不登校のお子さんが自己肯定感を高めるための5つの方法|学校復帰に向けて
この記事ではお子さんの不登校で悩んでいる保護者の方々に向けて、不登校のお子さんの自己肯定感を高めるための方法などについてお伝えしていきます。
特にお子さんのエネルギーや行動力が下がった気がするとお悩みの方や、いつになったら学校に行けるか想像できないという方におすすめの内容となっています。
本記事では、自己肯定感という言葉の意味や自信との違い、学校復帰に自己肯定感の回復が必要である理由、そして自己肯定感を高めるための方法などに関してお話ししますので、ぜひ参考にしてください。
自己肯定感とは?|自信との違いは
自己肯定感とは一般的に、ありのままの自分を好きでいる感覚や、特に何も結果を出していなくても自分自身の価値を認めることができる状態のことを指します。
例えば、学校のテストで毎回100点を取るお子さんでも自分の価値を認めていなければ自己肯定感は低く、逆に成績が悪くても自分の価値を信じ、一例として自分の長所を探すことができるなら自己肯定感は高いといえます。
なおこの言葉に明確な定義はありませんし、説明するのも感覚的に理解するのもやや難しい面があります。そのため定義にこだわりすぎず、お子さんがどのような状態になっていると好ましいのかなどを軸に考えることをおすすめします。
自信との違いは?
自信とは、何かができる、など自分自身の能力などを信じることを指します。例えば自分は仕事ができる、自分は優しくて他人を助けることができる、といった気持ちです。
自己肯定感はとにかく自分自身が好きなどの感覚ですが、自信とは信じる気持ちなどのことなので少し違います。不登校のお子さんをサポートするにあたって念のため違いを理解しておくといいでしょう。
不登校だと自己肯定感が下がりやすい4つの理由
続いては不登校だと自己肯定感が下がりやすい主な理由を挙げていきます。上の解説で不登校のお子さんの自己肯定感が低くなりやすいことはイメージできると思いますが、なぜそうなるのかを確認していきましょう。
理由1:学校に行けなくなる時点で本人にとって大きな失敗である可能性が高い
不登校になる理由は様々ですが、大半は本人にとって重い問題であり、学校に行けなくなる時点で自分は大きな失敗をしたという感覚になっている可能性が高いです。
あの程度のことで学校に行けなくなるなんて、みんなは毎日学校に行っているのに、保護者に合わせる顔がない、などと考えて自己肯定感が下がっていくのです。
理由2:不登校が続くとさらに状況が悪化すると感じて自己肯定感が下がっていく
不登校が続くとさらに自己肯定感が下がっていく可能性が高いです。これほど休み続けるなんて自分はダメだ、みんなとの差がどんどん離れていく、誰にも合わせる顔がない、復帰したとしてみんなにどんな目で見られるか、など絶望的な感覚になっていくお子さんも少なくありません。
理由3:視野が狭くなりマイナス思考が深くなっていく
学校に行くと先生やクラスメイトなど様々な人に会いますが、不登校が続くと会う人が少なくなり、視野が狭くなってマイナス思考が深まっていくお子さんも多いです。特に引きこもり状態になって、ほとんど外の情報を入れないなどとなると、さらに自己肯定感が大きく落ちてもおかしくありません。
理由4:生活リズムの崩れによる心身の不調
不登校だと朝早く起きる必要がないため多くのお子さんは生活リズムが崩れ、場合によっては昼夜逆転します。そして心身の不調が続いて思考もネガティブになっていく可能性が高いです。
不登校の解決のために、学校に直接関係する部分から手を付けようとするお子さんや保護者が多いですが、実は生活リズムを整えることも非常に重要です。
不登校から学校に復帰するために自己肯定感の回復が必要
ここまでの解説でイメージできた方が多いと思いますが、不登校から学校に復帰するためには自己肯定感の回復や向上が必要です。その主な理由は以下の通りです。
- 自分はダメだ、などの考えから抜け出さないと復帰は難しい
- 自己肯定感が低いままだと行動するためのエネルギーが生まれにくい
- 自己肯定感が低いと、失敗を恐れて挑戦しにくくなる
不登校から学校復帰するには、ポジティブさ、エネルギー、挑戦を恐れない心などが必要ですが、自己肯定感が高いお子さんはそれを全部兼ね備えているといえます。
不登校のお子さんが自己肯定感を高めるための褒め方のポイント4つ
不登校のお子さんが自己肯定感を高めるためには保護者などが積極的にお子さんを褒めることが重要です。目安として少なくとも1日10回は褒めましょう。褒めても現状が直ちに変わるわけではありませんが、お子さんに自分自身のプラスの要素を自覚させることで、自分を否定する感覚が薄れていきます。
では褒め方のポイントを見ていきましょう。
褒め方ポイント1:結果だけでなく過程や事実も褒める
例えば自宅勉強のドリルで全問正解して「100点が取れてすごい」と結果を褒めるのは重要ですが、それだけでなく「勉強に取り組めてすごい」、「集中できたね」など、過程も褒めるのが大事です。
たとえ本人が満足する結果でなくても過程を褒めることで、お子さんは行動や挑戦自体の大切さを実感しますし、チャレンジを過剰に恐れることも少なくなります。
また、「早起きできたね」、「家事を手伝ってくれたね」など日々の単なる事実を褒めることも忘れないようにしましょう。褒められて悪い気はしませんし、当たり前のことを毎日こなすことの重要性も理解してくれます。
褒め方ポイント2:成長を褒める
「○○ができるようになったね」、「前より□点上がったね」など成長を褒めると、それまでの努力や工夫が報われた感覚になり自己肯定感が上がりやすいです。また、お子さんの成長を意識することで、自然とお子さんのいいところを見つけやすくなるものです。
褒め方ポイント3:「私」を主語にして褒める
例えば、「家事を手伝ってくれて私、助かったよ」、「○○ができるようになって私、感動したよ」など、「私」を主語にして褒めると心に響きやすくなります。ちなみにこの手法はアイメッセージなどと呼ばれており、褒める以外でも何か言い聞かせたい際には効果的です。
褒め方ポイント4:本人が褒められ慣れていない部分を褒める
少し難易度が高いですが、本人が褒められ慣れていない部分を褒めると新鮮で、自分をきちんと見てくれているという気持ちになるので効果的です。お子さんには日頃から褒められやすい要素、言及されやすい要素があると思いますので、できればそれ以外のところも積極的に褒めるようにしましょう。
褒める以外で不登校のお子さんの自己肯定感を高める4つの方法
続いては褒める以外で不登校のお子さんの自己肯定感を高める方法をいくつか紹介します。日々褒めつつ、これらを並行していきましょう。
方法1:誰かと比べない
お子さんの自己肯定感を大きく下げかねないのが他人との比較です。例えば「お兄ちゃんは学校に行っているのに」など。この辺りはつい家族がやってしまいがちなので、全員に比較をしないように伝えるべきでしょう。
また、例えばテレビで子役の芸能人などが活躍しているのを見て、「こんな小さいお子さんが頑張っていてすごい」などと言うのも、暗に比較をしていますのでやめましょう。
方法2:役割を与えて成功体験を積ませる
不登校のお子さんの多くは家にいる時間が長いため、家事などを積極的に手伝わせて役割を与えるのがおすすめです。そしてこなしている家事について褒めることで、成功体験を積ませることができ、お子さんの自己肯定感が上がります。
また、これにはお子さんの、自分で自分をコントロールできる範囲を広げるという意味合いもあります。不登校が続くと自分の大部分を保護者などにコントロールされる感覚に陥る、もしくは実際にコントロールされることが多いので、それを避けるという目的もあります。
方法3:生活リズムを整える
すでにお伝えしていますが、生活リズムが崩れていると自己肯定感が下がりやすい傾向にあるので改善しましょう。そのために取り組みたいのが、オンラインゲーム、YouTube、SNSなどのデジタル系娯楽の時間制限。不登校のお子さんの大半は時間を持て余してこれらに長い時間を費やし、夜中までやってしまい、そのまま生活リズムがおかしくなってしまうものです。
また、お子さんと相談しつつ1日のスケジュールを組み、暇な時間を減らすことも大事です。まず食事、睡眠、入浴など必ず行うものの時刻を決め、それ以外を勉強、家の手伝い、遊びなどで埋めていくと無理なくスケジュールを作ることができます。
ちなみに専門家の中には、学校復帰までデジタル系娯楽を完全禁止することをすすめている人も少なくありません。それほどまでにデジタル環境がお子さんに与える悪影響は大きいので、可能なら一切排除することも検討したいところです。
ただし、いきなり完全に禁止すると、お子さんが強いショックを受けたり、家庭内での孤立感を深めて逆効果になる場合もあります。そのため、まずは平日は1日2時間まで、寝室にはデジタル機器を持ち込まないなど、時間や遊ぶシーンを段階的にルール化し、お子さんと相談しながら無理のないステップを踏んで制限を進めていくことが大切です。
方法4:家以外にも居場所を作る
例えば、ボランティア活動への参加、習い事、フリースクールなど家以外にも居場所を作ることが自己肯定感の回復につながるかもしれません。多くの人に会うことで視野が広がりますし、自宅に比べると自分が守られない場所で成果を出して褒められることが、本人にとって大きなプラスになる可能性があります。
また、特に保護者の都合で日中にお子さんをサポートするのが難しい場合なども、こういった居場所を作ることで寂しい思いをしにくくなる、家の中で好き放題にしてしまうことを避けられる、などのメリットが期待できます。
ただし家以外の居場所選びは慎重に進めましょう。
不登校が長引くほどに復帰が難しくなる傾向にあるので早めに学校に行けるようになりたいところですが、例えば習い事の中には長期的に通うことが前提のところもあるので気を付けてください。
そしてフリースクールは施設によって内容が大きく異なり、自分を律しながら生活しやすいところもあれば、好きな時間に行ってほぼ自由に遊んでいるだけのところもあるので注意が必要です。
そのためインターネットで調べたり資料請求をしたりするなどして、お子さんと一緒に比較検討しながら決めることをおすすめします。また、不要と感じるならどこかに通うこと自体をしなくてもいいでしょう。
まとめ
不登校になっている、続いているお子さんのほとんどは自己肯定感が下がっているため、学校復帰に向けてそれを回復させるための工夫が必要です。特に重要なのがお子さんを積極的に褒めることですので、少なくとも1日10回は褒めることを心掛けましょう。
また、自己肯定感とは一見無関係に思えるかもしれませんが、不登校のお子さんは生活リズムが崩れている傾向にあり、心身を安定させて自己肯定感を高めるためには、それを元に戻さなければなりません。苦労するでしょうが、デジタル系娯楽の制限から始めてみてはいかがでしょうか。