が過剰
小さな刺激や変化に敏感で、それらに対する反応も過剰な傾向にあります。例えば、音、におい、風など少しの変化を大きく受け止めて心身を弱らせる、騒がしい場所や痛みなどを無理にでも避けるなどですね。
その過剰な反応や拒絶の理由が周囲にはわからず、煙たがられてしまうこともあります。
3:他人の感情に対して敏感
HSCのお子さんは、他人の喜怒哀楽に敏感な傾向にあります。例えば怒らせないようにしよう、悲しんでいるから助けないと、自分が我慢してみんなを喜ばせようと考え、実行して、結果的に自分を疲弊させる子が少なくありません。
それによって腹痛や頭痛など具体的な影響が出たり、他人と関わること自体が怖くなって塞ぎ込んだりすることもあります。
HSCの4つのタイプ
ここまで解説してきたHSCですが、大きく4つのタイプに分けることができます。分類を知っておくと、お子さんが不登校になりそう・なっている場合にサポートしやすくなる可能性があるので、ぜひ参考にしてくださいね。
タイプ1:内向的
刺激や変化を避けたいなどの理由で、内向的になっているタイプがHSCのお子さんの中でも最も多いとされています。
本人も穏やかで、生活も静かなものを望み、衝動的に動くことが少なく、リスクを取らない、そして物事をマイペースで地道に進めることを好む傾向にあります。人間関係の構築が苦手ですし、相手の感情を気にしすぎて疲弊することも。
タイプ2:外向的
すでに解説したHSCの性質を持ちながらも、人とコミュニケーションを取ることは好きなタイプです。ただし繊細で、他人の言動で疲れる傾向にあるので、他人との距離感を重んじる子が多いです。
それはいわゆる広く浅くの場合もあれば、本当に信頼できる相手とだけ深く関わりたいタイプのお子さんもいます。
なお意外かもしれませんが、HSCのうち30%ほどはこのタイプと言われています。そのため一見して社交的に見えるお子さんでも、人間関係などで疲れていないかを気にしてあげるといいかもしれませんね。
タイプ3:刺激探求型
他人と関わることが苦手な傾向にありつつも、刺激探求は好むタイプです。初めての挑戦はなんでもしたがる、新しいもの好き、自分の趣味はとことん追求するなど。それでいて刺激に疲れることもあるので、一人で穏やかに過ごす時間も求める場合が多いです。
タイプ4:外向的な刺激探求型
タイプ2とタイプ3の性質を同時に持っているタイプのHSCです。活発でリーダーシップも取れる傾向にありますが、一人の時間を確保しないとストレスが発散できない場合が多いです。明るくコミュニケーション上手でありつつ裏では疲弊している、というケースがあるのでお子さんの様子をしっかり見てあげましょう。
不登校でHSCのお子さんをサポートするための6つのポイント
続いては不登校でHSCのお子さんをサポートするための主なポイントを挙げていきます。ここまでの解説をお読みになってHSCに対して特別な印象を抱いたかもしれませんが、実は子どもの15~20%はHSCであるとされています。
つまりHSCの子の中にも、休みたいとも思わずに毎日学校に通っている子がたくさんいるということ。よってHSCで一度不登校になった場合でも、復帰できる可能性が低くはありません。
ポイント1:大前提としてお子さんのHSCに先入観を持たない・決め付けない
HSCに医学的な診断基準はありませんし、お伝えしたように疾患や障害でもありません。また、HSCに明確な定義もないので、お子さんがHSCであるかどうかにこだわりすぎないようにしましょう。
HSCの傾向や、効果が出やすいサポート方法を知っておくのは重要ですが、それらが必ず当てはまるわけではないので、あくまでお子さん個人を見て、その子に合いそうな対応をするのが重要といえます。
例えば、HSC傾向にあるすべての子が全部の刺激を避けたがるわけではありませんし、昨日は避けていた刺激を今日は平気で受けようとする場合もあります。いずれにしても良い意味でおおらかに捉えつつ、先入観を持たず、決めつけずに日々サポートするのが重要といえますね。
ポイント2:不要な刺激は避けつつも、刺激に慣れさせていく方針で
HSC傾向にある子が不登校になった場合、お子さんを守るために刺激からできるだけ遠ざけようとしてしまう保護者が少なくありません。本人が望むなら外出させない、人と関わらせない、家の手伝いをさせないなどですね。
ただ、それではさらに刺激への耐性がなくなっていき、学校への復帰が難しくなるどころか刺激を回避するために引きこもるようになる恐れさえあります。そのため基本方針として刺激を与えないのではなく、無理なく刺激に慣れさせていくことをおすすめします。
その上で不要な刺激を避けるのは構いません。例えば、本人にその気がないにもかかわらず集団スポーツのクラブに通わせるべきではないなど。
ポイント3:むやみに甘やかさず保護者が堂々としている
例えば、保護者と本人で毎日家の手伝いをすると決めたのにやりたがらない場合でも、HSCだからといって・不登校だからといって甘やかさず、基本的にはルールなのだからやろうという方向性で諭すのが大事です。
また、やりたくない、怖い、絶対に無理、など強く拒絶しても安易に受け入れず、同じようにルールなのだからやろう、ずっと避けることはできないよ、などと伝えるといいでしょう。
そして常に保護者が堂々としているのも大事です。一例としてお子さんが癇癪を起こしても穏やかな表情で落ち着くのを待つ、怒り返さずに淡々と注意するなどですね。するとお子さんは、ゴネても意味がないと理解し、同じことをしなくなる可能性があります。
それに保護者まで感情を爆発させると、連鎖的にお子さんはパニック状態に近くなるかもしれません。互いにエネルギーを消費するだけで不毛なので気を付けてくださいね。
ポイント4:学校の何が嫌なのか、なぜ行きたくないのか書き出してみる
学校の何が嫌なのか、なぜ行きたくないのかを書き出してみるのもおすすめです。
人間は得体の知れないものを怖がる傾向にあるため、マイナス面を明確にするだけでも気持ちが楽になるかもしれません。また、学校から遠ざけている要因が判明すれば具体的な対処もしやすくなりますよね。
なお小学校低学年など自分自身で考えにくい段階の場合は、「授業が嫌なの?」、「お友達が嫌なの?」などと質問形式にするといいでしょう。そして例えば授業が嫌なら、授業の何が嫌なのか、と深掘りしていきます。
ポイント5:段階的に学校に行かせてみる
刺激に慣れさせていくイメージで段階的に学校に行かせてみるのがおすすめです。例えば復帰を目指す初日はランドセルに荷物を入れられるだけでもOK、次の日は玄関ドアを開けられるだけで可、次は通学路を半分進めるだけでOKとしてお子さんが望むなら引き返させるなど。
そして1時間目だけ出席、半日出席などと進めていき、最終的には通常のように登校し続けられる状態を目指します。また、1日出席できたら次の日は休む、もしくは半日で帰るなどもあるでしょう。
実際にはこれほど細かくステップを踏まず、どこかのタイミングで突然お子さんの方から1日全部出席できるなどと言われるケースもあります。こういった場合はもちろんお子さんの意思を尊重しましょう。保護者としては心配ですし、途中で限界を迎えて帰ってくるかもしれませんが、とにかく挑戦させます。
HSCや不登校に限らず段階的に慣れさせていく方法には効果が期待できる
ちなみにHSCや不登校に限らず段階的に慣れさせていく方法には効果が期待できます。例えば外食が苦手ならまずは保護者と一緒に公園でお弁当を食べるところから始めて、人が少ない時間帯の飲食店で食事をして、以降は徐々にハードルを上げていくなど。
また、刺激とは別の話ですが、一例としてなかなか集中できずに宿題が終わらない日が多い場合は、まずは宿題に取り掛かっただけでも褒める、5分集中したら休憩、10分集中したら休憩と時間を長くしていくなどですね。
こうしてできることが増えたり能力が伸びたりすることが自信につながって、学校に行きやすくなる場合もあります。
ポイント6:必要に応じて方針に合う専門家に相談する
これらの方法でも不登校からなかなか復帰できない、もしくはHSC以外にも学校に行けない理由がある、心配が強いのでとにかく外部のサポートも欲しいなどの場合は、専門家への相談も検討しましょう。
ただ、一口に専門家といってもバラバラなので、不登校やHSCでも良い意味で甘やかさない、そして学校への早期復帰を目指してくれるタイプの人に依頼するのが重要です。
中には、期間を決めずにとにかく家でゆっくり休ませるべき、刺激から遠ざけるべき、心身が疲弊しているので子どもの言うことをなんでも聞くべき、などという方針の専門家もいるので気を付けてください。そのタイプの専門家を頼ると、復帰までの期間が長引いてしまうかもしれません。
まとめ
HSCの概要やタイプを把握すると対応しやすくなるかもしれませんが絶対のものではないので、あくまで参考程度に留めておくことをおすすめします。実際にはお子さん個人を見つめて、その都度適していると思えるサポートをするのが重要です。
その上で必要に応じてHSCや不登校の専門家を頼ることも検討しましょう。ただ、専門家といっても千差万別であり、合わないタイプの人のアドバイスを聞いてしまうと、かえって不登校が長引きかねないので注意が必要ですね。