発達障害の子を他人と比較して叱らない・褒めないための3つの方法
この記事では、発達障害のお子さんを他人と比較して褒めたり叱ったりしないためのポイントや、具体的な関わり方について解説します。「なんとなく他人と比較してしまうけれどやめたい」とお悩みの方は少なくないと思います。
そこで本記事では、発達障害のお子さんを他人と比較して褒める・叱ることのデメリットや、比較することをやめるためのポイントなどに関して解説していきますね。
他人と比較して褒める・叱ることのデメリット3つ|発達障害支援
それでは発達障害のお子さんを他人と比較して褒めたり叱ったりすることの主なデメリットを紹介します。比較して叱る場合のデメリットはイメージしやすいと思いますが、比較して褒めることも好ましくありません。
1:お子さん本人よりも比較対象に目が行きやすくなる
誰かと比較して褒めたり叱ったりするクセがあると、お子さん本人に目が向きにくくなります。例えばお子さん本人がテストで90点を取れても、「90点を取ったお子さん」よりも、「友達の○○君の点数」「平均点」などを意識してしまうわけですね。
例えば「〇〇君より点数が高くてすごいね!」と褒めたとしても、言われたお子さん自身は「自分の努力ではなく、他者との比較の話をされている」と受け止め、素直に喜べないケースが少なくありません。
極端に言えば、お子さんからすれば自分が90点を取ったのに「やっぱり日本の子どもは賢いね」と言われているのと同じくらいの「他人事にされている感」があってもおかしくありません。
2:叱れば卑屈になり、褒めれば調子に乗りやすくなる
誰かと比較して叱ることが多いと「どうせ自分なんか」と卑屈になりやすいです。特に発達障害のお子さんの場合、発達の遅れや偏りの影響で苦労する場面も多くなる傾向にあるため、自己肯定感が下がる場面も増えやすいです。
また、比較して褒めることが多いと「何もしなくても自分はできる」と過剰に自惚れてしまったり(根拠のある自信を持つこと自体は決して悪いことではありませんが)、「○○君は僕よりできない」など他人を見下したりする恐れがあります。
3:ある程度成長したらお子さんに気を遣い出す(もしくは悪い気分にさせる)
お子さんがある程度成長してから、例えば「○○君より点が取れたなんてすごいじゃない」と褒められた場合、「○○君が不必要に貶されて嫌だな……」「でも親が褒めているわけだから愛想笑いをしないと……」などの心境になる可能性があります。
そこまでは考えなくても「なんだかモヤモヤするな……」くらいは思う可能性が高いです。発達障害の子は自分の考えを言語化することを苦手とする傾向にあるため、なんだかよくわからないモヤモヤを抱え続けることになるかもしれません。
そのことに親が気付かず、良かれと思ってお子さんを誰かと比較して褒め続けるとしたら悲しいですよね。
発達障害の子を他人と比較して褒めない・叱らないための3つのポイント
それでは発達障害のお子さんを他人と比較して褒めたり叱ったりしないためのポイントをいくつか紹介していきます。「比較して叱ること」は意識して避けられる方が多いと思いますので、「比較して褒めること」を避ける方法がメインです。
1:「一番だね」「トップクラスだね」などもあまり好ましくありません
「一番になれたね」「トップクラスになったね」などの褒め方もあまり好ましくありません。なぜなら「他の子に勝って一番になったね・トップクラスになったね」という意味合いがあるからです。そのため褒める際は「すっごい点数だね!頑張った!」などシンプルな褒め方をおすすめします。
負けず嫌いなお子さんの場合はこの褒め方もアリかもしれません
ただ、例外としてお子さん自身が一番やトップクラスを意識して努力していた場合は、「一番だね!」「トップクラスだね!」という褒め方をしていいでしょう。
この場合は特定の誰かを貶めているわけではないため、お子さん自身に「勝ちたい」という強いモチベーションがあるならば、有効なアプローチになり得ます。特に発達障害のお子さんの中には負けず嫌いな子も多いため、この褒め方がいい方向に働くかもしれません。
2:比較するなら「過去のお子さん自身」と比較して成長を褒める
比較するなら「過去のお子さん自身」と比較して成長を褒めるといいでしょう。発達障害であってもなくても子どもも大人も「成長したね」と言われて嬉しくない人はいません。それくらい強力な褒め方です。
ただ、自分自身では変化・成長がわかりにくいものなので、例えば以下のように保護者の方などが成長を実感できるように準備してあげましょう。
- 過去の宿題ノートなどを取っておいて字がきれいになったことを実感させる
- 着替えが苦手なお子さんなら着替えのタイムを記録して「早く着替えられるようになったね」と褒める
- 最近そのゲーム好きだねと言及する
3つ目の例は褒めることとは少し異なりますが、こういった変化に触れてもらえると「自分を見てくれている」と実感できるので意外と嬉しいものです。
3:結果よりも過程を褒める
例えばテストであまりいい点が取れなくても褒められることはたくさんあります。例えば以下の通りです(いずれもお子さんの努力や成長に言及しているのがポイントです)。
- 最後まで大人しくテストを受けられるようになったね
- (たとえ点数が5点などでも)あ、勉強したところ○もらえたね、すごい!
- (50点なら)半分も取れるようになったね!すごい成長だよ!
また、テストで高得点だったかといって「よし100点、えらいね!」など結果しか褒めないようでは、「次も高得点でないと褒めてもらえない」などプレッシャーを感じたり、「僕が頑張っていること自体には興味がないのか……」とガッカリされたりする恐れがあります。
まとめ
発達障害のお子さん本人をしっかりと見つめれば、自然と比較して叱る・褒めるということは減っていくと思います。
「正直なところ褒めることがない……」と感じる場合もあるかもしれませんが、お子さんが頑張ってきた過程や、お子さん自身の成長に目を向ければ、褒めるところはいくらでも見つかるはずですよ。